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【2015年5月26日】文部科学省事務担当者との面談報告書

文部科学省事務担当者との面談報告書

日時:  2015年5月26日(火)17時35分~18時05分
場所:  文部科学省会議室
面談者: 水畑順作氏(文部科学省生涯学習政策局社会教育課 企画官)
稲田幸昌氏(文部科学省生涯学習政策局社会教育課
図書館振興係長(人権・高齢者教育担当)

図友連参加者: FK・AK・AS・IK・IN・KO・H・FN
(図友連参加者名は個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

(以下敬称略)

FK:丹羽副大臣が図書館のことに非常に関心を持っていただいていて非常にうれしかった。子どもさんがいらっしゃって関心をお持ちでした。図書館協議会の必要性についてもわかっていただいていたと思います。文科省の事務方から説明をしていただいているのだと思います。ありがとうございます。今回は文部科学委員会、文教科学委員会の議員さんを回りましたが、図書館協議会についてはわからない方もいらっしゃいました。市民参加の形や情報公開の形という事では図書館協議会があるという事が大事だという認識を議員さんに伝え、各自治体でも頑張ってほしいと思っています。

この間お会いしてご説明した後、項目1.2.3について進展したことが少しはあったか、進展はなくても社会教育課から他の課にあげたらこんな反応があったという事があったか、その点をご説明頂けませんでしょうか。

水畑:1番目についてはこの間皆さんとお会いした時から基本的に変わったことはありません。図書館協議会必置の法制化について、FK代表もお分かりかと思いますが、近々には難しいと思いますが、副大臣が申しましたようにその重要性については私どもも昔からわかっていたことですし、図書館協議会がもっと活発になっていかなければならないという思いは同じです。2番目と3番目について、調査は致しますが、悉皆調査は難しい。データとしてはすべての図書館に図書館協議会があるかないかは社会教育調査で、今最新の調査をしています。3年に1度の平成27年10月1日現在の調査です。今回は事情があって4年空いていますが、定期的にとっておりますので、担当部署で準備をしています。全図書館に図書館協議会があるのかないのかはこれで出てきます。これが活発に動いているのかどうかという調査については、3300の図書館のデータを集めるのは大変ですし、私たちとしても処理しきれないので、抽出で行わせていただきたいと思っています。

前回皆さんから事前打ち合わせで、会として図書館協議会については大事に思っている、その点で今回働きかけていきたいと伺って、私も各地の図書館協議会のHPで、どんな議論をしているのかという事を見ていますが、すごく熱心なところもあれば、行政からの今年度事業を説明して終わりというところもあります。うまくいっている所は、なぜ活発にされているのか、おざなりにしか開かれていないところはなぜおざなりになっているのか、そこの情報をしっかり取っていきたいと思っています。その意味でこの間も意見交換をさせてもらったように、うまく使えている所、機能している所を積極的に全自治体に情報提供していって、使いようによっては使えるのだと情報提供をしていきたいと思っています。もし、何か行政的な問題で図書館協議会が停滞している、形骸化しているのならばそれを改善する策を考えなければならないと思っています。

法改正をしたいと思っても、理屈だけでなくて、図書館にとって有益だという証拠を示さなければならないし、図書館協議会は大事だという事をわかって頂かなければならない。2月の大臣からの笠先生への答弁でも丁寧に実態把握をしていきますと申しておりますので、丁寧に把握はしていきます。悉皆調査とは違うという事はご理解いただけると思います。

2番目については、年に1回地方交付税について各省から要望を出すことになっています。その前に総務省には一度相談に行きたいと思っています。それはお約束します。総務省には聞きますが、本当に要望が出せるのかどうか、出した場合に認めてもらえるのかどうかは、分かりません。

KO:総務省のどこに行かれますか?

水畑:地方交付税交付金の担当、自治財政局になると思う。

FK:何か意見のある方は出してください。

意見の出る間、3番目の悉皆調査ですが、ピックアップしてより詳しくという事ですが、詳しい調査の時に調査項目をどのような項目でやるか、たとえば、形骸化していますかどうですかという質問ならば NOとは答えないと思うので、どういう言い方をするか、年何回とかいうのを聞くのかどうか。私たちは会員のいるところから来た情報で調査をしましたが、悉皆調査ではないが、まとめてあります。今回日本図書館協会にもきちんと調査をしてほしいと言っていますが、まずはどんな項目がいいのか、学校図書館の調査の時は調査項目を2年に1回、少しずつ変えてやっています。項目についての意見を出せば、やるかやらないかは調査をする皆さんのところで決めていただければいいが、意見は聞くよということであれば、我々も提出したいと思っている。昨年の第100回全国図書館大会の図友連主催の分科会では、図書館協議会をしっかりやっている団体が報告しました。課題として関心を持っているので、もう間に合わないかもしれませんが、いつまでにどういう形で出せばよいかを教えていただきたい。

水畑:この調査は私たちだけでやるわけでなく、専門家、日図協からも参画していただいてやりますので、ちゃんと専門家の話は聞いて行います。

FK:言い出したからには、私たちも意見を出し、日図協にも働きかけをしたい。実態が分かれば次の作戦を練ることができます。こういうパンフレットはご存知ですか、図書館協議会をPRするときに参考になります。・・・と下記資料のパンフレットを提示。

提示した資料:「ご存知ですか?わたしたちのまちの社会教育委員さん」~官民協働の先駆けとしての社会教育委員を目指して~ 文部科学省 一般社団法人全国社会教育委員連合 発行 <内容>全6ページのカラーパンフレット(社会教育委員とは・社会教育委員の役割・全国の配置状況・社会教育委員の意識・わが町の社会教育委員会議の特徴・郡単位組織の設立経緯と研修及び活動の紹介・社会教育委員の経験から現役の委員へのエール・社会教育委員への期待社会教育委員制度の意義、必要性・今後の課題・参考法令)

FN:このリーフレットの図書館協議会版を作成して、PRという形は取れないですか。

水畑:予算を確保する必要がある。

FK:お金がないという問題であれば、例えば、クラウドファンディングなどの手段もあります。図友連が文科省と協力してパンフレットを作り図書館協議会の重要性を訴えるという事であれば、我々もお金をだしますから。

水畑:私たちもこのようなパンフレットはあったらいいなと思います。

FN::こういうパンフレットは作ろうと思えば文科省で作れるということですか

水畑:作れます。

FN:財源をどこから出してくるかという事が問題なのですね

FK:どれくらいかかるか教えてもらえれば、具体的に詰めていく事ができる。ぜひパンフレットの件は考えていただきたい。

議員さんに言っても、市民に言っても 図書館協議会の大事さ、図書館の大事さをわかっている市民は多くない。図書館に登録している市民は3割から4割、7割の市民は図書館で本を借りたこともない、本は買えばいいと言っている人がまだ多い。図書館の重要性を訴えるにはPRが必要だと思う。

水畑:ぜひ日図協さんにもお話をしてください。我々もお話をしますので。

FN:うまくいっている所の情報提供というのは具体的にどのように行いますか。

水畑:事例集か、このようなパンフレットのような形か、文科省のHPとなるかもしれない。そこは決まっていません。せっかく集めた情報は有効活用したいと思っています。できれば冊子の形が良いかとは思うが。

FN:各自治体の教育委員会が手に取らなければ動かないと思うので、そこまでたどり着ける方法をお願いしたい。

水畑:全市町村立教育委員会に冊子ができました、事例集ができました、などの通知を出します。

FN:文科省が作成してくれれば市民も文科省にお願いして取り寄せてPRできるのでぜひお願いします。

FK:よい例として、学校司書について文科省が作成したパンフレットが有効だったので、図書館協議会についても作成をよろしくお願いしたい。

FN:図書館協議会でパンフレットなどが出されれば、効果はあると思うのでよろしくお願いしたい。

水畑:図書館協議会だけでなくて、レファレンスとかもあるので、図書館協議会単独という事にはならないかもしれないが、図書館協議会を含んだ事例集というのは、ほしいと思っています。しっかりと調査をやっていきます。

FK:学校図書館の活性化の次は公共図書館の活性化をお願いしたい。それに市民も参加するという事で進めたい。今、民営化などでひどい図書館がどんどん増えている。これをなんとか食い止めるには、ちゃんと住民が参加し、自治体が情報開示をしながら検討する場を作っていく事が必要である。

水畑:これは申しあげなければならないが、私どもは図書館協議会の活性化は大事だと思っていますが、それと指定管理の話とは別だと思っています。指定管理は法律の制度であり、私たちはニュートラルの立場です。

AS:指定管理者制度の図書館に、図書館協議会があるかないかとか、指定管理者制度が入ったという事で図書館協議会がなくなったなどの事例など、悉皆調査とは別の項目でされるのであれば、その項目の中に私たちの提言も含めた図書館協議会の項目をいれるのはどうですか。悉皆調査は無理とおっしゃったので。

水畑:項目については既に決まっています。平成27年度の社会教育調査の項目は既に決まっています。

AS:図書館協議会を今から入れ込むことは無理ですか

水畑:無理です。すみません。

AS:社会教育調査はいつごろ自治体にだされるのか

水畑:10月1日現在の調査であり、今ちょうどその調査票の準備をしていると思いますが、項目は決まってしまっています。

社会教育調査は統計法に定められた国の基幹統計で、図書館だけでなく社会教育全体について、3年に1回取る調査です。これは悉皆です。そこに出てくるのは全国の図書館数と、図書館協議会があるかないか、数は出ます。

AS:図書館協議会に関しては、3年に1回の基幹統計では、図書館協議会があるかないかの項目しかないという事ですか。

水畑:そういうことです。

AS:そのほかの調査とは

水畑:今年度私ども独自の調査で、図書館協議会が活発になっているのかいないのか、抽出で行います。

AS:いつごろ調査しますか。

水畑:今年度中には行います。

AS:調査項目をこちらの方から提言するのは、リミットはいつですか。

水畑:6月中旬くらいにいただければ、検討の材料にはさせていただきたい。最終的には専門家に相談するが。

AK:抽出の数は

水畑:まだ決まっていません。

AS:先ほど言われていた、総務省には2年に1回要望を出すといわれたが。

水畑:毎年です。

AK:毎年。地方交付税の要望は。

AS:毎年ですね。総務省には毎年要望を出しているという事ならば、いつくらいに行かれるのか

水畑:正式に出すのは、予算と同じで、毎年8月末ごろ。

FK:なぜ県立図書館だけ入っていて、市町村立図書館は入っていないのか。記録のようなものは残っていないのか。我々も理屈がわからない。

水畑:わからない。我々も知りたいと思っている。

FK:お金が多いからいやだとか・・・そういう問題ではないと思うが。

AS:博物館は入っているのか。

FK:公民館は。

水畑:公民館は、都道府県立はないので市町村で入っている。博物館は都道府県だけ。

FK:丹羽副大臣の発言からから言えば、ぜひきちんとあげて説明しないとおかしくなる。調べれば調べるほど謎の世界に入り込んでしまう。我々は文科省に期待するしかないので。動けるところは動いていきたい。昨年までは総務省にも要望書を出して、二之湯副大臣と面談した。

添付した資料「望ましい基準」を読むとしっかり書いてあるので、これを読んで自治体が図書館協議会を作らなければいけないと言ってくれればいいが、PRがまだまだ足りないと思う。

水畑:アンケートで自治体に設けない理由を聞いてみたい。

FK:それがきっかけとなって、図書館協議会がせっかく法律にあるので、実態が明らかになるのが大事だと思う。

本日はどうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

(文責 FN)

>>文部科学省事務担当者との面談報告書(PDF)

>>【2015年5月26日】図書館協議会を必置とする法改正等の要望書(文部科学省宛)

【2015年4月28日】「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」回答へのお礼とお尋ね」に対する回答について

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>>「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」回答へのお礼とお尋ね」に対する回答について(PDF)

>>福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」回答へのお礼とお尋ね

【2015年3月30日】「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」回答へのお礼とお尋ね

平成27年3月30日

福岡市長   髙島宗一郎 様
福岡市教育長 酒井 龍彦 様

図書館友の会全国連絡会
代表 福富洋一郎

「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」回答へのお礼とお尋ね

前略、平成27年2月3日付けで高島市長と酒井教育長に送りました「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」(以下、「要望書」という)に対し、酒井教育長から平成27年2月20日付けでご回答をいただきましたことに、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。ご回答につきましては、当会として一定の考えをまとめ、「見解」として公表させていただきます。ご参考までに同封しましたのでご高覧いただければ幸甚です。

さて、ご回答につきまして、確認したいこと、お尋ねしなければならないことなどが3点ございます。お忙しいところ恐縮ですが、誤解を避けるために、1.及び2.については、再度ご回答をお願いします。3.については、当会の考えを述べるにとどめ、特にご回答を求めることはいたしません。

1.「要望書」には、市長が責任を持つ個所についてご回答及びご見解を求めましたが、市長からご回答がありませんでした。ご回答をお願いいたします。「要望書」へのご回答及びご見解は、「行政改革プラン」の責任者である市長と、図書館行政の責任者である教育長に求めたものです。2月20日福岡市から「教育長が1本にまとめて回答する」という電話連絡が入りましたが、送られて来た「回答」は教育長からのものであり、市長が責任を持つ個所への「回答」は入っているようには見えません。このことについて説明していただくとともに、改めて市長からご回答いただくようお願いします。

2.教育長の議会答弁と今回の「回答」との食い違いについて確認したいので、次の2点にご回答をお願いします。私どもは「要望書」の要望項目2.の最後の段落で、2014年9月の市議会で、「図書館新ビジョン」に市民意見(指定管理者制度導入に98%の慎重検討・直営継続)を反映させない理由を、「『行財政改革プラン』に基づくものであるから」と教育長が答弁していることから、「図書館新ビジョン」検討以前に指定管理者導入は既定のものであった、と述べました。
ところが、今回の「回答」(項目2.)では、「・・・それら(パブリック・コメント)も参考にして新ビジョンを策定し、(指定管理者)制度導入の検討を行ったものです。」と述べています。市議会での教育長答弁が正しいとすれば、この回答では、指定管理者制度の導入が「行財政改革プラン」で実質的に決まっていたにも関わらず、導入の検討を行っていた事になり、私たちには奇異に感じられます。
そこで、次の2点について、ご回答くださるようにお願いします。
(1)平成26年第4回定例会議事録にある、池田良子市会議員の質問にかかわる酒井教育長の答弁の記載に間違いはないと考えてよいのでしょうか。
(2)今回の「回答」で、「図書館新ビジョン」と指定管理者制度導入にかかわる記述に間違いはないと考えてよいのでしょうか。

3.「要望書」の読み取りの誤りがあると思われるので、お知らせします。
「回答」2項目の最終段落に「『開館時間や開館日の増大は,現行体制でも経費増無しにできること』とのご指摘ですが,職員の人件費や館内の光熱水費,総合図書館における警備や総合案内の窓口業務等の委託に係る経費については,増額なしで実施することは困難な状況であると考えています。」と書かれているのは、私どもは「要望書」の要望項目2.の趣旨の読み取りの誤りからの「回答」だと考えます。
「要望書」は、「回答」の引用した個所を含め前後一連の文章で、指定管理と現行体制(即ち直営体制)との比較をし、指定管理者制度の導入による課題・疑問点を述べたものです。「回答」のようにこの個所だけを取り上げ、誤って解釈すれば、指摘個所に続く文章はさらに奇妙な主張をしていることになり、また、全体も何を言っているのか、はっきりしないものになります。福岡市は指定管理者制度の導入に当たって、開館時間や開館日の増大を最大の目標にしているのでしょうか。「要望書」の文章は平易に書いてありますので、趣旨を正しく読み取っていただき、何故導入しなければならないのか、私たちが指摘する課題・デメリットにどう対応するのか、説明責任を果たしていただきたいと考えます。
以上

送付先   図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
※(住所・TEL省略)
連絡先  図書館友の会全国連絡会 事務局長 船橋佳子
※(住所・TEL省略)

※個人情報保護の観点より事務局の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

>>「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」回答へのお礼とお尋ね(PDF)

【2015年3月30日】福岡市回答に対する見解

平成27年3月30日
図書館友の会全国連絡会

福岡市回答に対する見解
「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」福岡市教育長回答についての見解)

平成27年2月3日付けで福岡市の高島市長と酒井教育長に送った「福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書」(以下、「要望書」という)に対し、2月20日福岡市から「教育長が1本にまとめて回答する」という電話連絡が入り、教育長からの回答(2月20日付け、2月23日着)があった。しかし、回答内容は教育委員会の管轄範囲だけであって、市長が責任を持つ範囲のものは含んでなかった。また、他にも確認が必要なこともあったので、「お礼とお尋ね」を3月30日付けで市長・教育長に連名で送り、再度回答をもらうことにした。
正式な「見解」はそれを待って述べることになるが、時間も過ぎていく中、今時点で主要と考える問題点3点について「見解」を発表することにしたい。

1.「要望書」の3つの柱の内、1つだけにしか回答がないこと

「要望書」は、「1.指定管理者制度は図書館になじまず弊害をもたらすこと 2.貴市においては指定管理者制度導入の検討が十分に行われているとは見えず、市民の意見も取り入れられていないように見えること 3.貴市の図書館サービスは政令市のなかでも最低水準にあり、さらに低下させるものであること」の3つの柱で要望した。
このうち教育長からの回答には、1.及び3.については言及がなかった。2.についてのみ回答を行ってきた。従って市長からの回答を待って評価することとする。

2.指定管理者制度導入の意思決定がどのようになされたのか、あいまいなこと

回答では、冒頭部分で「公の施設の管理については指定管理者制度の活用を基本とする」との市の基本的方針に基づき、「行政が担う業務」と「民間が活用できる業務」とに仕分けしたと述べている。この基本的方針に基づき、図書館の指定管理者制度導入が実質的に決定されたものと読みとれるが、基本的方針を誰が何時決めたか、そもそも基本的方針とは何を指しているのか書いていない。
また、回答では「図書館新ビジョン」に代わって、指定管理者制度導入の検討を行ったとある。ところが、それは、導入の是非について検討するものではなく、どの業務を指定管理にするかを仕分する検討作業のことを「指定管理者制度導入の検討」と言っているので、紛らわしい。
さらに、この仕分けの検討は、「図書館の設置及び望ましい基準」を踏まえ検討したもので、法令の趣旨から逸脱したものではない、と主張している。同基準の指定管理者についての規定は、図書館の管理を指定管理者に行わせる場合もきちんとこの基準が確実に実施されるように努める、としたものに過ぎない。指定管理者制度の導入の是非を検討するときに、言及すべき法律の第一は「地方自治法」である。また、総務省は指定管理者制度の適正な運用を求める通知を出しているが、これへの言及もない。
図書館への指定管理者制度導入がどのような手続きや検討を経て決定されたのか、この最も重要な点の「回答」を教育長が避けている以上、市長からの回答を待たざるをえない状況にある。「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき、条例の定めるところにより、指定管理者に管理を行わせることができる」(地方自治法第244条の4第3項)」という法の規定が骨抜きにされたと見るしかない。

3.指定管理者制度導入にあたり、指定管理者制度以外の方法との比較検討がきちんとなされたのか、疑問であること

指定管理者を導入した図書館が共通してメリットとして強調するのは、経費削減と開館日・時間の拡大である。これが可能なのは、直営の正規職員を低賃金の指定管理者の(非正規)社員に置き換え、その人件費の落差をサービス拡大と経費削減の財源に充てるからである。ところが、福岡市はこれまで図書館軽視の政策を続けた結果、図書館職員の中心は非常勤職員と図書館業務を受託した民間会社のパート社員という低賃金労働者に、既になっている。それらを、指定管理会社のパート社員に替えても大きな差額は出ない。「人件費の増額なしで実施するのは困難」ということは、サービス拡大分は経費増にならざるをえないし、経費削減はないと主張しているのではないか。
指定管理料は、人件費、建物の維持管理経費などのほかに、受託会社本社の事務経費、営業経費(指定管理者制度導入への働きかけや指定管理者受託のための経費)、株主への配当金に充てるための利潤、さらに、それらの合計に8%の消費税分を加えた総計になる。
福岡市の場合、現行体制(即ち直営体制)の中で必要人員の増員を図った方が経費は安くなるはずであると考える。勤務条件や要人員管理の変更は、教育長の管轄範囲を超えると思われるが、市長の立場で現行職員の勤務条件を見直し、民間会社と比較すべきである。図書館は無料なので指定管理料はすべて税金を使うのだから、経費削減のメリットが本当に出るか、指定管理以外の方法との比較検討もきちんとなすべきである。比較資料があれば送付していただきたいと依頼したが、このことについて「回答」は黙している。
図書館に指定管理者制度を導入するデメリット・問題点については、日本図書館協会の見解「公立図書館の指定管理者制度について」(平成22年3月1日)に述べられているが、福岡市の場合は経費削減というメリットも明確に説明されておらず、指定管理者制度を導入すること自体が目的化しているのではないかと懸念している。
以上

【連絡先】 図書館友の会全国連絡会
代表 福富洋一郎
事務局長  船橋佳子
※(TEL省略)
※個人情報保護の観点より事務局の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

【参考】 「私たちの図書館宣言」
http://totomoren.net/aboutus.html#sengen

私たちは図書館のあるべき姿として、2009年に「私たちの図書館宣言」を発表しました。その前文で、「図書館は人類の叡智の宝庫です。読み、調べ、学び、交流し、必要な情報が得られる教育機関として、私たちの自立と地域社会の発展になくてはならない施設です。」 そして、第7項目では「教育委員会の責任で設置し、直接、管理運営される図書館」と宣言しています。

>>福岡市回答に対する見解(PDF)

【2015年2月3日】福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書(福岡市教育長宛)

平成27年2月3日

福岡市教育長 酒井龍彦 様
図書館友の会全国連絡会
代表 福富洋一郎

福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書

平素よりの市政へのご尽力につきまして、改めて敬意を表します。
私たち図書館友の会全国連絡会は、全国各地で図書館の支援活動をしている団体・個人の全国組織です。これまで全国の図書館の振興・発展のため、国に対し財政措置を働きかける等の活動を行ってまいりました。
このたび、貴市が、平成28年度から総合図書館と東図書館(分館)に指定管理者制度を導入することを表明したことを、「西日本新聞経済電子版」(平成26年12月20日)で知りました。私たちは指定管理制度導入は、大きな問題があると考えます。よって、貴市が図書館への指定管理者制度導入を見直し、市民の声を取り入れて再検討することを要望いたします。その理由は下記のとおりです。
つきましては、「行政改革プラン」のトップマネジメントでもある市長及び図書館行政の責任者である教育長より、この要望書へのご回答、及び下記3点に対する見解をご教示くださいますようお願いします。
ご回答は2月20日までに下記の連絡先宛てにお送りください。当要望書及び貴市からのご回答は、当会のホームページ等を通して公開する予定です。ご多用のところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

1.指定管理者制度は図書館になじまず弊害をもたらすこと
1)民間活力が最も力を発揮するのは、効率的に収益をあげることにあります。しかし、図書館は収益を上げるための事業ではなく、指定管理者制度の導入により、安定的に図書館を経営することは難しくなります。制度自体が図書館経営に適さないものです。加えて、指定管理期間が3年ないしは5年と定められるため、図書館経営の根幹と言える専門的知識を持つ図書館員の育成が困難になるという致命的欠陥をもっています。
2)指定管理者制度を導入した図書館では以下のような事態が起きており、問題が発生しています。
①これまで公表されてきた多くの情報が企業秘密として公開されなくなるため、図書館運営が不透明となり、市民から見えなくなっています。
②指定管理者制度の導入が経費削減を主目的として行われるため、図書館員が最低賃金にほぼ等しい労働者(いわゆるワーキングプア)となり、しかもそれらの人々を大量に生み出し、社会を不安定にさせる要因を自治体自身が作ることになります。

2.貴市においては指定管理者制度導入の検討が十分に行われているとは見えず、市民の意見も取り入れられていないように見えること
指定管理者制度を導入するかどうかは、当該自治体が決めることであり、法令に基づき慎重におこなうべきものであります。地方自治法は「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき、条例の定めるところにより、指定管理者に管理を行わせることができる」(地方自治法第244条の4第3項)としています。平成20年 6月3日文部科学委員会で、渡海文科大臣(当時)は、長期的視野にたった運営や職員の研修機会の確保、後継者の育成等が難しくなる等の問題があることから、「指定管理者を導入するということであれば、そういう問題が払拭されて導入されるべきであろう」と答弁しています。また、平成22年12月28日総務省自治行政局長は、各自治体に「指定管理の運用について」の通達を出し、文部科学省は「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」を改正しました。(平成24年12月19日 告示)これらは共に尊重されるべきものと私たちは考えます。
貴市は、平成25年6月、「行財政改革プラン」を策定し、「ビルド・アンド・スクラップ」により抜本的に見直すとしました。同プランでは、図書館は「指定管理者制度導入の検討」とし、その内容として「分館の営業時間延長の要望に直営では対応困難」をあげ、新設の分館等からの導入検討を行うとしました。教育委員会は、平成26年6月「指定管理者制度などの民間活力の導入の検討」を含んだ「福岡市総合図書館新ビジョン」を決定し、12月19日に図書館への指定管理者制度導入を発表しました。
これらの経緯をみると、指定管理者制度導入の是非について十分な検討がなされているとは思えません。例えば貴市は、導入の目的を「建物点検や警備の一括委託で約1千万円の経費削減が見込める」「開館時間の延長や開館日の拡大も検討」(前記「西日本新聞経済電子版」)と述べています。最も重要な分館業務については、「開館日・開館時間拡大も検討」という検討の途中経過に過ぎません。図書館の設置目的を効果的に達成する、という視点が無く、法令の趣旨から逸脱したものではないでしょうか。
さらに、細かく言えば、指定管理者制度導入によって可能とする開館時間や開館日の増大は、現行体制でも経費増無しにできることです。また分館業務は、現行体制で行う方が、経費はかえって安くなるのではないでしょうか。ともに税金を使うのですから、指定管理以外の方法との比較検討もきちんとなされるべきと考えます。(すでに資料が作成されているのであれば、参考にしたいので資料をお送りください。)
貴市は昨年4月、「福岡市総合図書館新ビジョン」策定に当たって、市民意見を募集しました。教育長は、市議会答弁(平成26年9月10日)で「主な市民意見は」との質問に、「運営体制」についてが最も多く、「行政の直接運営を望む意見68件、十分な検討を求める意見28件、民間活力の導入を期待する意見2件」であることを明らかにしました。また、「直営の継続」「慎重検討」を求める98%の意見が「図書館新ビジョン」に反映されない根拠を問われ、「図書館新ビジョン」が「行財政改革プラン」に基づくものであるから、と答えています。言いかえれば、図書館の指定管理者導入を検討する前に、指定管理者制度の導入は既定のものであり、反対意見がどのように多くあってもそれは反映させない、ということです。パブリックコメントは、市民意見を真摯に検討するという姿勢があってこそ成立する制度であり、貴市の姿勢について疑問を持たざるをえません。

3.貴市の図書館サービスは政令市のなかでも最低水準にあり、さらに低下させるものであること
言うまでもなく、民主主義を維持するためには、必要とする情報を入手し、正確に判断できる力を持った多くの人々の存在が不可欠であります。そのために、図書館が、知識、思想、文化、情報の拠点としての役割を十全に果たすように、整備充実が図られなければならないと考えます。整備充実を図るのは自治体の責務です。以上のことは、私たちだけの思いではなく、「ユネスコ公共図書館宣言」(1994年)にも記述され、社会が共有する理念であると考えます。
しかし残念ながら、日本の公共図書館のサービス水準は欧米先進国に比較し、極めて低い状況です。この中でさらに貴市は、政令指定都市20市と比較して、①1館当たりの人口14位、②専任職員中の司書比率19位、③人口1人当たりの貸出数19位、④人口1人当たりの資料費17位(熊本市が不明のため19市中)となります。貴市の図書館は既にこのような状態にあることをご認識でしょうか。それにもかかわらず、貴市は「行財政改革プラン」により、取り組むべき施策事業の財源を確保するために、さらに図書館のスクラップ化を進めようとしています。
私たちは、行政が図書館の役割について理解を持つことを願っています。図書館法は「入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」(図書館法第17条)と規定しています。図書館を整備し、誰もが自由に図書館を利用できるようにすることが、自治体にとっていかに重要であるかを法律で具現化したものです。公共図書館の使命を伝える活動を展開する図書館はまだ少なく、図書館を「無料で本を貸してくれるところ」と見てしまう人たちも多く存在しています。しかし、市行政のトップにおいては、図書館の役割を正しく理解し、整備充実を図るご努力をお願いしたいと思います。
以上

連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長  船橋佳子
※(住所・TEL省略)
※個人情報保護の観点より事務局の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HP http://totomoren.net/メールフォームよりお願いいたします。

■福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書(福岡市教育長宛:PDF)

■福岡市教育長よりの回答(PDF)

>>福岡市図書館への指定管理者制度の導入の見直し及び再検討を求める要望書(福岡市長宛)