【2018/5/29】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

平成30年5月29日

文部科学大臣 林 芳正 様

図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
(住所等連絡先は省略)
その他賛同90団体

公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っています。国には公立図書館の振興について毎年要望をしてきました。この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいていますことに、心からお礼を申し上げます。

現在、地方公共団体は財政が厳しいため資料費などが削減されているところが多く、また、指定管理者制度導入はサービス低下をもたらし、公立図書館は疲弊し、困難に直面しています。

国が、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。

今回、大きく5つの課題について次のとおり要望します。

ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会に文書でご回答ください。

1 公立図書館の管理運営を指定管理者制度の対象とする施策、誘導助言などをしないでください

(1) 指定管理者制度を導入した図書館の調査を実施して、問題点も含めて実態を明らかにしてください。

(2) 公立図書館の建設、運営などの計画に指定管理者制度導入が構想されている場合は、補助金、起債許可の対象としないよう各省庁に徹底してください。

2 公立図書館に図書館協議会の設置を促進し、その活動を活発にする施策などをしてください

(1) 図書館協議会の調査を実施して、実態と先進事例を明らかにし、設置を促進してください。貴省の委託研究報告書平成27年度「公立図書館の実態に関する調査研究」では図書館協議会委員報酬の平均額が算出されていません。報酬額を明らかにする調査を行ってください。

(2) 図書館協議会委員の任命に、いわゆる公募枠を設ける具体的な奨励策を採ってください。

(3) 各地の図書館協議会が連絡、提携する組織を設置するよう働きかけてください。

3 地方交付税の図書館経費の積算内容を豊かにし、公立図書館への補助金を措置してください

(1) 図書館経費の積算額を明確に示してください。平成28年度から市町村の図書館協議会の地方交付税措置がされましたが、さらに充実してください。また、図書館経費に係る費目をすべてにわたって積算するようにしてください。

(2) 図書館法第20条に基づく補助金を措置し、図書館建設や移動図書館の設置、専門職員の確保養成などの図書館の振興発展の基盤整備を図ってください。

4 図書館の所管は教育委員会であることが基本となる施策を進めてください

首長部局へ所管を移管することは教育機関である図書館の機能を変質させます

5 社会教育を地域学習に集約しないでください

貴省では組織改編で社会教育課を地域学習推進課とするように検討されていますが、現在の社会教育の名称を残し、社会教育行政に独自の役割があることを明確に示す施策を進めてください。

連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子(住所等連絡先は省略)

※代表および事務局長の住所等個は個人情報保護の観点よりホームページでの記載は省略させていただきます。ご了承下さい。 

>> 公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)(PDF・賛同団体一覧/添付資料付き)