【2016年2月19日】逗子市立図書館への指定管理者制度導入再考を求める要望書

平成28年2月19日

逗子市市長 平井竜一様

私たちの図書館を考える会・逗子 代表 長谷川 静
図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎

 

逗子市立図書館への指定管理者制度導入再考を求める要望書

 

平素よりの市政へのご尽力につきまして、改めて敬意を表します。

「私たちの図書館を考える会・逗子」は市立図書館が市の責任において運営され、真に市民のための図書館であることを願う市民の会です。また「図書館友の会全国連絡会」は、公立図書館の充実と発展を求めて活動している全国組織です。

この度、逗子市立図書館では2年前に議会で否決されたにもかかわらず、(株)パブリックサービス社への特命を前提とした指定管理者制度を導入するための「逗子市立図書館条例全部改正案」を次回の市議会に上程すると伺いました。私たちは2月14日に緊急市民集会を開催し、現時点における指定管理者制度の導入の是非について学習し、意見交換をしました。その結果、下記の理由により指定管理者制度の導入を再考されるよう強く要望いたします。また指定管理者制度導入の趣旨やデメリットへの対応策、そして市立図書館の将来像が分らない等の市民の声に応えるために、2月29日までにご回答いただけますようお願い申し上げます。

要望理由

1.逗子市では「民間委託等ロードマップ(第2期)」のもと、図書館も指定管理者制度導入の対象として、導入の第一の目的を「市民協働型運営」にあると説明しているが、そもそも「市民協働型運営」の図書館とは何か不明。特命で指定管理者となる(株)パブリックサービス社の株式を逗子市が51%保有しているからか?

もし、逗子市が民間の株式会社の経営に関与することを考えているなら、それは、会社法に抵触する「偽装指定管理」に該当するのではないか?

2.現状は、図書館は市民にとって欠かすことができない社会教育施設として設置目的を効果的に達成していると評価しているのに、なぜ今(株)パブリックサービス社を指定管理者としなければならないか説明して欲しい。

3.(株)パブリックサービス社は現状においては、社会教育機関である図書館運営の経験は皆無であり、平成27年4月から指定管理者となった「市民交流センター」など先行事例では、社員が交替し不親切などの声も聞かれる。専門性と継続性が要求される図書館の運営を特命で任せるのに問題はないのか?どのようにデメリット対応を行うのか?

4.指定管理者制度を策定した総務省や図書館を管轄する文部科学省が「公立図書館への指定管理者制度の導入はなじまない」とし、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」等で詳細を規定している。使用料を徴収することが禁止されている公立図書館で全くの民間ノウハウのない(株)パブリックサービス社が、仮に民間会社の経営に破綻した場合の責任は誰が持つのか?

5.長年にわたる逗子市立図書館の非常勤職員問題を解決することはもとより市民の望むところである。しかし、それは指定管理者制度を導入しなくても可能である。給与体系の自由度を高め、能力に応じた処遇を通じて職員のモチベーションアップを期待して指定管理者制度を導入したと説明しているが、直営では職員のモチベーションアップは不可能か?その理由は?

6.指定管理者制度を一度実施してから直営に戻った他の図書館の話では、指定管理の図書館長は市議会や教育委員会に出席できず、公の場では発言できなかったそうだ。準公務員の非常勤特別職として出席している現図書館長とは違い、民間会社の社員となった場合、図書館長は参考人としてしか出席できない。これでは市民や現場の声が反映されないのでは?

7.指定管理者制度の導入は逗子市立図書館のあり方を左右する重要施策と考えるので、拙速は避け、パブリックコメントなどを実施し市民の意見をよく聞いてほしい。説明責任を果たすために説明会を開催し、市民協働の概念を説明する考えはないか?逗子市市民参加条例はなぜ活用されないのか?

以上

 

連絡先:図書館友の会全国連絡会 事務局

※(住所・TEL省略)

※個人情報保護の観点より事務局の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HP http://totomoren.net/メールフォームよりお願いいたします。

>> 逗子市立図書館への指定管理者制度導入再考を求める要望書(PDF)