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【2015年5月26日】丹羽文部科学副大臣面談報告書

丹羽文部科学副大臣面談報告書

日時:  2015年5月26日(火)17時20分~17時30分
場所:  丹羽秀樹文部科学副大臣室
面談者: 丹羽秀樹文部科学副大臣
図友連参加者: FK・AK・AS・IK・IN・KO・H・FN
(図友連参加者名は個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

・丹羽文部科学副大臣に要望書を手渡ししている写真撮影

FK:本日はお忙しい中 面談の時間を取っていただいてありがとうございます。

私たち図友連は このリーフレットにありますように北は北海道から沖縄まで全国に会員がいる市民団体です。

昨年度までも文部科学大臣宛て要望書を提出し、何項目か要望をしていましたが、今年度の要望書は図書館協議会1点に絞っています。

その後要望書要請項目の説明・・・

先程まで文部科学委員会委員、文教科学委員の議員を中心に要請行動を行っていました。

丹羽副大臣:今日はお越しいただいてありがとうございます。要望書は確かに受け取りました。図書館は本当に大事だと思っております。私には8歳の子どもがいますが、何かお勧めの本はありますか?

IN:それなら『としょかんライオン』がお勧めです。翻訳の絵本ですが、図書館のことも分かって、いい内容です。

丹羽副大臣:ありがとうございます。子どもたちは図書館をよく利用していますが、私が地元の図書館に行ってあれこれ言うのはどうかと思いまして、行ってはいないのですが、国立国会図書館は利用しています。

FN:ぜひ図書館をどんどん利用してください。

FK:笠議員からも3月の予算委員会で公立図書館の役割について極めて大きいと言われ、文部科学省に悉皆調査をしてほしいと質問がありました。

丹羽副大臣: 笠先生には大変お世話になっております。

FN:丹羽副大臣によろしくと伝えてほしいと先ほど面談した笠議員からもうかがってきました。浮島議員からも丹羽副大臣は頑張ってしてくださるとお話を伺ってきました。浮島議員からオリンピックのバッジをいただいて 面談の際つけていってくださいという事で皆つけております。

丹羽副大臣:要望書の内容は確かに承りました。頑張っていきたいと思います。

KO:私が住んでいる多摩市では、図書館協議会はあり、これとは別に市民懇談会も開かれますが、現在、図書館7館を3館にする話が持ち上がっています。公共施設の老朽化等の問題と一緒で・・

丹羽副大臣:それは大変ですね。

FK:今日はお時間とっていただきありがとうございました。要望書の件どうぞよろしくお願いいたします。

(文責FN)

>>丹羽文部科学副大臣面談報告書(PDF)

>>【2015年5月26日】図書館協議会を必置とする法改正等の要望書(文部科学省宛)

【2015年5月26日】文部科学省事務担当者との面談報告書

文部科学省事務担当者との面談報告書

日時:  2015年5月26日(火)17時35分~18時05分
場所:  文部科学省会議室
面談者: 水畑順作氏(文部科学省生涯学習政策局社会教育課 企画官)
稲田幸昌氏(文部科学省生涯学習政策局社会教育課
図書館振興係長(人権・高齢者教育担当)

図友連参加者: FK・AK・AS・IK・IN・KO・H・FN
(図友連参加者名は個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

(以下敬称略)

FK:丹羽副大臣が図書館のことに非常に関心を持っていただいていて非常にうれしかった。子どもさんがいらっしゃって関心をお持ちでした。図書館協議会の必要性についてもわかっていただいていたと思います。文科省の事務方から説明をしていただいているのだと思います。ありがとうございます。今回は文部科学委員会、文教科学委員会の議員さんを回りましたが、図書館協議会についてはわからない方もいらっしゃいました。市民参加の形や情報公開の形という事では図書館協議会があるという事が大事だという認識を議員さんに伝え、各自治体でも頑張ってほしいと思っています。

この間お会いしてご説明した後、項目1.2.3について進展したことが少しはあったか、進展はなくても社会教育課から他の課にあげたらこんな反応があったという事があったか、その点をご説明頂けませんでしょうか。

水畑:1番目についてはこの間皆さんとお会いした時から基本的に変わったことはありません。図書館協議会必置の法制化について、FK代表もお分かりかと思いますが、近々には難しいと思いますが、副大臣が申しましたようにその重要性については私どもも昔からわかっていたことですし、図書館協議会がもっと活発になっていかなければならないという思いは同じです。2番目と3番目について、調査は致しますが、悉皆調査は難しい。データとしてはすべての図書館に図書館協議会があるかないかは社会教育調査で、今最新の調査をしています。3年に1度の平成27年10月1日現在の調査です。今回は事情があって4年空いていますが、定期的にとっておりますので、担当部署で準備をしています。全図書館に図書館協議会があるのかないのかはこれで出てきます。これが活発に動いているのかどうかという調査については、3300の図書館のデータを集めるのは大変ですし、私たちとしても処理しきれないので、抽出で行わせていただきたいと思っています。

前回皆さんから事前打ち合わせで、会として図書館協議会については大事に思っている、その点で今回働きかけていきたいと伺って、私も各地の図書館協議会のHPで、どんな議論をしているのかという事を見ていますが、すごく熱心なところもあれば、行政からの今年度事業を説明して終わりというところもあります。うまくいっている所は、なぜ活発にされているのか、おざなりにしか開かれていないところはなぜおざなりになっているのか、そこの情報をしっかり取っていきたいと思っています。その意味でこの間も意見交換をさせてもらったように、うまく使えている所、機能している所を積極的に全自治体に情報提供していって、使いようによっては使えるのだと情報提供をしていきたいと思っています。もし、何か行政的な問題で図書館協議会が停滞している、形骸化しているのならばそれを改善する策を考えなければならないと思っています。

法改正をしたいと思っても、理屈だけでなくて、図書館にとって有益だという証拠を示さなければならないし、図書館協議会は大事だという事をわかって頂かなければならない。2月の大臣からの笠先生への答弁でも丁寧に実態把握をしていきますと申しておりますので、丁寧に把握はしていきます。悉皆調査とは違うという事はご理解いただけると思います。

2番目については、年に1回地方交付税について各省から要望を出すことになっています。その前に総務省には一度相談に行きたいと思っています。それはお約束します。総務省には聞きますが、本当に要望が出せるのかどうか、出した場合に認めてもらえるのかどうかは、分かりません。

KO:総務省のどこに行かれますか?

水畑:地方交付税交付金の担当、自治財政局になると思う。

FK:何か意見のある方は出してください。

意見の出る間、3番目の悉皆調査ですが、ピックアップしてより詳しくという事ですが、詳しい調査の時に調査項目をどのような項目でやるか、たとえば、形骸化していますかどうですかという質問ならば NOとは答えないと思うので、どういう言い方をするか、年何回とかいうのを聞くのかどうか。私たちは会員のいるところから来た情報で調査をしましたが、悉皆調査ではないが、まとめてあります。今回日本図書館協会にもきちんと調査をしてほしいと言っていますが、まずはどんな項目がいいのか、学校図書館の調査の時は調査項目を2年に1回、少しずつ変えてやっています。項目についての意見を出せば、やるかやらないかは調査をする皆さんのところで決めていただければいいが、意見は聞くよということであれば、我々も提出したいと思っている。昨年の第100回全国図書館大会の図友連主催の分科会では、図書館協議会をしっかりやっている団体が報告しました。課題として関心を持っているので、もう間に合わないかもしれませんが、いつまでにどういう形で出せばよいかを教えていただきたい。

水畑:この調査は私たちだけでやるわけでなく、専門家、日図協からも参画していただいてやりますので、ちゃんと専門家の話は聞いて行います。

FK:言い出したからには、私たちも意見を出し、日図協にも働きかけをしたい。実態が分かれば次の作戦を練ることができます。こういうパンフレットはご存知ですか、図書館協議会をPRするときに参考になります。・・・と下記資料のパンフレットを提示。

提示した資料:「ご存知ですか?わたしたちのまちの社会教育委員さん」~官民協働の先駆けとしての社会教育委員を目指して~ 文部科学省 一般社団法人全国社会教育委員連合 発行 <内容>全6ページのカラーパンフレット(社会教育委員とは・社会教育委員の役割・全国の配置状況・社会教育委員の意識・わが町の社会教育委員会議の特徴・郡単位組織の設立経緯と研修及び活動の紹介・社会教育委員の経験から現役の委員へのエール・社会教育委員への期待社会教育委員制度の意義、必要性・今後の課題・参考法令)

FN:このリーフレットの図書館協議会版を作成して、PRという形は取れないですか。

水畑:予算を確保する必要がある。

FK:お金がないという問題であれば、例えば、クラウドファンディングなどの手段もあります。図友連が文科省と協力してパンフレットを作り図書館協議会の重要性を訴えるという事であれば、我々もお金をだしますから。

水畑:私たちもこのようなパンフレットはあったらいいなと思います。

FN::こういうパンフレットは作ろうと思えば文科省で作れるということですか

水畑:作れます。

FN:財源をどこから出してくるかという事が問題なのですね

FK:どれくらいかかるか教えてもらえれば、具体的に詰めていく事ができる。ぜひパンフレットの件は考えていただきたい。

議員さんに言っても、市民に言っても 図書館協議会の大事さ、図書館の大事さをわかっている市民は多くない。図書館に登録している市民は3割から4割、7割の市民は図書館で本を借りたこともない、本は買えばいいと言っている人がまだ多い。図書館の重要性を訴えるにはPRが必要だと思う。

水畑:ぜひ日図協さんにもお話をしてください。我々もお話をしますので。

FN:うまくいっている所の情報提供というのは具体的にどのように行いますか。

水畑:事例集か、このようなパンフレットのような形か、文科省のHPとなるかもしれない。そこは決まっていません。せっかく集めた情報は有効活用したいと思っています。できれば冊子の形が良いかとは思うが。

FN:各自治体の教育委員会が手に取らなければ動かないと思うので、そこまでたどり着ける方法をお願いしたい。

水畑:全市町村立教育委員会に冊子ができました、事例集ができました、などの通知を出します。

FN:文科省が作成してくれれば市民も文科省にお願いして取り寄せてPRできるのでぜひお願いします。

FK:よい例として、学校司書について文科省が作成したパンフレットが有効だったので、図書館協議会についても作成をよろしくお願いしたい。

FN:図書館協議会でパンフレットなどが出されれば、効果はあると思うのでよろしくお願いしたい。

水畑:図書館協議会だけでなくて、レファレンスとかもあるので、図書館協議会単独という事にはならないかもしれないが、図書館協議会を含んだ事例集というのは、ほしいと思っています。しっかりと調査をやっていきます。

FK:学校図書館の活性化の次は公共図書館の活性化をお願いしたい。それに市民も参加するという事で進めたい。今、民営化などでひどい図書館がどんどん増えている。これをなんとか食い止めるには、ちゃんと住民が参加し、自治体が情報開示をしながら検討する場を作っていく事が必要である。

水畑:これは申しあげなければならないが、私どもは図書館協議会の活性化は大事だと思っていますが、それと指定管理の話とは別だと思っています。指定管理は法律の制度であり、私たちはニュートラルの立場です。

AS:指定管理者制度の図書館に、図書館協議会があるかないかとか、指定管理者制度が入ったという事で図書館協議会がなくなったなどの事例など、悉皆調査とは別の項目でされるのであれば、その項目の中に私たちの提言も含めた図書館協議会の項目をいれるのはどうですか。悉皆調査は無理とおっしゃったので。

水畑:項目については既に決まっています。平成27年度の社会教育調査の項目は既に決まっています。

AS:図書館協議会を今から入れ込むことは無理ですか

水畑:無理です。すみません。

AS:社会教育調査はいつごろ自治体にだされるのか

水畑:10月1日現在の調査であり、今ちょうどその調査票の準備をしていると思いますが、項目は決まってしまっています。

社会教育調査は統計法に定められた国の基幹統計で、図書館だけでなく社会教育全体について、3年に1回取る調査です。これは悉皆です。そこに出てくるのは全国の図書館数と、図書館協議会があるかないか、数は出ます。

AS:図書館協議会に関しては、3年に1回の基幹統計では、図書館協議会があるかないかの項目しかないという事ですか。

水畑:そういうことです。

AS:そのほかの調査とは

水畑:今年度私ども独自の調査で、図書館協議会が活発になっているのかいないのか、抽出で行います。

AS:いつごろ調査しますか。

水畑:今年度中には行います。

AS:調査項目をこちらの方から提言するのは、リミットはいつですか。

水畑:6月中旬くらいにいただければ、検討の材料にはさせていただきたい。最終的には専門家に相談するが。

AK:抽出の数は

水畑:まだ決まっていません。

AS:先ほど言われていた、総務省には2年に1回要望を出すといわれたが。

水畑:毎年です。

AK:毎年。地方交付税の要望は。

AS:毎年ですね。総務省には毎年要望を出しているという事ならば、いつくらいに行かれるのか

水畑:正式に出すのは、予算と同じで、毎年8月末ごろ。

FK:なぜ県立図書館だけ入っていて、市町村立図書館は入っていないのか。記録のようなものは残っていないのか。我々も理屈がわからない。

水畑:わからない。我々も知りたいと思っている。

FK:お金が多いからいやだとか・・・そういう問題ではないと思うが。

AS:博物館は入っているのか。

FK:公民館は。

水畑:公民館は、都道府県立はないので市町村で入っている。博物館は都道府県だけ。

FK:丹羽副大臣の発言からから言えば、ぜひきちんとあげて説明しないとおかしくなる。調べれば調べるほど謎の世界に入り込んでしまう。我々は文科省に期待するしかないので。動けるところは動いていきたい。昨年までは総務省にも要望書を出して、二之湯副大臣と面談した。

添付した資料「望ましい基準」を読むとしっかり書いてあるので、これを読んで自治体が図書館協議会を作らなければいけないと言ってくれればいいが、PRがまだまだ足りないと思う。

水畑:アンケートで自治体に設けない理由を聞いてみたい。

FK:それがきっかけとなって、図書館協議会がせっかく法律にあるので、実態が明らかになるのが大事だと思う。

本日はどうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

(文責 FN)

>>文部科学省事務担当者との面談報告書(PDF)

>>【2015年5月26日】図書館協議会を必置とする法改正等の要望書(文部科学省宛)

2014年文部科学省 事務方との面談報告

 

<2014年文部科学省 事務方との面談報告>

日時: 2014年10月30日 午後12時25分から13時05分
場所; 文部科学省会議室
(以下敬称略)
面談者;*文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課
課長補佐 高橋陵子
庶務係長 細野 蔵
*文化庁 文化部芸術文化課
課長補佐 益居 綾

図友連;AK・I・G・TK・TU・W・FN(図友連代表)・FK(事務局)
※ネット掲載にあたり、図友連側の発言者氏名を個人情報保護の観点によりイニシャルのみとさせていただきます。ご了承ください。
要望書の項目順に 高橋課長補佐及び益居課長補佐より 回答があった。
最後に参加者より 意見を述べた

1.東日本大震災の被災地域の図書館に対する支援策の実施
高橋:被災した公共図書館や学校図書館に関しては、地方公共団体から申請のあったものについては、すでに補助金をほとんど交付して終わって、あと1~2か所残すのみと聞いている。岩手県など被災地では、ソフト事業というか、地域コミュニティ再生事業を行っていて、そちらの事業を活用して、例えば学校など移動図書館事業の支援をさせてもらっている。市町村立図書館を巡回して資料の相互貸借や読書の育成事業など取り組んでいる所があって、そういうところに支援をさせてもらっているという事例がある。

FK:震災の後、図書館の意義が非常にはっきりとしてきた。ボランティアも含め色々な支援をしてきたところ、本を読むということがどれほど気持ちの上でいいことか、大事な記録が無くなるということが非常に大変だということを含め、まだ復興が十分されていない。文科省も色々な施策を取っていただき、私たち市民の中でも色々情報があるが、今のところ動いていただいているようだ。今後も、福島の原発関係で避難のところなどの問題も新たに出てきているようなので、引き続き文科省の方で注目し、文科省ができる部分は施策の部分だろうが、状況把握をしていただいて、足りないところに対しては提言をするとか、指導するなどの点でよろしくお願いしたい。

FN;今日この場に参加できなかった福島の会員から、復興計画の中に図書館の復興ということをはっきり明記していただきたい、地元としては一生懸命やっていただいていると思うが、図書館の復興はなかなか進んでいないという現実があるので、その点をよろしくお願いしたい、との要望があった。

2.市民参加で中長期図書館振興政策の策定
高橋:25年6月に第2次教育振興基本計画が閣議決定していて、教育行政の基本的な方向性のひとつとして「絆づくりと活力あるコミュニティの形成」というものを掲げて、この中で図書館を含む社会教育施設を 地域の振興再生に貢献するコミュニティの中核として位置付けている。図書館活動の充実をまさに検討していく場としては、各図書館に置かれている図書館協議会が重要な役割を果たすと認識をしている。24年に出された「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」でも自治体は図書館協議会を設置して、地域の実情を踏まえ、利用者及び住民の要望を十分に反映した図書館の運営がなされるよう努めるものとともに その委員に地域の実情に応じて多様な人材の参画を得るよう努める旨規定しているので、ぜひこの趣旨を十分に図書館協議会の方で反映されるよう、文科省としては情報提供に努めていきたい。

FK:私は図書館びいきかもしれないが、図書館は図書館法により社会教育の柱なので、大項目で出てくれるとうれしい。先ほどの説明のように、コミュニティの形成策の一つとして図書館が扱われるのは非常にさみしい。具体的には地方自治体の図書館政策ということになるが、自治体が何かやる時に、5の(1)の要望にもからむが、私の住む横浜市のように図書館協議会がないところもある。図書館協議会で中長期政策をというのではなく、各市町村がきっちりと中長期計画を作り、その時に図書館協議会が市民の意見も聞くというようにしてもらいたい。一番初めに市民参加でという意味では確かに図書館協議会だが、まずは市町村で中長期計画を作るということ自体を明確にしてほしい。文科省の方で望ましい基準もできたことだから あとで要望が出てくるが、望ましい基準を普及し評価して、この自治体はまだ動いていない、というような調査をしてほしい。

高橋:私も個人的には図書館協議会が形骸化しているのではないかという話は時々聞いたりしている。やはり住民の方が、自分たちの問題として声をあげてもらって、活性化の方向に持って行ってもらうのも非常に大事なことかと思っている。5の(1)の話が出たが、住民参加を必須とする必置機関としてくださいというような要望も記載されているが、ここにある委員の任命というのは制度上は可能になっている。担当部局と十分に意見を尽くしていただいて、皆さんが図書館協議会活性化という方向にうまく話を持って行っていただくのが、一番いいのかと思う。先ほど大臣政務官からも話がありましたように、やはり地方分権で、図書館に対して国が指導するという権限がないので、国から言ってもそこは自治体の判断なので、図書館にいちばん近い住民から声をあげてもらうのが非常に大事なのかなと思っている。
FK:明日からの第100回全国図書館大会の二日目に 私たち図友連が主催する第24分科会のテーマが「市民と図書館協議会」だ。図友連も今回の大会は共催団体となっている。図書館協議会を必ず置く事というように法律を改正したいと思っている。当日は今この場に参加しているGさんの北海道登別の事例、静岡の草谷さんの事例などがあるので、ぜひのぞいてみていただきたい。

高橋:文部科学大臣の祝辞があるので明日は必ず伺います。こちらからの宣伝ですが、文部科学省が展示のブースを持ちますので、ぜひお立ち寄りください。

FK:午後からの分科会は「図書館とマスメディア」で、メディアが図書館のことをどう伝えて支えるのか、メディアの知る権利など 今回は2つのテーマで分科会を行うので、よろしくお願いしたい。時間がないので全部を説明いただき、後からまとめて補足意見を申し上げたい。

3.補助金・交付金等措置の実施
高橋:施設整備に関わる補助金については廃止されて、地方交付税の中の一般財源という取扱いになっている。地方公共団体の自主性、自立性を高めるという観点から、地方分権推進委員会が当時政府に置かれていたが、そこが勧告してそのような取り扱いになった。大臣政務官室でも話がされていたが、23年から25年度の間、特別交付税措置としてひかり交付金が講じられていたし、23年度については、普通交付税措置の充実が図られていた。司書館長の配置を要件とするということが書かれているが、図書館長については、望ましい基準においてその職責にかんがみ、図書館サービスその他の図書館の運営及び行政に必要な知識・経験とともに、司書となる資格を有するものを任命することが望ましいとされているので、こちらも望ましい基準の趣旨が各図書館の方で浸透するよう、文部科学省としては情報提供に努めていきたいと考えている。

4.図書館管理運営を指定管理者制度、業務委託等民営化の対象から除外
高橋:武雄の図書館の話が先ほど出ていたが、皆さん勉強されているのでお分かりだと思うが、指定管理者制度や民間委託の導入に関しては各自治体の判断、設置者ということなので地方公共団体になるが、そちらの判断になっている。文科省としては利用者に対するサービスの充実に配慮しつつ、その導入の是非を判断されるよう期待をしている所である。指定管理者制度で行うことのメリットについては、よく言われることは、開館時間が延長されるということや、利用者のニーズに即した運営が推進されたというようなところをメリットとして聞くこともあるが、指定される期間が決まっていておおむね5年ということが多いと思うが、やはり長期的な視点に立った運営が難しいということや、期間が区切られているので、職員の研修機会や後継者の育成の機会の確保が難しいという指摘も頂戴している。文科省ではご存知かと思うが、指定管理者制度の導入について調査、研究を行っていて、安定した運営が可能な指定期間を検討してくださいとか、職員に対しても安定した処遇を確保するように努めてくださいとか、若手の人材育成についても長期的な観点に立って考えてもらいたいなどをその報告書の中で指摘させていただいている。こうした調査研究の内容については、引き続き普及に努めていきたいと考えている。

5.図書館法の改正
1)住民代表の参加を必須とする図書館協議会の必置(図書館法第14~16条の改正)
高橋:1)については先ほども申しあげたように、地域の実情に応じて各教育委員会の判断による公募の委員の任命も可能となっている。そちらも望ましい基準の普及と合わせて、周知に努めていきたいと考えている。

2)司書職員の必置及び館長の要件にかかわる規定(図書館法第13条の改正)
望ましい基準によれば専門的なサービスを実施するために必要な数の司書及び司書補を確保するよう、その積極的採用及び処遇改善に努めるというふうに書かれている。館長についても先ほど申しました通り、その職責にかんがみ、図書館サービスその他の図書館の運営及び行政に必要な知識・経験とともに、司書となる資格を有するものを任命することが望ましいとされているので、図書館法や望ましい基準の趣旨が伝わるよう 普及や情報提供を行っていきたいと考えている。

3)「個人情報保護」条文の新設
図書館が保有する個人情報については、個人情報保護法があって、図書館の本もこの法律の対象となっているので、個人情報保護法に基づいて 図書館の保有する個人情報は保護すべきものだと文科省は考えている。個人情報保護法においては 利用目的の特定や利用目的による制限、安全管理措置、第三者提供の制限など個人情報の取扱事業者の義務を定めている。この義務に違反した場合は大臣が必要な処置をとる旨勧告することができるとされている。図書館法は法律なので国会で改正しなければならないということで、すぐにはなかなか難しい状況ではあるが、各図書館で個人情報の保護に努めていただきたい。

6.図書館で働く非正規職員の労働環境の改善
高橋:昨年度も同じ内容をいただいていたが、それとあまり変わらない答えとなってしまうが、図書館の非正規職員の採用については、まさに採用する自治体で判断することとなっているので、今文科省においてこれ以上申し上げるのは難しいという状況である。

7.地域資料や郷土資料の電子化のための予算計上
高橋:残念ながら、こういった予算がない。文科省は地方分権の流れの中でハード面、いわゆる建物等の補助金とか、ソフト面、事業を行う際の補助金は、自治体の方でということで、自治体の自主性に任せるということで、交付税措置の中に入ってしまっているという状況である。過去の経緯も考えると予算上の新しい補助金の予算を立てるというのは、非常に厳しい状況であると申し上げざるを得ないが、デジタルコンテンツに対しての地方交付税措置が行われているという話は聞いている。地方交付税措置の話なので、内容については総務省や地方自治体の担当部署の担当者に聞いてもわかるのではないかと思うので、一度問い合わせていただくのがよろしいかと思っている。

8.「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の普及および到達度の調査
高橋:文科省としては、今社会教育調査を行っている。毎年ではなく、3年に1回ということになっているが、この中で図書館に関する調査も行っている。この調査で望ましい基準に対する実態というのはある程度把握しているのではないかと認識しているが、さらに新たな調査項目が必要であるかということについては、引き続き検討していきたいと思っている。皆さんの方でこういった項目が社会教育調査には無いのではないかというように具体的に教えていただければ、こちらも検討する際の参考にさせていただきたいと思っているのでどうぞよろしくお願いしたい。

9.県域を越えた資料搬送費の無料化の実現
高橋:図書館間の相互貸借に関わる郵送費と思うが、対価を徴収するかに関しては、図書館の設置者である地方公共団体の判断にゆだねられる部分ということになるので、もちろん図書館の規定は承知しているが、資料搬送費の部分について、地方公共団体の判断であるというところである。

10.国立国会図書館の書誌データを全国に普及させる施策
高橋:平成24年1月から国立国会図書館の書誌データが無償で提供されているということは承知しているが、国立国会図書館もHPで周知したりして普及に努められている。私たちも国立国会図書館が地方の図書館長を集めて年に1回会議をしているが、そこに一緒に参加させていただいて、そういった場で国立国会図書館の方から、書誌データの無償提供については、案内をしているということは把握している。それをすぐに全国の図書館にというのは、すでに流通しているものもあるので、図書館の方で切り替える、切り替えないというのは 予算もかかっているので、文科省から音頭を取ってやるというのも非常に厳しいものがある。選択は各図書館で判断していただかなければならない部分もあるので、それで答えを返させていただきたい。

11.書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税軽減
益居:消費税の軽減税率の適用については、今まさに与党の税制協議会で議論が行われている。これまでの経緯とすると自民党・公明党の与党税制協議会で、今年の7月上旬から8月末にかけて幅広い団体からヒヤリングが行われた。第4回7月29日に日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本新聞協会、日本専門新聞協会からもヒヤリングが行われた。その時には対象品目の線引きについて、新聞、書籍、雑誌も軽減税率の対象としてほしいという声が上がっていたということがヒアリング概要にまとめられている。今月の頭から2015年度の軽減税率についての議論が本格化しているという風に報道されているが、文科省としても出版文化の発展が図られることが重要だと考えているので、その観点からも議論の動向を見守っていきたいと考えている。

高橋:何かご質問、ご意見があれば伺います。

TU:館長の司書資格については、確かに、言われたように司書となる資格を有するものを任命することが望ましいとされているが、現実的には、行政職の館長が移動で回ってきたり、嘱託館長であったりとか、行政がきちんと把握して引き継いでいくことがなくなってきた。館長の司書資格については、きっちりと国に明記してもらうのが必要ではないかと実感している。

高橋:昔は館長の司書資格というのが、必須だったが、規制緩和の流れもあったりして、
地方公共団体の要望もあって、法律の改正等もされていると思うので、今すぐには厳しいと思う。皆さんが引き続き要望を行っていくのが必要ではないかと思っている

TK:市民の側では館長が司書資格を持っているということを期待しないという状況になってきている。昔は資格があったのに、今は資格がなくて当たり前というのが一般的な図書館の状況になってきている。

高橋:新任図書館長研修というのをやっていて、そこで文科省の図書館行政の現状というのを話す時間があったが、その時に出席者を見ていると図書館の職員であったという方よりは、いわゆる市長部局にいた方が図書館長になられている方が、ずいぶん多いなという印象を受けた。

I:今までのお話では地方への分権という、国のコントロールが利かなくなってきたという感じがする。文科省や国がこの方針が必要だということになると、この方針を地方自治体がやっていくための何らかの方策を取らなければならないわけで、今は、文書を出したりしているが、全くと言ったら失礼だが、ほとんど効果なしに自治体がやりたいことを進めている。地方公共団体が図書館については、財政が厳しくなってきたら、もう図書館はいいとなって、安い指定管理者なり、委託業者なりに全部任してしまって、楽になってそこのところを考えなくてもよくなるということから、非常に荒廃したものを感じてしまう。そこにいる人を守るにはどうやったらいいのか、地方分権なので国が何も言えないというのがあっていいのかと思う。全体の流れがそうなっているからそれぞれの方が努力してもなかなかうまくいかないかもしれないが、ぜひ今まで言った状況は知っておいていただきたい。

高橋:指定管理については、以前総務省から通知か事務連絡が出て、単に経済的効率のみで決めるものではないという趣旨だったと思うが、まさに文科省もまさにそう思っていて、指定管理者制度について各方面から意見をいただくことがあるが、そこで強調させていただくのは、利用者サービスの質の向上が図られるという視点を忘れないでいただきたいということを必ず説明させていただく。おっしゃるとおりで、なかなか国の方から強く言ってどうこうという時勢ではないが、各都道府県担当者が集まる会議などの場を通じて、伝えるようにしている。

FK:指定管理が進んでいる時に、渡海元文科大臣が「指定管理はそぐわない」と答弁で言ったのにかかわらず、逆にダメだといわなかったから、文科大臣もOKだという方に文科大臣の言葉が使われたことがある。片山元総務大臣の場合は「指定管理はだめだ」とはっきり言っているから使われない。望ましい基準も、それさえ守ったらいい、どんどん進めてもいいという説明をして、民間で言うマーケットの拡大をやっている。新しいマーケットが出来たということで、CCCのように図書館をやったことのないところも参入して大評判になり、これはいいという流れになっている所を、ぜひ注意して欲しい。総務省は言ってくれたけれども、文科省も何らかの形で、真意がきちんと末端に伝わるように言っていただきたいというのが私たちの願いだ。文科省の気持ちはわかるが歯がゆさがあるという、感情論だがご理解いただければと思う。
図書館は地方に任せて国は知らないよというのではなくて、北は北海道から全国みな頑張っているが、指定管理者制度が導入されるとそれは自治体が決めたことだ、外から何を言うのか、自分たちが選んだ首長が決めたことではないかと言われてしまう。皆で手を組んで毎年毎年このように要望書を提出して、毎年毎年文科省からそれは難しい、という答えを伺って今日に至っている。今年もまた更にお願いしたいということで、望ましい基準もできたが法律改正について要望している。新しい所では5月の総会時に勉強会で勉強した個人情報の保護を法律に入れ込んだ。要望項目全部がすぐに出来ることではないと思うが、一歩一歩出来るところからやっていただきたい。その為には文科省とも一緒になって、議員にまず動いてもらい、あとは国民を動かし、私たちも主権者として頑張り、マスコミにも頑張ってほしい。本日はこのような時間を取っていただいて感謝したい。

FN:最後に確認させていただきたいが、文部科学省からは要望書に対して文書回答は出ず、本日の面談が回答であるという位置づけでよいか。

高橋:文書回答は出さないので、今回の面談でお答えした。

FN:赤池大臣政務官面談、この面談内容を会員へ報告しなければならないので、私の方で報告書を作成後、高橋課長補佐に内容の確認をしていただきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いしたい。

(文責 FN)

■公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

■2014年文部科学省 事務方との面談報告(PDF)

■文科省赤池大臣政務官面談報告書
2014monka-mendan-ans

【2014年10月30日】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

平成26年10月30日

文部科学大臣 下村博文 様

図書館友の会全国連絡会 代表  福富洋一郎
図書館問題研究会   委員長  中沢孝之
その他賛同91団体

 

公立図書館の振興を求める要望書

私たちは、公立図書館の振興発展のために各地で活動を行なってきました。

今日の公立図書館の環境は、地方公共団体の財政悪化により、資料費や人員の削減ばかりか、指定管理者による民営化など、コスト削減を目的とした効率化が進行しています。図書館運営の責任放棄のみならず、官製ワーキングプアと呼ばれる人々を大量に生み出しました。私たちは、官自らが「格差社会」を拡大させ、社会の不安定化を増大させていることに疑問を感じざるをえません。

また、社会の安定化とともに、社会を維持発展させるために、新しい時代を切り開く活力のある社会を築くことが必要です。迂遠であっても、知力、文化力、技術力といった基礎的な力を身につけ、自ら考え判断する力を持つ人間が育つ環境を整備する以外には方策はありません。このことが民主主義社会を支えることにつながり、わが国の繁栄にもつながるものと考えます。

そのためには、公立図書館が地域の情報拠点としての役割を果たすため、国が果たすべき役割は大きいと考えます。私たちは国が図書館の重要性を全国に発信すること、そして全国の図書館づくりを支える施策を実施することを願っています。

貴省は、学校図書館振興のために、平成 24 年度から地方財政措置として「学校図書館担当職員(学校司書)の配置」や「学校図書館図書整備5か年計画の拡充継続」にご尽力されました。また今年 6 月には、学校図書館法改正により、「学校司書」が法制化されましたが、法改正の主旨が生きるような取り組み、附則、附帯決議に盛り込まれた事柄を現実化する取り組みを期待しています。

以下、公立図書館の振興のため要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、11月末日までに図書館友の会全国連絡会代表に文書でご回答をお願いします。

(要望項目)

1.東日本大震災の被災地域の図書館に対する支援策の実施

2.市民参加で中長期図書館振興政策の策定

3.補助金・交付金等措置の実施

4.図書館管理運営を指定管理者制度、業務委託等民営化の対象から除外

5.図書館法の改正

1)住民代表の参加を必須とする図書館協議会の必置(図書館法第14~16条の改正)

  • 司書職員の必置及び館長の要件にかかわる規定(図書館法第 13 条の改正)
  • 「個人情報保護」条文の新設

6.図書館で働く非正規職員の労働環境の改善

7.地域資料や郷土資料の電子化のための予算計上

8.「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の普及および到達度の調査

9.県域を越えた資料搬送費の無料化の実現

10.国立国会図書館の書誌データを全国に普及させる施策

11.書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税軽減

要望事項

1.東日本大震災の被災地域の図書館に対する支援策の実施

大震災から3年半が経過しましたが、復興にはまだ遠く、貴重な地域資料、郷土資料も多く損傷したままにあります。日を追って回復は困難を増します。また、東北の「今」を伝えようと発信される多くの記録・情報も、今保存しなければ消えてしまいます。

私たちは、図書館が一刻も早く復興し、地域の生活情報の拠点として、地域の人々を支える中心となって活動することを願っています。関係機関や市民と連携をとり、復興政策のなかに図書館の設備や蔵書の復旧はもとより図書館で働く人々の雇用確保等の財源を配慮し、支援策を強力に実施するよう要望します。

2.市民参加で中長期図書館振興政策の策定

立ち遅れているわが国の公立図書館を加速的に発展させるため、予算を伴った中長期的図書館振興政策を、市民参加で策定してください。

3.補助金・交付金等措置の実施

公立図書館が効率的に機能するために、司書館長・司書職員の配置を要件とする、図書館建設及び資料費等への補助金・交付金等の措置をしてください。

4.図書館管理運営を指定管理者制度、業務委託等民営化の対象から除外

平成20年6月、社会教育法等の改正時、衆参両院の委員会が「指定管理者制度の導入による弊害、人材確保、有資格者の雇用確保など」の附帯決議を行い、渡海文部科学大臣(当時)より「公立図書館に指定管理者制度はなじまない」との国会答弁がありました。指定管理者制度ばかりでなく、業務委託、市場化テスト、事業仕分け等による図書館運営の民営化も、同様の弊害をもたらします。

これらの警鐘を省みることなく、指定管理者制度導入など図書館の民営化を強引に進める自治体は後を絶ちません。住民には十分な説明がないまま、コスト削減を目的とした民営化が進み、図書館の衰退を来しています。

公立図書館を所管する文部科学大臣として、公立図書館の振興を図るために、指定管理者制度、業務委託等の図書館運営民営化について、平成 20 年の文部科学大臣答弁を超える表明を行われること、公立図書館を民営化の対象から除外する施策を実施することをお願いします。

また、指定管理者制度を導入した図書館に対して、指定管理期間終了後は直営に戻すよう、働きかけをしてください。

5.図書館法の改正

  • 住民代表の参加を必須とする図書館協議会の必置(図書館法第14~16条の改正)

図書館協議会は市民参加の重要な仕組みなので、図書館法第14~16条を改正し、図書館協議会を、公募による住民代表参加を必須とする必置機関としてください。

  • 司書職員の必置及び館長の要件にかかわる規定(図書館法第 13 条の改正)

図書館運営の要となる司書を専門的職員として必置化してください。また、館長についての職務内容は 13 条 2 項により規定されているものの、館長が持つべき要件についての規定がありません。「図書館に関して高い識見を有するもの」または「図書館に関して優れた識見を有する者」の規定を加えてください。

  • 「個人情報保護」条文の新設

個人情報の漏えいが頻繁に起きています。図書館のコンピュータ化の進行、民営化による民間業者の図書館運営への進出など、図書館が蓄積した大量の個人情報を含む情報が図書館外に流出する恐れを感じます。個人情報保護の条文を新設してください。

6.図書館で働く非正規職員の労働環境の改善

公立図書館において経費削減を前提とした司書の非正規・嘱託化が進んでいます。その雇用期間は、3年あるいは5年といった有期の雇用止めが散見されます。また、指定管理者制度など民営化された図書館で働く人々の多くが、時給 800~900 円台という低い賃金で働いています。司書専門職は経験と知識の蓄積が必要な職務であり、短期間の有期雇用では、図書館サービスの質の低下を招きます。図書館本来の使命・役割を考慮して、正規・専門職雇用を当該自治体へ働きかけ、官製ワーキングプアと言われる非正規職員の労働環境を改善してください。

7.地域資料や郷土資料の電子化のための予算計上

国立国会図書館で進めている資料の電子化計画は、将来の教育文化政策に大きな力を発揮する画期的な取り組みとして期待しています。公立図書館においても、独自の地域資料、郷土資料の電子化を推進し、国と連携することを強く望みます。公立図書館における該当資料の電子化が、従来の資料費を削減することなく迅速に進められるよう、資料電子化のための補助金の措置等をしてください。

東日本大震災で、貴重な地域資料、郷土資料の修復作業が続いています。しかし、失われたもの、修復できないものも多くあります。このことは日本全国どこにでも起きる可能性があります。電子化するための予算措置を早急に実施してください。

8.「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」の普及および到達度の調査

平成 24 年 12 月、文部科学大臣名で標記基準が告示されました。私たちはこの基準が全国の図書館の発展につながることを望んでいます。そのためには、「望ましい基準」が全国の図書館に普及することとともに、「望ましい基準」に照らしてどこまで到達したかを把握し、それに基づく方策をたてることが必要と考えます。「望ましい基準」の普及およびその到達度を把握するための調査を実施してください。

9.県域を越えた資料搬送費の無料化の実現

図書館利用者が、他の図書館から図書資料を入手する場合、現状は多くの県立図書館が中心となって県域の資料搬送を受け持ち、県内の資料流通システムが作られています。しかし、県域を越えた場合は、借り受ける図書館が送料を負担しますが、予算が無いので利用を断わったり、利用者に経費を負担させたりすることがあるなどの問題が起きています。誰でも必要な資料を無料で、貧富の差なく利用できるよう、県域を越えた資料流通に必要な搬送費用(郵送費等)を国の政策で無料化してください。また、このことについて、総務省、国立国会図書館とも連絡調整をおこなって進めてください。

10.国立国会図書館の書誌データを全国に普及させる施策

平成24年1月から国立国会図書館の質の高い書誌データが、無償で提供されるようになりましたが、利用する図書館はわずかしかありません。全国の図書館の資料情報の一元化と効率化を図るために、国立国会図書館と連絡調整をとって、書誌データを全国の図書館に普及する施策を実行してください。

11.書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税軽減

書籍・雑誌・新聞を閲読する機会を増やすことは、国民の文化生活や、民主主義社会を維持発展させる上で大事なことと考えます。書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税について、廃止あるいは軽減措置をおこなってください。

以上

連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

>>【2014年10月30日】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)(PDF・賛同団体一覧付)

>>【参考資料】数字で見る図書館の現況2014年版(PDF)

2013年5月 第7回総会・学習会・交流会・要請行動

【5月27日】

・第7回総会

・学習会

1.「国立国会図書館における全国書誌提供サービス」

講師 大柴忠彦氏(国立国会図書館収集書誌部収集・書誌調整課)

2.「武雄市図書館をもっと知る学習会」

講師 井上一夫氏(「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」代表世話人)

・会員交流会

【5月28日】午前

文部科学省(対応:谷川弥一文部科学副大臣)に「公立図書館の振興を求める要望書」、総務省(対応:北村茂男総務大臣政務官)に「地方自治を支える公立図書館の振興施策を求める要望書」を持参し、それぞれ手交の上、懇談を行った。

【5月28日】午前・午後

衆議院・参議院の議員280余名の議員会館事務所を戸別訪問、要望書や関係資料を手渡し、要望書内容や公立図書館の現状説明・意見交換

(要望書)

文部科学省宛要望書(添付 賛同団体一覧

総務省宛要望書(添付 賛同団体一覧

(面談報告)