【2014.12.8】「日本共産党」公開質問状回答

公立図書館の振興・発展に関する日本共産党の政策
2014年12月8日

公立図書館は、住民の知る権利・学習権を保障するための公的機関です。人々は多様な知識や情報に接することで人生の質を向上させ、その主権を十分に行使し、日々の生活、生業を豊かなものにすることができます。それだけに公立図書館は国民主権と住民自治を支える重要な機関です。日本共産党はこうした公立図書館の振興・発展のため、以下の政策の実現に力をつくします。

1、市町村立図書館の整備
日本の人口当たり図書館設置数は国際的にみて最低クラスで、いわゆる「平成の大合併」を経た今日でも、公立図書館がない市町村が1/4も残されています。図書館未設置の市町村を無くすことを急ぐとともに、中学校区単位での設置を目標とするなど生活圏域にねざした図書館設置をすすめます。そのために、図書館法に基づく国の図書館整備の補助金事業の復活、過疎地域自立促進特別措置法や離島振興法に基づく財源措置、各省庁の街づくり事業の活用などをおこないます。
政令指定都市では、広い行政区に図書館が一つしかないところが多数あります。図書館を生活圏域に即して整備するようにします。

2、専任の司書、司書資格のある館長の配置
司書は図書館運営の根幹にかかわる専門職であり、図書館に司書を置くことは図書館法上も明確です。しかし司書として発令されている人はきわめて少なく、司書有資格者ですら現場図書館員の5割にすぎません。国の「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」を改正し司書配置をより明確にするとともに、その裏付けとなる財政上の措置をおこない、司書の増員・正規化をすすめます。
図書館長は、図書館事業を長期的視野に立ってすすめる責任者であり、地域の読書環境整備に中心的役割を果たすべき職です。司書資格をもつ館長を配置することを原則とし、その業務にふさわしく、安定的継続的に業務に専念できるようにします。

3、図書館で働く非正規雇用職員の労働条件の抜本的改善
自治体の「経費削減」の掛け声とともに、図書館職員は次々と非正規雇用に替えられ、非正規雇用率は2/3をこえています。司書資格をもち図書館で重要な役割をはたしていながら、収入は年収200万円に満たず、雇用継続の保証もないなど、その労働条件はたいへん劣悪です。このことは図書館事業の質の向上のうえでも看過できません。
国・自治体の非正規雇用職員が人間らしく安心して働けるように、国・自治体に労働法令をきちんと守らせるとともに、公契約法・条例を制定し、図書館で働く非正規雇用職員の待遇を抜本的に改善します。

4、資料費の増額、県域を越えた資料配送費の負担
図書館の資料費が年々減り続けていることは深刻な問題であり、出版文化の進展にもかかわることです。各自治体で資料費増額をすすめるとともに、それを支えるため、国の交付税交付金措置額を明確にし、増額をすすめます。政府および自治体の刊行物を図書館に迅速・確実に提供するため、図書館法の公の出版物収集に関する規定の履行をはかります。
インターネットによる資料検索の普及、図書館サービスの進展により図書館間の資料の相互貸借がふえていることに鑑み、資料の流通経費の公的負担(都道府県間は国、都道府県内は都道府県が負担)を明確にし、財政措置をおこないます。

5、指定管理者制度の適用と民間委託に反対
公立図書館の利用は無料が大原則であり、収益がでるような事業ではありません。しかも図書館事業は司書などの専門職員が安定的に配置・養成され、長期的な視野をもって仕事をしてはじめて成立するサービスです。民間企業に管理運営をゆだねる指定管理者制度の適用や利用者に接する業務への民間委託は、図書館サービスと機能の変質につながるものであり反対です。
現在、図書館業務の受託企業で働いている人たちの安定雇用、専門性の蓄積、待遇等が保障されるよう、公契約をしている自治体の責任を求めながら対応します。

6、図書館協議会の拡充
図書館は地域の拠点であり、その運営に地域住民が参加することは図書館の活性化にもつながります。その制度的保障である図書館協議会をすべての図書館に設置します。現在、図書館協議会の経費についての地方交付税措置は道府県の図書館のみであり、それを市町村にも適用させ、市町村における図書館協議会の設置をすすめます。

7、読書の自由、図書館の自由の擁護
読書の自由を、守られるべき人間的自由の一つとして尊重します。
資料収集の自由、資料提供の自由、利用者の秘密を守る、すべての検閲に反対する、図書館の自由が侵されるとき団結してあくまで自由を守る、という「図書館の自由宣言」は、国民の読書の自由を守るうえでも重要なものであり、尊重します。
昨年、島根県松江市の学校図書館で『はだしのゲン』の閲覧制限が行われたことは、読書の自由、図書館の自由にてらして看過できない問題でした。私たちはどんな立場からのものであっても読書の自由、図書館の自由をおびやかすものに強く反対します。そのためにも、教育委員会を教育の自主性を守る住民自治の機関として確立し、首長などからの政治的介入を許さないことを重視します。

以 上

公立図書館の振興・発展に関する日本共産党の政策(PDF)

(2015.4.1 訂正版にて更新)

【2014.12.5】「公立図書館の振興・発展に関する政策」についての公開質問状

平成26年12月5日

自由民主党、民主党、維新の党、公明党、次世代の党、
日本共産党、生活の党、社会民主党、新党改革 御中

図書館友の会全国連絡会
代表 福富洋一郎

「公立図書館の振興・発展に関する政策」についての 公開質問状

私たち「図書館友の会全国連絡会」の会員は、全国各地で公立図書館の振興・発展のために活動を行なっております。日頃、活動に深いご理解とご支援をいただき感謝申し上げます。
ご承知のように、日本の公立図書館は先進諸国に比べ質、量ともにまだ低いレベルであるにもかかわらず、最近は地方公共団体の財政悪化により、資料費や人員の削減ばかりか、指定管理者制度導入による民営化など、多くの課題を抱えております。

新しい活力のある社会を築くためには、迂遠であっても、知力、文化力、技術力といった基礎的な力を身につけ、自ら考え判断する力を持つ人間が育つ環境を整備することが重要であり、それが民主主義社会を支え、わが国の繁栄につながるものと考えます。そのためには、公立図書館の重要性を全国に発信するとともに、全国の図書館づくりを支える施策の実施を願っております。

今回の衆議院選挙に当たって、貴党の「公立図書館の振興・発展に関する政策」をお聞かせいただきたく、ご多忙のところ大変恐縮ですが、12月10日までに、文書で下記連絡先までご回答くださいますよう、お願い申し上げます。

なお、ご回答は当会ホームページ等で公開させていただきますことをご了承ください。何かご質問がございましたら、遠慮なく連絡担当迄、お問い合わせていただきますようよろしくお願い申し上げます。

【連絡先】
図書館友の会全国連絡会
事務局長 船橋佳子
(※本文書に記載されている住所等連絡先は、ネット掲載分は個人情報保護の観点から伏させていただきます。お問い合せは図友連事務局まで。)

【参考】
「図書館友の会全国連絡会」HP

—————–質問状ここまで————-

「公立図書館の振興・発展に関する政策」についての公開質問状(PDF)

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【2014年10月30日】公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

平成26年10月30日

総務大臣 高市早苗 様

図書館友の会全国連絡会 代表    福富洋一郎
図書館問題研究会   委員長  中沢孝之
その他賛同91団体

 

地方自治を支える公立図書館の振興施策を求める要望書

私たちは、公立図書館の振興発展のために各地で活動を行なってきました。

今日の公立図書館の環境は、地方公共団体の財政悪化により、資料費や人員の削減ばかりか、指定管理者による民営化など、コスト削減を目的とした効率化が進行しています。図書館運営の責任放棄のみならず、官製ワーキングプアと呼ばれる非正規労働者を大量に生み出しました。私たちは、官自らが「格差社会」を拡大させ、社会の不安定化を増大させていることに疑問を感じざるをえません。

また、社会の安定化とともに、社会を維持発展させるために、新しい時代を切り開く活力のある社会を築くことが必要です。迂遠であっても、知力、文化力、技術力といった基礎的な力を身につけ、自ら考え判断する力を持つ人間が育つ環境を整備する以外には方策はありません。このことが民主主義社会を支えることにつながり、わが国の繁栄にもつながるものと考えます。

そのためには、公立図書館が地域の情報拠点としての役割を果たすために国が果たすべき役割は大きいと考えます。私たちは国が図書館の重要性を全国に発信すること、そして全国の図書館づくりを支える施策を実施することを願っています。

総務省が平成22年12月28日「指定管理者制度の運用について」の通知、この7月4日には臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用について」を発出されたことを評価しています。

平成22年度補正予算では、司書の確保や図書の充実、図書館の増築を対象に入れた「住民生活に光をそそぐ交付金」を措置し、平成24年度予算に「住民生活に光をそそぐ事業」を地方交付税として予算化されました。

以下、公立図書館の振興のため要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、11月末日までに図書館友の会全国連絡会代表に文書でご回答をお願いします。

要望事項

1.東日本大震災の被災地域の図書館に対する支援策の実施

大震災から3年半が経過しましたが、復興にはまだ遠く、貴重な地域資料、郷土資料も多く損傷したままにあります。日を追って回復は困難を増します。また、東北の「今」を伝えようと発信される多くの記録・情報も、今保存しなければ消えてしまいます。

私たちは、図書館が一刻も早く復興し、地域の生活情報の拠点として、地域の人々を支える中心となって活動することを願っています。関係機関や市民と連携をとり、復興政策のなかに図書館の設備や蔵書の復旧はもとより図書館で働く人々の雇用確保等の財源を配慮し、支援策を強力に実施するよう要望します。

2.補助金・交付金等措置の実施

平成 22 年度補正予算「住民生活に光をそそぐ交付金」以降、総務省が公立図書館振興予算を措置していることを、私たちは高く評価します。

公立図書館が効率的に機能するために、文部科学省と調整し、司書館長・司書職員の配置を要件とする、図書館建設及び資料費等への補助金・交付金等を措置してください。

3.指定管理者制度、業務委託等民営化に関する調査の実施

平成 22 年、私たちが要望した「図書館の民営化に関する調査」に対して、総務省は「各地方公共団体に対して、委託を行う事務事業について行政としての責任を果たすよう、選定基準の策定、情報公開による透明性の確保など、選定過程における留意事項等について必要な助言を行っているところである」と回答されました。しかし、総務省の助言は無視され、住民には十分な説明がないまま、コスト削減を目的とした民営化が各地で進んでいます。導入後は企業秘密を理由にして図書館運営の実態は明らかにしない、という状態です。

総務省が平成 24 年 11 月に公表した「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」(総務省自治行政局行政経営支援室)には、「県・市民会館、文化会館、博物館、自然の家、海・山の家等」と示される「文教施設」に図書館は含まれています。しかし、せっかく情報として収集しても、性格の大きく異なるものを「文教施設」に一括したのでは実態が把握できません。図書館のみの調査結果を公表してください。

4.県域を越えた資料搬送費の無料化の実現

図書館利用者が、他の図書館から図書資料を入手する場合、現状は多くの県立図書館が中心となって県域の資料搬送を受け持ち、県内の資料流通システムが作られています。しかし、県域を越えた場合は、借り受ける図書館が送料を負担しますが、予算が無いので利用を断わったり、利用者に経費を負担させたりすることがあるなどの問題が起きています。

誰でも必要な資料を無料で、貧富の差なく利用できるよう、県域を越えた資料流通に必要な搬送費用(郵送費等)を国の政策で無料化してください。また、このことについて、文部科学省、国立国会図書館とも連絡調整をおこなって進めてください

5.書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税軽減

書籍・雑誌・新聞を閲読する機会を増やすことは、国民の文化生活や、民主主義社会を維持発展させる上で大事なことと考えます。書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税について、廃止あるいは軽減措置をおこなってください。

以上

 連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

>>【2014年10月30日】公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)(PDF・賛同団体一覧付)

>>【参考資料】数字で見る図書館の現況2014年版(PDF)

図書館友の会全国連絡会(とともれん)の活動を紹介します