【2016/5/24】土屋正忠総務副大臣面談報告書

土屋正忠総務副大臣面談報告書

日時:2016年5月24日(火)午後3時22分~37分
場所:総務省土屋正忠副大臣室
参加者・図友連:F事務局長、I代表補佐、I監事

(図友連参加者名は個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

○F事務局長より要望書の趣旨説明。

要望1.公立図書館を、「トップランナー方式」による指定管理者制度導入の検討対象から除外してください

図友連:トップランナー方式が総務大臣から出されているが、自治体において公共図書館が検討対象になれば大変なことになると、市民から不安の声があがっている。

土屋副大臣: 私も武蔵野市で市長を20年間やっていた 。駅前にも図書館をつくり、武蔵野プレイスは私の市長時代に新しい時代の図書館を構想した。自治体も職員を効率化していく時代だ。フルタイムの職員1人分で嘱託3人が雇用できる。市長時代は10人の司書を採用した。開館時間も増えているし、効率的な職員体制が必要だ。館長には民間人を採用して、筑波大学などに勉強に行ってもらった。費用対効果がみえることが必要だ。トップランナー方式と言っても図書館を対象にすると明言しているわけではない。検討対象でこれから検討していくという事だ。

要望2.市町村の図書館協議会委員の報酬を、地方交付税の積算根拠に明記して下さい」

図友連:地方交付税の積算根拠に明記してほしいと要望。昨年度文科省より総務省に要望を上げてもらったが、3月文科省から今年度は措置されなかったと回答があった。なぜ今年度は措置されなかったのか。いつ頃文科省より総務省に要望を上げてもらえばいいのかお聞きしたい。

総務省事務方:「今年より措置されています。」と発言あり。

図友連:F事務局長「その点に関して後程、事務方に確認させていただきます。」と発言した。

 

○行政機関の所有する個人情報をビックデータとして利活用する法律*注1 についてI監事より質問した。

 

*注1

*******  土屋正忠 総務副大臣ブログ2016年05月20日 17:30  ******

「世界初の法律成立~行政機関の所有する個人情報を識別出来ないよう加工して、ビッグデータとして利活用する法律、参議院で可決成立」

IT技術の飛躍的発達によって膨大な個人データを集積、匿名加工し分析して、ビッグデータとして活用が出来るようになった。目新しいところでは、2011年東日本大震災の時、津波情報をどのように受けとめ行動したか、NHKが解析しグラフ化して報道した。身近なところでは、コンビニエンスストアのPOSシステムがある。レジに行って代金を支払うと店員さんがデータを打ち込み、本部では売れ筋の商品を分析し配送する。男女別や年代を推定してデータとして活用すると商品開発につなげることが出来る。

グーグルの地区別お天気情報やリアルタイムの渋滞情報なども同様の技術だ。個別のデータを匿名化してビッグデータとして活用すれば新しい産業やビジネスが生まれるのでは?個人情報(パーソナルデータ)を正確かつ膨大に蓄積しているのは行政機関だ。そこで行政機関の個人情報を匿名化した上で利活用できないか、一方行政機関の所有する情報は、各々の法律に基づいて半ば強制的に集めたものであり、個人情報の保護が最優先である。

行政目的以外に利活用する場合でも、肝心の行政執行に差しさわりがあっては本末転倒だ。これらを調整し、個人情報保護を最優先しながらも利活用出来るという法律が、本日参議院本会議で可決したPD法だ。

正式名称は「行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律」である。

世界で初めての法律となるのだが、この執行にあたっては十分国民の理解を得なければならない。

公布後基準となる政令を1年半かけてつくり、平成29年末頃執行となる。

所管は総務省行政管理局で、担当副大臣は私である。

*******  ブログ引用おわり**********************

 

図友連:行政機関が保有する個人情報を行政がビックデータとして使うということか?

副大臣:いや違う。民間企業が行政情報を使うことができるということだ。匿名化して、個人を特定することをできなくした情報を使う。施行まで1年半以上の期間を置いている。ツタヤ等の民間企業が個人情報保護法に触れるとなると当然処罰の対象になる。

 

○6月末までに要望内容について文書での回答を求めた。

(I監事記)

 

<土屋正忠総務副大臣面談後の動き>

○総務省の事務方とお話しできる場を面談後に設定できないか交渉したが、事前申し込みがないということで面談できなかった。

○F務局長から5月26日に総務省大臣官房政策評価広報課情報公開渉外第1係長三宮(さんぐう)友樹氏に問い合わせる。紹介された担当課 総務省財政局交付税課坂本氏に確認したところ今年度から措置されているとの回答あり。

・図書館協議会委員の報酬は 今年度28年度より地方交付税の積算根拠に明記されている。

・措置されていることが、どこに書かれているか尋ねたところ、一般に向けては7月頭くらいに出る「地方交付税制度解説」に金額とともに書かれている。それまでは書かれていることを確認できるものはない。

・6月末までの図友連への要望書に対する文書回答には金額も含め回答をさせてもらう

                               (F事務局長文責)

>> 地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

>> 土屋正忠総務副大臣面談報告書(PDF)

>> 参考資料:図書館協議会_制度解説(案)(PDF)

【2016年5月24日】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

平成28年5月24日

 文部科学大臣 馳 浩 様

図書館友の会全国連絡会  代表 福富洋一郎
(住所省略)
その他賛同88団体

公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っております。また、国に対しても公立図書館の振興について毎年要望してまいりましたが、この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいておりますことに対し心からお礼を申し上げます。

今日、地方公共団体の財政悪化が引き続く中で、資料費などの図書館経費削減、また、経費削減のための指定管理者制度導入など公立図書館運営の民営化が進み、公立図書館は疲弊し、困難に直面しているように私たちは感じております。

我が国の公立図書館数は2270館(平成7年度)から3241館(平成27年度)へと、1千館近い館数の増がありました。このことは大変喜ばしいことですが、この5年余り頭打ちの状態です。その内情を見ると、図書館の貧しさが進行しているように見えます。公立図書館総体の資料費予算額は321億円(平成17度)から291億円(平成27年度)へと減少し、1館当たりの資料費予算額は1096万円から897万円にまで落ち込みました。

職員数は、正規雇用は1万4206人(平成17年度)から1万485人(平成27年度)に26%減少し、一方、非正規雇用の非常勤・臨時職員(年間実働時間1500時間を1人として換算)は、1万3257人(平成17年度)から1万6575人(平成27年度)に25%増加しました。しかし、この間に最も変化したのは、民営化された図書館で働く職員(年間実働時間1500時間を1人として換算)で、2358人(平成17年度)から1万666人(平成27年度)と、4.5倍に急増しました。非正規職員のほとんどが短時間勤務、1年有期雇用、最低賃金に近い賃金で働いています。図書館運営の要となるべき図書館職員が不安定雇用、低賃金の職員に置き換えられ、図書館を支える人材を育成する基盤は崩壊しつつあるように見えます。

これら公立図書館の貧困化を反映して、公立図書館の貸出総数は平成22年あたりから後退し始めるという事態が起きてしまいました。平成22年度に7億1647万点あった貸出総数は平成26年度には6億9065万点に、2600万点近くも減じました。(統計数値は日本図書館協会の調査による)

これまで我が国の公立図書館は、ゆっくりとしたペースであったものの着実に発展を続けてきました。それは、昭和25年の図書館法の成立から現在に至るまで、多くの人々の努力の積み重ねによるものと考えています。それでもG7と呼ばれた国々の中で格段に立ち遅れている実態は広く知られており、国民としてはとても歯がゆいことです。しかし、G7 の国々においても、国や地方、市民、図書館員などが、長い年月をかけて築きあげたものであり、この努力を抜きにして、図書館の発展はないと考えます。市民が自ら調べ、考え、判断して課題を解決していくための地域における資料・情報の拠点として、民主主義社会を支える根幹となる図書館はそのようにして生まれてくると考えます。

現在の公立図書館はとても看過できない状況にあります。国が、今日の状況に照らして、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。今回、大きく2つの課題について下記の通り要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会代表宛に文書でご回答をお願いします。

1.公立図書館の管理運営を指定管理者制度等民営化の対象から除外してください

平成20年6月、社会教育法等の改正時、衆議院文部科学委員会が「人材確保およびその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討すること」、また参議院文教科学委員会が「人材確保およびその在り方について検討するとともに、社会教育施設の利便性を図るため、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮して、適切な管理運営体制の構築を目指すこと」の附帯決議を行い、渡海文部科学大臣(当時)から「公立図書館に指定管理者制度はなじまない」との国会答弁がありました。

これらの附帯決議については、附帯決議冒頭において「政府及び関係者は特段の配慮をなすべきである」と書かれています。しかし、これまでの8年間、それらに対応した施策が行われたようには見えません。この間、これらの警鐘を省みることなく、指定管理者制度導入など図書館の民営化を強引に進める地方公共団体は後を絶ちません。しかも住民には十分な説明がないまま、今も民営化が進んでいます。

平成27年8月、指定管理者制度導入の成功例として全国的に喧伝された九州の都市において、大量の中古書が購入されていたことが発覚し大きな問題になりました。続いて9月、同一の民間事業者が指定管理を受けた関東の都市においても、不適切な蔵書購入が問題となり、図書館としての社会的使命を果たすよりも、自社の利潤拡大を最優先させていることが、多くの人の目の前に明らかになりました。私たちは、本の流通に関係する業者が指定管理者になり、本の選定・購入権を委ねれば、営利を優先した資料の選定・購入が起きるだろうと危惧してきましたが、問題の一端が現れたと考えています。

以上のことから私たちは下記3点を要望します。

(1)平成27年11月、総務省は「経済・財政一体改革の具体化・加速に向けた地方行財政の取組について」の中で、図書館等の教育機関に平成29年度以降トップランナー方式導入を検討すると記しました。トップランナー方式を導入すれば、地方交付税の中の図書館算定分が削減され、図書館への指定管理者制度導入が促進されてしまいます。経費削減と引き換えに図書館の設置目的が損なわれることのないように、図書館にはトップランナー方式を導入しないように働きかけてください。

(2)当面、公立図書館を所管する文部科学大臣として、公立図書館の振興を図るために、指定管理者制度について、平成20年の文部科学大臣答弁を超える表明を行ってください。また、公立図書館を指定管理者制度の対象から除外する施策を実施するようにしてください。

(3)指定管理者制度を導入した図書館の実態を調査し、その問題点を明らかにし、適切な管理運営体制を構築するための施策を講じてください。

2.公立図書館に図書館協議会を設置する法改正を行ってください

図書館協議会に関し平成27年5月に提出した私たちの要望に対して、ご尽力いただきましたことに感謝申しあげます。改めて申し上げるまでもなく、図書館法に規定する図書館協議会は、公立図書館がその地域に即したサービス・活動を展開するために必要不可欠な制度です。しかし、任意設置であるために設置しない市区町村が多数あり、また、類似の組織を設置し図書館協議会の肩代わりをさせるなど、図書館協議会の重要性が十分に認識されていないのは残念なことです。

先ずは国において全国の図書館協議会の現状をしっかりと把握し、図書館協議会が図書館の振興発展に力を発揮できるようにするための有効な施策を行ってください。

この図書館協議会に関し、私たちは下記3点を要望します。

(1)図書館法第14条第1項「公立図書館に図書館協議会を置くことができる。」を「公立図書館に図書館協議会を置く。」に改正して下さい。また、図書館協議会委員の任命はいわゆる公募枠を設ける法改正等の措置を行ってください。

(2)地方交付税措置に関し、市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬に関して、都道府県立図書館と同様に積算根拠に明記することについて、総務省とともに引き続き取り組んでください。

(3)平成27年度実施の「公立図書館の実態に関する調査研究」のとりまとめをなるべく早く公開してください。

以上

 連絡先  図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

 >> 【2016年5月24日】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛・賛同団体一覧付PDF)

【2016年5月24日】地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

平成28年5月24日

総務大臣 高市早苗 様

図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
(住所省略)
その他賛同88団体

地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っております。また、国に対しても公立図書館の振興について毎年要望してまいりましたが、この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいておりますことに対し心からお礼を申し上げます。

今日、地方公共団体の財政悪化が引き続く中で、資料費などの図書館経費削減、また、経費削減のための指定管理者制度導入など公立図書館運営の民営化が進み、公立図書館は疲弊し、困難に直面しているように私たちは感じております。

これまで我が国の公立図書館は、ゆっくりとしたペースであったものの着実に発展を続けてきました。それは、昭和25年の図書館法の成立から現在に至るまで、多くの人々の努力の積み重ねによるものと考えています。それでもG7と呼ばれた国々の中で格段に立ち遅れている実態は広く知られており、国民としてはとても歯がゆいことです。しかし、G7 の国々においても、国や地方、市民、図書館員などが、長い年月をかけて築きあげたものであり、この努力を抜きにして、図書館の発展はないと考えます。市民が自ら調べ、考え、判断して課題を解決していくための地域における資料・情報の拠点として、民主主義社会を支える根幹となる図書館はそのようにして生まれてくると考えます。

現在の公立図書館はとても看過できない状況にあります。国が、今日の状況に照らして、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。今回、大きく2つの課題について下記の通り要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会代表宛に文書でご回答をお願いします。

1.      公立図書館を、「トップランナー方式」による指定管理者制度導入の検討対象から除外してください

平成20年6月、社会教育法等の改正時、衆議院文部科学委員会が「人材確保およびその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討すること」、また参議院文教科学委員会が「人材確保およびその在り方について検討するとともに、社会教育施設の利便性を図るため、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮して、適切な管理運営体制の構築を目指すこと」の附帯決議を行い、渡海文部科学大臣(当時)から「公立図書館に指定管理者制度はなじまない」との国会答弁がありました。

これらの附帯決議については、附帯決議冒頭において「政府及び関係者は特段の配慮をなすべきである」と書かれています。しかし、これまでの8年間、それらに対応した施策が行われたようには見えません。この間、これらの警鐘を省みることなく、指定管理者制度導入など図書館の民営化を強引に進める地方公共団体は後を絶ちません。しかも住民には十分な説明が無いまま、今も民営化が進んでいます。

平成27年8月、指定管理者制度導入の成功例として全国的に喧伝された九州の都市において大量の中古書が購入されていたことが発覚し大きな問題になりました。続いて9月、同一の民間会社が指定管理を受けた関東の都市においても、不適切な蔵書購入が問題となり,図書館としての社会的使命を果たすよりも、自社の利潤拡大を最優先させていることが、多くの人の目の前に明らかになりました。私たちは、本の流通に関係する業者が指定管理者になり、本の選定・購入権を委ねれば、営利を優先した資料の選定・ 購入が起きるだろうと危惧してきましたが、問題の一端が現れたと考えています。

平成27年11月、貴省は「経済・財政一体改革の具体化・加速に向けた地方行財政の取組について」の中で、図書館等の教育機関に平成29年度以降トップランナー方式導入を検討すると記しました。トップランナー方式を導入すれば、地方交付税の中の図書館算定分が削減され、図書館への指定管理者制度導入が促進されてしまいます。

図書館は「民主主義の砦」といわれるように、その働きは教育機関の範囲にとどまるものではありません。「民主政治の基盤の確立」「自立的な地域社会の形成」(総務省設置法第3条)を任務の一つとする貴省にも深くかかわる機関です。経費削減と引き換えに図書館の設置目的が損なわれるならば、本末転倒ではないでしょうか。

2.市町村の図書館協議会委員の報酬を、地方交付税の積算根拠に明記して下さい

図書館法に規定する図書館協議会は、図書館がその地域に即したサービス・活動を展開するという原則を実現するために必要不可欠な制度です。しかし、都道府県立図書館の図書館協議会委員の報酬は地方交付税の積算対象となっていますが、市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬は対象外となっています。図書館協議会の必要性は、都道府県においても、市町村においても変わることはないと思います。

このことについて、昨年貴省にお伺いしましたところ、文部科学省から要求が出ていないことを理由としてあげられました。それで、文部科学省に要望し、貴省に要求を出していただきましたが、平成28年度は認められなかったとの回答がありました。平成29年度は、市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬を、都道府県立図書館と同様に地方交付税の積算根拠に明記して下さい。

以上

連絡先  図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

>> 【2016年5月24日】地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛・賛同団体一覧付きPDF)

【2016/5/24】文部科学省事務担当者との面談報告書

文部科学省事務担当者との面談報告書

日時:2016年5月24日(火)午後3時35分~4時35分
場所:文部科学省 文化庁会議室
参加者:
文部科学省:生涯学習政策局 社会教育課 課長補佐 塚田 昌毅氏          図書館振興係(人権・高齢者教育担当)  係長 村上 壮一氏
図友連:福富洋一郎代表、A事務局長補佐、K運営委員

【はじめに】

○福冨代表より毎年の経緯を説明。

毎年、文部科学大臣にお願いするにあたり、副大臣と面談した後、社会教育課、図書館振興係の方と打ち合わせをさせて頂き、やり取りをして、少しずつ成果を上げてきました。結果はホームページで公開しています。毎年、文書で回答をお願いしています。

今回は、民営化と図書館協議会の法制化についての2つの問題に絞ってお願いしています。

【要望1】

要望1.公立図書館の管理運営を指定管理者制度等民営化の対象から除外してください

○福冨代表より要望1.の趣旨説明。

詳細内容

(1)図書館にはトップランナー方式を導入しないように働きかけてください。

(2)指定管理者制度について、平成20年の文部科学大臣答弁を超える表明を行ってください。

また、公立図書館を指定管理者制度の対象から除外する施策を実施するようにしてください。

(3)指定管理者制度を導入した図書館の実態を調査し、その問題点を明らかにし、適切な管理運営体制を構築するための施策を講じてください。

○塚田課長補佐

*要望の趣旨は理解しました。

*トップランナー方式について

先ほど副大臣のところで話がありましたように、繰り返しになりますが、図書館の担当としてご回答差し上げます。

トップランナー方式については、総務省において平成29年度以降に導入を検討するものとして図書館も対象に入っています。図書館だけでなく、交付税の単位費用に計上されている総ての事業について検討の対象です。現在、総務省がどの位検討しているかわからない、検討中という事です。

今は、文科省としては検討していないと言うことしか言えない。

ただ、文科省としては、もしトップランナー方式の導入で、図書館の本来あるべき目的に沿わないようなことにならないよう、注視して行きたいと思っています。当方に相談等なく平成29年度からやるという事にはならないようにしていきたい。

○A事務局長補佐

・総務省から何か言ってきたら、対応するという事ですか。

○塚田課長補佐

・調整する場があるのか、意見を言える場があるのか、タイミングがあるのか、現在は、わからない。

○福冨代表

図友連から総務大臣に要望書を出しております。

○K運営委員

総務省にも同じように要望書の1として

1.  公立図書館を、「トップランナー方式」による指定管理者制度導入の検討対象から除外してください

と明確に出しています。こちらも回答を6月末までに求めていいます。

○塚田課長補佐

トップランナー方式は図書館のことだけでなく、全体のことなので、いろいろ検討して行きたい。

 

【要望2】

要望2.公立図書館に図書館協議会を設置する法改正を行ってください

○福冨代表より要望2. (1)(2)の趣旨説明。

詳細内容

(1)図書館法第14条第1項を「公立図書館に図書館協議会を置く。」に改正して下さい。また、委員の任命は公募枠を設ける法改正等の措置を行ってください。

(2)市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬に関して、積算根拠に明記するよう取り組んでください。

○塚田課長補佐

総務省に(市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬に関して、積算根拠に明記すること)要望はしている。今は、回答待ちです。

○K運営委員

総務省にも同じように要望書の2として

2.市町村の図書館協議会委員の報酬を、地方交付税の積算根拠に明記して下さい

と要望しています。

○福冨代表より要望2. (3)の趣旨説明。

(3)平成27年度実施の「公立図書館の実態に関する調査研究」のとりまとめをなるべく早く公開してください。

○A事務局長補佐

調査で、市民に活用されている良い図書館を事例としてあげて頂ければ。

 

【その他】

○福冨代表

神奈川県立図書館について、神奈川県と川崎市との図書館関連などの説明。

○A事務局長補佐

図書館法第14条第1項は「・・・協議会を置くことができる」となっている、これを「・・・協議会を置く。」にしてもらいたい。協議会を置く限りは、市民委員を入れてもらいたい。

○K運営委員

多摩市の図書館状況の説明。施設の老朽化による7館を3館にすることなどの問題があり、中央図書館がないので、中央図書館を含めた全体的なサービス網を考えている最中です。

6月18日に文字・活字文化推進機構が「知の地域づくりを考えるin多摩市」を開催します。

○A事務局長補佐

ツタヤパンフレットの説明、改訂版を出すことも考えています。

○福冨代表

実態として、海老名市を見てもらいたい。

○A事務局長補佐

公共図書館の中で、市民に活用されている良い図書館を実際に見て来られることをお薦めします。

○福冨代表

学校図書館問題、学校司書の配置に対する状況の説明。

公共図書館の議員連盟についての考え方の説明。

○塚田課長補佐

図書館政策について、良い方向へ持って行きたい。

 

追記

文部科学省事務方打合の記録について

【K運営委員】

この打合せの記録は、図友連内でオープンにする前に、塚田課長補佐に確認をお願いいたします、

【塚田課長補佐】

わかりました。

以上

(図友連参加者名は代表者を除き個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

>> 【2016/5/24】文部科学省事務担当者との面談報告書(PDF)

>> 【2016/5<24】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

【2016/5/24】義家弘介文部科学副大臣面談報告書

義家弘介文部科学副大臣面談報告書

日時:2016年5月24日(火)午後3時00分~24分
場所:文部科学省 義家弘介副大臣室
参加者・図友連:福富洋一郎代表、A事務局長補佐、R運営委員、W会員、K運営委員。

○福冨代表より要望書の趣旨説明。

(詳細:文部科学大臣 馳 浩 様 公立図書館の振興を求める要望書 平成28年5月24日 参照

要望1.公立図書館の管理運営を指定管理者制度等民営化の対象から除外してください

要望内容

(1)図書館にはトップランナー方式を導入しないように働きかけてください。

(2)指定管理者制度について、平成20年の文部科学大臣答弁を超える表明を行ってください。また、公立図書館を指定管理者制度の対象から除外する施策を実施するようにしてください。

(3)指定管理者制度を導入した図書館の実態を調査し、その問題点を明らかにし、適切な管理運営体制を構築するための施策を講じてください。

要望2.公立図書館に図書館協議会を設置する法改正を行ってください

要望内容

(1)図書館法第14条第1項を「公立図書館に図書館協議会を置く。」に改正して下さい。また、委員の任命は公募枠を設ける法改正等の措置を行ってください。

(2)市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬に関して、積算根拠に明記するよう取り組んでください。

(3)平成27年度実施の「公立図書館の実態に関する調査研究」のとりまとめをなるべく早く公開してください。

 

【義家副大臣】

図書館は重要な社会教育施設と考えている。市民参加があって、地域の文化が生まれる。図書館は地域に愛される生涯学習の場である。

指定管理者制度の導入については、ジレンマを抱えている。地方分権の中で、文部科学省として駄目だとは言えないし、民間だから駄目だとも言えない。

学校図書館について言えば、特に義務教育では、子供たちが図書館を利活用できる環境の整備が重要であると考えている。国内の学校教育に大きな格差があってはいけない。少なくとも、ナショナルミニマムを確保する施策を文部科学省は取るべきである。

今後も適切に対応していきたい。

 

<義家弘介部科学副大臣面談後の動き>

○文部科学省の事務方と面談。詳細は面談記録参照。

(文責:K運営委員)

 

(図友連参加者名は代表者を除き個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

>> 【2016/5/24】義家弘介文部科学副大臣面談報告書(PDF)