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【2019/4/26】文部科学省総合教育政策局地域学習推進課面談記録

日時:2019年4月26日(金)10:00~11:55

場所:中央合同庁舎7号館 文部科学省総合教育政策局 会議室

面談者:

  • 文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課 図書館・学校図書館振興室 室長補佐 荒木正寛氏
  • 文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課 法規係 係長 海老洋太氏
  • 図友連: 7名

図友連:先日提出した要望書に内閣府からは回答書をいただいたが文科省からは回答をいただいていない。今日は文科省の見解(お考え)をお聞きしたい。まず、お渡した資料を確認したい。

  1. 3月25日に提出した要望書
  2. 4月8日付け内閣府からの回答書
  3. 4月12日の面談記録
  4. 政令指定都市・特別区の図書館についての統計資料
  5. 長所管図書館のデータ(A3版)

図友連で記録をとり、文書にした後内容を確認していただいてから発表することについての確認を取りたい。(了承された)

図友連出席者の自己紹介をする。(略)

図友連:図友連の紹介(全国で図書館を応援する活動をしている団体、個人の会員で構成されている)

「私たちの図書館宣言」の紹介をしたい。3月25日付けの要望書を確認したい。第1点目については、4月12日の内閣府との面談で、詳細については文科省に問い合わせて欲しいという回答を得た。今回上程されている一括法案には、「特例措置」であるとの説明がなく、安易な移管が行われる惧れがあると考えている。第2点目については、図書館法(第8条、第13条1項、第15条)の改定は唐突にでてきた感がある。なぜこの改定案がでてきたのか?第3点目については、図書館は教育機関なので首長部局から独立した教育委員会で管理運営すべきと考える。どういう理由で教育委員会から外すということが可能とされるのか?

図友連:図書館について一括法案で上程されているが、文科省は図書館をどのように位置づけているかお尋ねしたい。

文科省:今年度から新たに文科省に図書館・学校図書館振興室を設置している。このことは、図書館を国として重要な社会教育施設として捉えている現れと理解していただきたい。

文科省:今回の改正案は社会教育施設の所管に関する特例としての位置付け。地方公共団体で、社会教育施設の首長部局への移管を可能とする改正案。ただし、所管が変わっても社会教育施設として法(図書館は図書館法)に基づく適切な管理運営をするということについては変わりが無い。

以上がいただいた要望書の第3点と第1点の前半への回答となると考える。

今回の改正案の中で、教育委員会の関与に係る担保措置は以下の3つである。

  1. 首長の所管する社会教育施設の「管理運営規則」の制定の際は、必ず教育委員会と協議をする。
  2. 首長が所管する社会教育施設の事務のうち、教育委員会の所管する学校、社会教育施設等における教育活動と密接な関連を有するものとして、規則で定めるものの実施に当たっては、首長は、教育委員会の意見を聞く。
  3. 教育委員会は、その職務に関して必要と認める場合は、社会教育施設に関する事務について首長に意見陳述することができる。

図友連:教育委員会は意見陳述できるとされているが、必ず意見が聞き入れられるという保証はないのでは?

文科省:最終的な決定権は社会教育施設を所管する首長部局にある。

図友連:意見陳述をすると、それは実際上ほぼ、例えば95%以上認められると理解して良いのか?行政の仕組みがよくわからないので教えて欲しい。

文科省:学校教育も社会教育も引き続き教育委員会が担当するので、首長と教育委員会という執行機関同士が密にコミュニケーションをとって管理運営することが重要であると考えている。

図友連:担保として意見陳述するシステムがあるというが何ら担保とはなり得ない、担保となってはいないと思う。

図友連:図書館法の理念が変わってしまう懸念があるから特例とされたのではと理解する。であるなら、担当省の役割としては、改定案には図書館法の理念が損なわれないような担保がされるべきではないか?

文科省:改正案については昨年来中教審等で十分な議論がなされた。中教審答申にも「社会教育施設であることに変わりはない」とある。その上で地方公共団体がまちづくり、観光など他の行政分野の事業と一体的な推進を図るために効果的と判断する場合に、移管が可能だということで法律案を作成した。

図友連:図書館法はナショナルミニマムとして存在している。それを地方分権ということで各地方自治体に任せてしまうと、現在でもある地域間格差を助長することになりはしないか?

昨年の中教審のワーキンググループ(WG)では補助執行で首長部局に移管されている社会教育施設のうち博物館については議論されたようだが図書館についてはほとんど議論されなかったときいている。

2014年当時の中教審では首長部局に移管する際は法的担保をしなくてはならない、担保措置が重要だと語られた。司書が教育公務員となっていない中、特例として首長部局に移管して地方分権だからそれぞれしっかりやりなさい、とすることは危険だと思われないですか?

文科省:改正案では、担保措置として前述の3点を設けている。また、教育機関としての位置づけは変わらない。

図友連:現在「補助執行」で首長部局に移管されている図書館の運営についての実態調査をし、運営が酷いものを是正するために法律の整備をするというなら理解できるが、そうなっていないと思う。

図友連:「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」(答申)には

社会教育行政における政治的中立性の確保はとても大事である、だから一定の担保措置を講ずることを条件とした。懸念として行政的な視点が優先されて学習に関する住民の自主性、自発性が阻害されることのないように地域住民の意向の反映に留意すること。社会教育施設の所管については今後も教育委員会を基本にする。と明記されている。それではなぜ今回の改定案がだされたのか?

また首長部局への移管がなされるとなったとき、全国の教育委員会にどのようなことに留意するようにと発信する予定はあるのか?

文科省:社会教育全体の事務は教育委員会が所管する。一方、地方公共団体からの要望もあり、特例として社会教育施設の所管を首長に移管することができるということであり、無条件に移してよいということではない。

図友連:首長部局移管についての地方から要望は、名張市以外にはどこからあるのか?

文科省:平成26年に群馬県と九州地方知事会から要望を受けている。

図友連:しかし全国から多くの要望があるとは言えず、ほんの一地域からの要望ではないか

図友連:昨年の中教審、ワーキンググループの会議を傍聴したが、メンバーのお一人が、教育委員会の中立性をどのように担保するのかが議論されていたときに、市長(首長)は住民の支持を受けているので、首長の権限は大きい、と発言された。教育委員会が意見陳述をしても、選挙で選ばれた市長(首長)だからと退けられる可能性がおおいにあることが見えたから危惧している。

畑野議員が国会の委員会での文科大臣との質疑の中で担保措置は法的な拘束はないので担保とは言えないと結論づけられた。これは誰もがそう思っている、このことについてはどうお考えですか?

文科省:今、国民の皆さまの図書館への期待はとても大きい、図書館への期待があるからこそ所管が移って以降も他の部局と一体的にやることで地域を盛り上げるという良い側面もあるのではないか。今回の法律案はその選択肢を増やした。

今回の法案が成立した後、各自治体に「施行通知」が流れる、その中に法律に述べられない細

かなことを書き込むことができる。その中に皆さんが懸念されていることを盛り込むことが考えられる。首長部局に移ったからといって一方的に悪くなるのではなく良くなる側面もあると思うし、移管されたらだめになるとは一概に言えない。武雄図書館、シリウス、多賀城になどについてはそれぞれのお考えがあるかと思うが、以上が現時点での私の思いです。

図友連:現在補助執行されている自治体の数や内容を文科省に訊ねても、正確な情報がでてこない。また点検作業も行っておられないということなので、実態を調査しようと取りかかっている。

補助執行より今回の法律の方が良いだろうとおっしゃるが、では補助執行の実態を文科省はどれだけ把握されているのか?メリット、デメリットについて調査をした上で今回の法律改定に臨まれているのであれば説得力があると言えるが、それはされていない。

施行通知、留意事項を出す前に実態調査をしてください。

図友連: この法改正では教育委員会に意見陳述の機会という担保措置があるということだが、教育委員会が変質しはじめていると感じているので、任せて大丈夫という確信が持てない。文科省は補助執行している現状を把握し、首長が所管したときにどういう事態になるか想定した上で考えて欲しい。

図友連:総合教育会議が始まってまだ4年程度。そこでこそ連携をとって教育を進めていくことを話し合うべきと考える。また、移管のメリットとしてスピーディに事業が進められるというが、移管しなくても全国の自治体で図書館がまちづくりの要として他の部署と連携して先進的な取り組みをしているところがいくつもある。特例措置として移管しなくてもやろうと思えばできる。文科省の本筋はそこを応援することではないか。

図友連:まちづくりのためにやりたいというが、図書館はとても人気のある施設だから首長部局に欲しい、首長の手元に人気のあるものをおきたいということではないか。図書館の本質がゆがめられていくことに危機感を感じる。文科省は図書館の本質は変わらないと言いながら法を守り切れていない。法に基づいてしっかりとやって欲しい。

図友連:古い事例だが、2002年、鎌倉市で図書館を含む生涯学習部が補助執行によって教育委員会から首長部局へ移管するという問題が起こったとき、住民として反対の立場で声を上げた。市議会に上程されたが、文科省からの指導があり条例改定案は取り下げられた。当時の文科省は図書館はそういうところではない、と気概を持って対処された。今回はなぜこのような改定案を上程されたのか?

わたしたちはずっと図書館を、教育文化機関を応援している。主管庁である文科省を応援していきたいと考えている。令和の時代の図書館に向けて文科省に力を発揮していただきたい、そのために応援していきたいと強く思っている。ところが最初に挫けてしまわれるととても困る。

図友連:これまでは、歴史のある日本図書館協会や図書館問題研究会などの団体と文科省は図書館について友好的に意見交歓をする関係だった。しかしここ数年その関係が崩れているのではないかと思う。文科省とこれらの会が連携して図書館をよくする活動をするべきだと考える。

図友連:補助執行の実態をつかむことと同時に直営で素晴らしい活動をしている図書館(伊万里市、調布市、鳥取県・・・)が、どういう風に地域とのつながりで活動を展開しているのかを把握していただき、内閣府などに進言してほしい。

現状頑張っている図書館を応援していただきたい。地方からの要望があって法律改定案を上程したということだが、じつは移管しなくてもできる例があります、と示して宣伝して欲しい。

図友連:補助執行している図書館のうち指定管理になっている図書館の割合が大変に高い。これは問題だと思う。

文科省:ここまでにいただいたご意見についていくつかお尋ねしたい。まず、川崎のことについて。昔に比べて川崎がとても綺麗になったと感じるがそれは市長の功績なのですか?まちづくりを重視した結果はいかがですか?

図友連:市庁舎付近がとても綺麗になり人通りが絶えないが、中教審でも言われている「人と人とのつながりを大事にする」ことにつながっているのかについては疑問です。

平成のはじめ頃、川崎市は中央図書館構想を持っていた。中央館をはじめ地区館、分館を配置し、ブックモビルも走らせ図書館のサービスを受けられない人をなくそうというものだった。それが川崎市を綺麗にしようという方向になって以降消えてしまった。なぜ無くなったのか正確なところはわからないが、綺麗になった時期と構想が立ち消えになった時期とが符合する。

図書館はだれでもが歩いて行ける生活に根ざした施設である。賑わいを演出するシリウスのような図書館ではそれはできていない。

文科省:弊害もあったということですね。

福富さんがここ数年図友連、日本図書館協会などの団体とのコミュニケーションが十分でないと言われたが、私個人としては呼んでいただければどこへでも出向いていくつもりです。社会教育の世界はフェイストゥフェイスなので結論がでなくても議論するプロセスが大事だと考えている。呼んでください。

保土田さんのお話で鳥取や伊万里などの素晴らしい図書館について触れられたが、2020年のオリンピックいやーに向けては*2現在検討されている、いわゆる読書バリアフリー法の制定や、図書館法が制定されて70周年にあたるなど、図書館界にとって重要な1、2年になってくる。仮の話だが、図書館を盛り上げるための全国フォーラムを開くなどして、鳥取や伊万里の好事例を全国的に知ってもらうといったことが文科省の取組として考えられるのではないかと思っている。

図友連:今回の法改定で図書館の本質が崩れていくきっかけになることを危惧している。原理原則は守るようにと焦点をあてて発信してもらいたい。

図友連:内閣府との面談の中で、この法律案の取り扱いは今後どうなるのですか?とお尋ねしたところ、条文修正もあり得ます。附帯決議もあります。と言われました。上程されてしまったから、今後はそのような方法をとるしかないのかと考えているが、今後のことについて

文科省の見解をお尋ねします。例えば一括法案から図書館は削るという修正はありますか?

文科省:国会の審議を経て条文修正や附帯決議が行われるなどの可能性はある。

図友連:地方分権一括法の中に図書館法改定が盛り込まれると図書館について全く審議されずに通ってしまう可能性がある。

文科省に議員の方たちから質問があったときの説明の際には私たちの声を反映させる形で説明していただくことをお願いしたい。

図友連:冒頭、法案の担保として教育長が意見具申できるとのことだが、教育長は議会を経て首長に任命権限がある。首長に任命される教育長からの助言はどれほど効力があるか疑問である。法の改定後、図書館法の考えをストレートに首長に伝え指示するべきと考える。

文科省:教育委員会としての意見を聞くことになっているので、教育長一人の意見ではない。所管を首長とする場合には、そのための条例を定める必要がある。また条例を定める際には議会が教育委員会から意見を聴取すると定められている。

図友連:特記事項として毎年の決算カードの裏面に記載されますか?

文科省:各自治体によって異なると思われるので一概には言えない。

図友連:荒木さんがおられた福島には、図書館法に依拠しない図書館を住民が30年運動をして漸く図書館法による図書館になったところがある。その図書館法がこのような形で変えられてしまうのか?と疑問を持っている。

また、東北大震災後の2012年5月、図友連が開催した院内集会で、気仙沼の教育長さんのお話を伺った。震災直後の人びとは生きることだけで精一杯だが、一週間もたつと避難所に届けられた図書館の本が、苦難を乗り越えたり、将来の希望をもつために大いに役だった、災害の時にこそ図書館は大切なのだとわかったと話された。

図書館の持つ本来的な存在意義について今一度図書館法をお読みいただいて今後の修正に全力を傾けていただきたい。

図友連:図書館が首長部局に移管されたとき、政策に反対するような本が図書館から排除されることになるのではないかと危惧する。おかしな首長ばかりではないと思うが、首長によっては恣意的な運営となる惧れがある。

図友連:図書館の基本を押さえて自治体がしっかり運営することは他部局と密接な連携をとることにつながりそれはまちづくりの核となりうる。移管することで得られるとされるメリットは後付けの理由、為にするものと思える。移管する選択肢を用意する意味がわからない。

図友連:選択肢を準備するより、ナショナルミニマムとして図書館は首長部局に変えない、という姿勢が必要ではないか。

図友連:法案が通ると歴史の転換点となってしまう。

 

ここで次の予定のために終了となった。

文科省:関係の図書館団体との意見交換は我々にとって貴重な機会です。呼んでいただけたらいつでもみなさんの会合に伺わせていただきます。

今日のご意見について全て反映させる確約はできないが今後なんらかの形で議論の場に載せていきたいと思っている。図書館法制定70周年に向けてなど、今後も意見交換させていただきたい。

図友連:よろしくお願いします。

>> 【2019/4/26】文部科学省総合教育政策局地域学習推進課面談記録(PDF)

 

【2019/4/8】「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の 整備に関する法律案」(第9次地方分権一括法案)に係る要望書への回答

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【2019/3/25】「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の 整備に関する法律案」(第9次地方分権一括法案)に係る要望書

平成31(2019)年3月25日

内閣総理大臣 安倍晋三様
内閣官房長官 菅義偉様
内閣府特命担当大臣(地方分権改革) 片山さつき様
文部科学大臣 柴山昌彦様

図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
(個人情報保護のため住所省略)

「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」(第9次地方分権一括法案)に係る要望書

図書館友の会全国連絡会は、公立図書館の振興発展を支援するため、全国各地で活動を行なっている市民団体です。

3月8日に閣議決定された、この法律案に関して、次の問題点、理由により公立図書館には適用しないことを求めます。

ご多用のところ恐縮ですが、4月8日までに図書館友の会全国連絡会に文書でご回答ください。

1 公立図書館の所管を教育委員会から首長部局に移管することについては、昨年、文部科学省の中央教育審議会で検討され、平成30(2018)年12月21日の「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(答申)」(中教審第212号)で、「特例措置」として厳しい留意点を明示しています。今回の一括法案では、「特別措置」であるとの説明がないので、地方公共団体が、公立図書館の社会教育機関としての使命を重視せずに安易に移管するおそれがあります。公立図書館の所管を首長部局に移管できることを可能にしないでください。

(1) 社会教育法 第8条の2、同8条の3

限定した事項にのみ、首長は教育委員会に意見を聴くか、教育委員会が首長に意見を述べるだけとなっていて、首長に誤りがあっても正すのは困難です。

(2) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第33条第3項

(2) 限定した事項にのみ、首長は教育委員会に協議するだけとなっていて、首長に誤りがあっても正すのは困難です。

2 公立図書館を首長が所管することになった場合、今回の一括法案では図書館法も改正することになっていますが、その必要性は薄くかえってデメリットになりますので、改正しないでください。

(1) 図書館法 第8条

総合目録の作製、貸出文庫の巡回、図書館資料の相互貸借の窓口を首長にすることを認めていますが、このような図書館に関する実務は、これまでどおり教育委員会にしてください。

(2) 図書館法 第13条第1項

公立図書館職員の任命を首長としていますが、専門性の継続の必要性から、これまでどおり教育委員会にしてください。

(3) 図書館法 第15条

図書館協議会委員の任命を首長としていますが、社会教育の自主性から、これまでどおり教育委員会にしてください。

3 「図書館」は、「教育機関」です。生涯学習の拠点である図書館は、介入や干渉に左右されてはなりません。教育委員会の責任で設置し、直接、管理運営される図書館である必要があります。中立性と公平性、専門性が継続され、市民の声が届きやすくなるように、首長部局から独立した教育委員会において、公の責任のもと、直接、管理運営されるようにしてください。

連絡先  図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子
(個人情報保護のため住所・TEL省略)

>> 【2019/3/25】「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の 整備に関する法律案」(第9次地方分権一括法案)に係る要望書(原文PDF)

【2018.5.29】文部科学省事務方面談報告書

日時:平成30年5月29日 11:30~12:10
場所:文部科学省会議室
面談者:文部科学省生涯学習政策局社会教育課 運営支援係長(施設担当)久保晃一氏、法規係長 楠 明香里氏
<図友連>代表以下8名

<図友連>

これまで文書回答でなくて口頭でお願いするということで、この事務方との会議の議事録をオープンにするという方法を取ってきました。我々は全国の会員に報告しなければならないので、今年もそのようにさせていただければと思っております。よろしくお願いします。

<文科省>

いただいたご要望に対して、回答させていただくというというほうがよろしいでしょうか。

<図友連>

そうですね。我々も今年は大議論して、5点に絞って要望しました。それをひとつずつ回答していただき、そのあとその他ということでよろしくお願いします。

<文部科学省>

指定管理者制度の導入については、設置者が判断することで、第一に、利用者に対する一般サービスの充実に資するように配慮しつつ、設置者である地方公共団体において議論していただくものです。導入の後に戻すということも、議論の上ではあり得ると考えます。1の(1)については、指定管理者制度の問題点というところだけに注目して調査するのは難しいところです。1の(2)については、文科省として補助金は廃止されていますが、指定管理者制度の導入に関連して判断されるものではないと認識しています。

<図友連>

それでは1番の指定管理の問題について補足説明しますと、図書館への指定管理制度導入は、渡海元文科大臣がそぐわないと発言されましたが、最近はさらに一段強めて、図書館学専門家の山口源二郎教授が、そぐわないどころか、民主主義の根幹を破壊する制度であるとおっしゃっています。指定管理制度の導入は、地方公共団体が決めることであって、文科省が決めることではないということは承知したうえで強く要望しています。指定管理を導入している図書館以外の公の施設では、メリットデメリット議論があるかもしれませんが、こと公立図書館に関しては、そぐわないどころか民主主義の根幹を破壊するという学者も出てきた新たな段階と、一旦導入した福岡県小郡市や山口県下関市などは課題があるために直営に戻っています。最近、茨城県守谷市が直営に戻す方針が出て話題になっています。市民側からも情報が出ているので、文科省として、本当にどんなメリットもあるのか、まず(1)は、学者が言っていることが正しいかの実態を調査して欲しいという要望です。片山善博元総務大臣の講演録を読むと、指定管理者制度導入を明確に否定しています。

それから(2)のところは、少なくとも補助金とか起債許可の対象にしないように、文科省として、各省庁に徹底していただきたい。各省庁に要望すると、文科省が図書館について管轄しているので、文科省が言ってこない限りは、図書館法を考えずに図書館を整備して、賑やかないいのができますと言われてしまいます。愛知県小牧市では、住民投票で反対されようと市長としては駅前にとにかく賑やかな図書館を作ると言っています。例えば神奈川県海老名市は、図書館法における図書館を作るのですかと市長さんに聞きました。もし“図書館アミューズメントセンター”を作るのなら、私は文句を言わずむしろ褒めるかもしれませんと言ったら、“図書館法に基づく図書館を今回作った”と言っているので、文科省の調査と見解を出していただきたいと思います。ということで、1番について(1)(2)を出しました。私以外に言いたい方、どうぞ。

<図友連>

去年、一昨年でしたか、トップランナー方式、総務省の方でいったん出されて、具合が悪いということで、文科省もふくめて判断をされ、撤回されたと思う。誘導策としては、こういったものが頭の中にある。メリットデメリットがあるというふうな形じゃなくって、やっぱり問題点があれば問題点があるということを示していっていただきたい。図書館法に定めている設置目的からしてね、その設置目的を果たすような施設なのかどうなのか、ということについて、なんらかのやっぱり見解を、それぞれの住民から求められた時には示してほしいなというふうに思うその点についてはどうか。いわゆる文科省でそういう法律を作って、図書館という仕組みを作っているということやから、その仕組みに合っているかどうか、ということが市民感情としては非常に気になるところだ。

<文部科学省>

繰り返しになりますが、地方公共団体がそれぞれの地域の実情に応じて判断されるものであるため、設置者において適切に判断いただきたいと考えます。メリットデメリットについては、まさに直営に戻したところがあるというお話しをうかがっているが、そういったものもぜひ情報提供いただきたいと考えています。

<図友連>

そうですね。昨日図友連は総会を午前中にやって、午後はお互いの情報を交換しました。もうお読みになったかもしれませんが、茨城県守谷市では、今年から指定管理を入れたところ問題が発生して、指定管理会社の責任者が議会で謝罪したそうです。その後、図書館協議会で一生懸命検証して、守谷市長が指定管理は止めるという方向性をきちんと出したそうです。図友連のメンバーが発表したので、みんなから質問が出ました。その情報は、毎日新聞の茨城版に出て、まだ全国版に出ていないホットなものです。文科省の方にも、必要情報は送るようにしたいと思いますので、ぜひ実態を調べていただきたい。それから、福岡県小郡市のときには小郡市の職員だった永利和則さんという方が、そのまま出向して新しい指定管理図書館の館長になったのですが、教育委員会の情報が入らないなど、非常に困ったそうです。横浜市では、指定管理を導入した公の施設は900位ありますが、図書館は1館だけなのです。全18館の18分の1。公園とかスポーツセンターなどは指定管理の導入は多いですが、指定管理の中で導入率が一番少ないのが図書館。問題点を抱えているからこそ、みんな慎重にやっているのが、ある意味現実かなと思います。他の方、指定管理についてもしあればどうぞ。

<図友連>

特に、今のように、人手不足のとこも問題が露呈してきて、仕事自身が回らないからどんどんこんなことじゃ生活できへんということもあって採用された人もやめていっていくと、だから指定管理でとったのに実際には回らくて社長が謝りに行くっていうのはそのさっきの守谷の例ですよね。

<図友連>

それと新しい情報では、指定管理の会社として「ツタヤ図書館」は問題だが、大手の会社ならまかしておけば大丈夫だ、という話が出ていますが、企業分析をすると、競合会社間での指定管理者の決め方や、会社の社員のワーキングプア問題など課題が浮かび上がってきます。

<図友連>

抜け道が、あくどいと思いますよね

<図友連>

私は民間会社で働いてきたので、あくどいというより、民間企業では当たり前の行動だと思います。民間会社は利益を出すのが目的であり、問題は、本当に社会教育施設の運営を民間会社に任せていいのか、というところが問われていると思います。2番に進めさせていただきますと、2番目は図書館協議会の問題です。

<文部科学省>

図書館協議会については、地域住民のニーズを汲み取り、図書館自体が適切に応えていくために必要な機関でありますので、各種機会を通じて、設置を促しているところです。ご案内のとおり、市町村の図書館協議会の報酬について、地方交付税の増額が認められたところ、各地でより一層活発な取組が展開されることを期待しています。(1)については、実態として、社教調査では、設置率は年々伸びており、平成27年の調査研究においてでは、回数や人数の平均から算出している部分がございますので、参照していただきたい。(2)については利用者の声を十分反映して運営を行うために、設置者である地方公共団体の判断によっては、委員の公募も必要であると考えられる。基準についても条例で定めるということになっており、その事例等については、各種会議で周知をしていきたいと思います。(3)で、協議会が連絡、提携する組織の設置も必要な場合もあるかと考えますが、地方分権の趣旨を鑑みると、設置者である地方公共団体が地域の実情に応じて設置運営をするというのが基本となります。

<図友連>

ありがとうございました。図書館協議会についてはここ数年言い続けています。昨年の総務省への要望では、文科省も同じ立場で言っていただき、一歩前進することが出来、ありがとうございました。細かいことになるのですが、この前報告された調査研究は、我々の目で見ると問題があると思います。補足説明にあるように、報酬額が低く報告されており、実態を表わしていないので、使う側から言えば問題だと思っています。

<図友連>

単純に言いますとこの今ここに出ている金額では実際に図書館協議会を開く予算が立てられないということで、果たしてこういった調査のやり方が妥当なのかというところです。そもそも図書館協議会の報酬額そのものを調査していただければそれで平均額というのがわかって、より参考になるものが出るはずで、こういった調査で、報酬額の平均が出ていないということに、最初は我々の中でもなかなかそういったことが、出てるに違いないというふうに思っていたところが、よく読んでもそこは出ていない。ということで、実際の報酬よりも低いものしか出ていないと。もう一点つけております要望書の説明の2ページ目の裏側のほうに。

<図友連>

少し詳しく補足していますのでご覧ください。図友連はこれまで図書館協議会の調査をお願いし、今回レポートが出てきました。調査の目的は図書館協議会をより良くすることです。市民参加による調査の目で見ると、違和感がありましたので、補足説明をしました。例えば委員報酬の平均額は、トータル額を委員数で割ったりして、お金もらっていない委員もいるのにおかしいと思いました。調査の目的が何だったのか気になっているので、誤解を与えないように文科省から調査会社にご指導をお願いしたい。次の調査の時はしっかりやってほしい。図友連も各会員の協力を得て、図書館協議会の実態調査と課題のレポートを作っておりますので、参考資料として提供するつもりです。

<図友連>

ちょっと念のため、確認させていただきたいのですが、このような項目を出すようにということを文科省のほうから出されたのではなくて、私なんかが思うには、調査の委託先のほうがこういう数値で出してきたということだと考えているのですが、そういうことでよろしいでしょうか。文部省のほうでこの数字が必要だという、だからこれで出せといったことではないと。

<文部科学省>

本省としては項目として確認したうえで調査しているものです。

<図友連>

この調査なんですけれど、私は基本的に欠陥があるというか、なんでこんな調査をしたのかというのがあるんです。調査項目ということではいいのですけれども、調査の手法に問題がある。ひとつは回収率ですよね。回収率が4分の3程度ということだったと思うのですけれど、例えばTRCじゃなくて図書館協会に調査を委託すれば、図書館協会の年間統計の回答率は100パーセント近くあるわけですが、この調査は低い。この約75パーセントから他の25パーセントを類推し、全体を把握できるのかというとできないということが一つ。これは、値段との関係で回答しなかったところに二回も三回も督促をやらなかったということでしょうが。それより大きいのは集約の問題で基本的に欠陥があることです。調査を見て最初に驚いたのは、東京23区の図書館協議会の件数が9とあったことです。これで驚いて各区に問い合わせをしてみたら、やはり図書館協議会があるのは1区で、杉並区しかないのです。じゃなんでこんな9になったのかということですが、調査全体も見て考えたのですけれども、これは杉並区の図書館がそれぞれ回答しますので、9の地域館があると回答したものを集計して9にしたと思われます。調査全体も同じ手法によると思うのです。例えば、貸出数とか資料費とかそれぞれ各館ごとについてるから、回答を足しあげて回答館数で割れば1館当たりは出るかもしれません。しかし、各館の固有でないもの、図書館協議会や図書館政策など基本的に各自治体ごとに持つものを、こういったものを持ってますかと各館に聞いたら、複数館を持つ自治体では実数の数倍になって、それを集計すればとんでもない数値が出てきます。調査をおこなうにあたっての基本的なことを理解しない調査となっています。

<図友連>

ここらへんは、細かく言うとキリがありません。私は、指定管理の大手の会社がこの調査を請け負った点が気になり文科省に問合せて調べたところ、オープンテンダーで決めたので公平でした。しかし出てきた報告書が、本当に図書館協議会を良くしようというための資料ではなく、細かく読めば、けしてマニアチックな指摘をしているわけではなく、ただ単に調査をちゃんとやりました、これは調査会社の責任ではなく、責任は文科省にありますと言われてしまう疑問点が随所にありました。文科省の人がどういうチェックをやったのか、市民参加の一番大事な図書館法に規定された図書館協議会の実態調査なのに残念です。そういう調査をしたことを反省していただいてもう一回やり直してほしいというのが我々の要望であり、その協力はちゃんとやります。その部分の細かいところの事例を二つくらい補足説明で述べています。大変失礼ですけれど、久保さんと楠さんとで、しっかりともう一回見直してくださるようお願いします。

<文部科学省>

ご要望として、報告書のほうは今一度、確認しておきます。

<図友連>

お願いします。以上が二番目です。では三番目お願いします。

<文部科学省>

公立図書館の補助金については、平成9年度限り廃止しているが、地財措置については、文科省として、地域の実情を鑑み、増額要望を出しているところです。積算額を明確に示すことは困難であるが、図書館の振興は重要であり、現状は教育格差解消プラン事業を実施しており、図書館でご活用いただく予算がありますので、ぜひ活用いただきたい。

<図友連>

3番目については、日本における図書館のレベルが非常にプアーであることからの要望です。簡単に言えば、日本人は一億二千万人。人口が少なくなるからいいだろうとか言わないで欲しいいのですが、とりあえず現在一億二千万人に公立図書館が約三千館です。つまり4万人に一館しかないのです。経済発展している日本がです。欧米に比べて非常に図書館の数が少ない、しかも地方で格差がある。図書館がなかった時代には、中央政府が、一生懸命いろんな援助策、補助策やってきました。これをもう一度要望したい。図書館振興を目指す時代は、文科省の図書館振興係の方にいろいろお願いしたら、私どものミッションは図書館振興で同じである。ただ基本方針が出ていないから、難しい。国会議員さんにお願いして、図書館の在り方を根本から考える委員会を作ろうとなりました。現在は、じり貧になってしまうのではないかと心配しています。できない理由は沢山ありますが、どうすれば出来るかを共に考えましょう。その一つの要望が、3番目で、地方交付税がいまのところ一番簡単だからというので総務省と連携してお願いします。別の手段として文科省の中で、社会教育とは何かから始めることもあると思います。

<図友連>

では4番目をお願いします。

<図友連>

時間がありません。ではあと数分。回答だけ、4番と5番一緒にお願いします。

<文部科学省>

図書館の所管が教育委員会であることを基本とすることについては、現在まさに公立社会教育施設全体について、地方公共団体の判断をもって条例で地方公共団体の長が所管できることも可能とするような要望があったところ。社会教育施設は従来から、地域における学習ニーズに応える拠点として機能してきたことに加えて、地方活性化やまちづくり等の機能も重要だと考え、ワーキンググループを生涯学習分科会の下に設置し、専門的な検討をしていただいているところです。ワーキンググループの議論をふまえて、社会教育施設がさらに活性化して、いきいきとしていただけるように進めていくということを考えております。5番目については、社会が急速に変化している中で、社会教育の重要性が一層高まっていると認識しており、今回の組織改編も、局課を超えてより一層広く社会教育の推進を図ろうというものです。既にご存知かと思いますが、総合教育政策局として、社会教育を中心とした生涯学習政策を担う課を3課設けようとしております。生涯学習推進課、地域学習推進課、男女共同共生学習推進課という3課を考えています。なかでも人口減少等の昨今において、活力ある社会を持続可能なものにするには、地域における学びを推進するために地域学習推進課というものを作ろうとしているところです。地域学習推進課は、青少年教育や家庭教育支援も含みつつ、学校教育と社会教育の連携協働をさらに進め、地域の課題解決も含めた地域における学習を推進することを考えています。組織再編後にはいろいろな課が社会教育を担当し、ウイングを広げていくというイメージを持っています。さらに、総合教育政策局に新しく社会教育の振興を統括的に担うということが名称上明らかな、責任あるポストを配置する予定です。

<図友連>

ありがとうございました。

(本報告書は2018年5月29日に文部科学副大臣宛に提出した「公立図書館の振興を求める要望書」への回答の位置づけとなる文書です。)

※本報告書のオリジナルには文中に図友連側の個人名が記載されておりますが、個人情報保護の観点から個人名に当たる部分について一部編集しています。ご了承下さい。

>> 【2018.5.29】文部科学省事務方面談報告書(PDF)

>> 【2018/5/29】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

【2018.5.29】丹羽文部科学副大臣面談報告書

日時:平成30年5月29日 11:00~11:20
場所:丹羽秀樹文部科学副大臣室
面談者:丹羽秀樹文部科学副大臣
<図友連>代表以下8名

<図友連>
要望書を手交し限られた時間なので要望項目1~5の要点だけ述べます。毎年要望をしてきており、少しずつ改善されてきていることに感謝するとともに、図書館を取り巻く環境はさらに厳しくなっています。本来は地方自治体が主体的に取り組む課題ではありますが、ナショナルミニマムの観点から、文科省の施策を期待したい。

昨日、図友連の総会があり、全国から図書館の応援団が集まり、図書館の振興・発展に関して、地元で努力しています。

<丹羽副大臣>
図書館は、地域における生涯学習、社会教育推進のための重要な拠点です。各地域で図書館の重要性についての認識が一層深まり、学びの場が充実するよう、取り組んでいきたいと思います。

>> 【2018.5.29】丹羽文部科学副大臣面談報告書(PDF)

>> 【2018/5/29】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)