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【2016/5/24】土屋正忠総務副大臣面談報告書

土屋正忠総務副大臣面談報告書

日時:2016年5月24日(火)午後3時22分~37分
場所:総務省土屋正忠副大臣室
参加者・図友連:F事務局長、I代表補佐、I監事

(図友連参加者名は個人情報保護の観点よりイニシャルとさせていただきます)

○F事務局長より要望書の趣旨説明。

要望1.公立図書館を、「トップランナー方式」による指定管理者制度導入の検討対象から除外してください

図友連:トップランナー方式が総務大臣から出されているが、自治体において公共図書館が検討対象になれば大変なことになると、市民から不安の声があがっている。

土屋副大臣: 私も武蔵野市で市長を20年間やっていた 。駅前にも図書館をつくり、武蔵野プレイスは私の市長時代に新しい時代の図書館を構想した。自治体も職員を効率化していく時代だ。フルタイムの職員1人分で嘱託3人が雇用できる。市長時代は10人の司書を採用した。開館時間も増えているし、効率的な職員体制が必要だ。館長には民間人を採用して、筑波大学などに勉強に行ってもらった。費用対効果がみえることが必要だ。トップランナー方式と言っても図書館を対象にすると明言しているわけではない。検討対象でこれから検討していくという事だ。

要望2.市町村の図書館協議会委員の報酬を、地方交付税の積算根拠に明記して下さい」

図友連:地方交付税の積算根拠に明記してほしいと要望。昨年度文科省より総務省に要望を上げてもらったが、3月文科省から今年度は措置されなかったと回答があった。なぜ今年度は措置されなかったのか。いつ頃文科省より総務省に要望を上げてもらえばいいのかお聞きしたい。

総務省事務方:「今年より措置されています。」と発言あり。

図友連:F事務局長「その点に関して後程、事務方に確認させていただきます。」と発言した。

 

○行政機関の所有する個人情報をビックデータとして利活用する法律*注1 についてI監事より質問した。

 

*注1

*******  土屋正忠 総務副大臣ブログ2016年05月20日 17:30  ******

「世界初の法律成立~行政機関の所有する個人情報を識別出来ないよう加工して、ビッグデータとして利活用する法律、参議院で可決成立」

IT技術の飛躍的発達によって膨大な個人データを集積、匿名加工し分析して、ビッグデータとして活用が出来るようになった。目新しいところでは、2011年東日本大震災の時、津波情報をどのように受けとめ行動したか、NHKが解析しグラフ化して報道した。身近なところでは、コンビニエンスストアのPOSシステムがある。レジに行って代金を支払うと店員さんがデータを打ち込み、本部では売れ筋の商品を分析し配送する。男女別や年代を推定してデータとして活用すると商品開発につなげることが出来る。

グーグルの地区別お天気情報やリアルタイムの渋滞情報なども同様の技術だ。個別のデータを匿名化してビッグデータとして活用すれば新しい産業やビジネスが生まれるのでは?個人情報(パーソナルデータ)を正確かつ膨大に蓄積しているのは行政機関だ。そこで行政機関の個人情報を匿名化した上で利活用できないか、一方行政機関の所有する情報は、各々の法律に基づいて半ば強制的に集めたものであり、個人情報の保護が最優先である。

行政目的以外に利活用する場合でも、肝心の行政執行に差しさわりがあっては本末転倒だ。これらを調整し、個人情報保護を最優先しながらも利活用出来るという法律が、本日参議院本会議で可決したPD法だ。

正式名称は「行政機関等の保有する個人情報の適正かつ効果的な活用による新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するための関係法律の整備に関する法律」である。

世界で初めての法律となるのだが、この執行にあたっては十分国民の理解を得なければならない。

公布後基準となる政令を1年半かけてつくり、平成29年末頃執行となる。

所管は総務省行政管理局で、担当副大臣は私である。

*******  ブログ引用おわり**********************

 

図友連:行政機関が保有する個人情報を行政がビックデータとして使うということか?

副大臣:いや違う。民間企業が行政情報を使うことができるということだ。匿名化して、個人を特定することをできなくした情報を使う。施行まで1年半以上の期間を置いている。ツタヤ等の民間企業が個人情報保護法に触れるとなると当然処罰の対象になる。

 

○6月末までに要望内容について文書での回答を求めた。

(I監事記)

 

<土屋正忠総務副大臣面談後の動き>

○総務省の事務方とお話しできる場を面談後に設定できないか交渉したが、事前申し込みがないということで面談できなかった。

○F務局長から5月26日に総務省大臣官房政策評価広報課情報公開渉外第1係長三宮(さんぐう)友樹氏に問い合わせる。紹介された担当課 総務省財政局交付税課坂本氏に確認したところ今年度から措置されているとの回答あり。

・図書館協議会委員の報酬は 今年度28年度より地方交付税の積算根拠に明記されている。

・措置されていることが、どこに書かれているか尋ねたところ、一般に向けては7月頭くらいに出る「地方交付税制度解説」に金額とともに書かれている。それまでは書かれていることを確認できるものはない。

・6月末までの図友連への要望書に対する文書回答には金額も含め回答をさせてもらう

                               (F事務局長文責)

>> 地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

>> 土屋正忠総務副大臣面談報告書(PDF)

>> 参考資料:図書館協議会_制度解説(案)(PDF)

【2016年5月24日】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

平成28年5月24日

 文部科学大臣 馳 浩 様

図書館友の会全国連絡会  代表 福富洋一郎
(住所省略)
その他賛同88団体

公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っております。また、国に対しても公立図書館の振興について毎年要望してまいりましたが、この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいておりますことに対し心からお礼を申し上げます。

今日、地方公共団体の財政悪化が引き続く中で、資料費などの図書館経費削減、また、経費削減のための指定管理者制度導入など公立図書館運営の民営化が進み、公立図書館は疲弊し、困難に直面しているように私たちは感じております。

我が国の公立図書館数は2270館(平成7年度)から3241館(平成27年度)へと、1千館近い館数の増がありました。このことは大変喜ばしいことですが、この5年余り頭打ちの状態です。その内情を見ると、図書館の貧しさが進行しているように見えます。公立図書館総体の資料費予算額は321億円(平成17度)から291億円(平成27年度)へと減少し、1館当たりの資料費予算額は1096万円から897万円にまで落ち込みました。

職員数は、正規雇用は1万4206人(平成17年度)から1万485人(平成27年度)に26%減少し、一方、非正規雇用の非常勤・臨時職員(年間実働時間1500時間を1人として換算)は、1万3257人(平成17年度)から1万6575人(平成27年度)に25%増加しました。しかし、この間に最も変化したのは、民営化された図書館で働く職員(年間実働時間1500時間を1人として換算)で、2358人(平成17年度)から1万666人(平成27年度)と、4.5倍に急増しました。非正規職員のほとんどが短時間勤務、1年有期雇用、最低賃金に近い賃金で働いています。図書館運営の要となるべき図書館職員が不安定雇用、低賃金の職員に置き換えられ、図書館を支える人材を育成する基盤は崩壊しつつあるように見えます。

これら公立図書館の貧困化を反映して、公立図書館の貸出総数は平成22年あたりから後退し始めるという事態が起きてしまいました。平成22年度に7億1647万点あった貸出総数は平成26年度には6億9065万点に、2600万点近くも減じました。(統計数値は日本図書館協会の調査による)

これまで我が国の公立図書館は、ゆっくりとしたペースであったものの着実に発展を続けてきました。それは、昭和25年の図書館法の成立から現在に至るまで、多くの人々の努力の積み重ねによるものと考えています。それでもG7と呼ばれた国々の中で格段に立ち遅れている実態は広く知られており、国民としてはとても歯がゆいことです。しかし、G7 の国々においても、国や地方、市民、図書館員などが、長い年月をかけて築きあげたものであり、この努力を抜きにして、図書館の発展はないと考えます。市民が自ら調べ、考え、判断して課題を解決していくための地域における資料・情報の拠点として、民主主義社会を支える根幹となる図書館はそのようにして生まれてくると考えます。

現在の公立図書館はとても看過できない状況にあります。国が、今日の状況に照らして、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。今回、大きく2つの課題について下記の通り要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会代表宛に文書でご回答をお願いします。

1.公立図書館の管理運営を指定管理者制度等民営化の対象から除外してください

平成20年6月、社会教育法等の改正時、衆議院文部科学委員会が「人材確保およびその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討すること」、また参議院文教科学委員会が「人材確保およびその在り方について検討するとともに、社会教育施設の利便性を図るため、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮して、適切な管理運営体制の構築を目指すこと」の附帯決議を行い、渡海文部科学大臣(当時)から「公立図書館に指定管理者制度はなじまない」との国会答弁がありました。

これらの附帯決議については、附帯決議冒頭において「政府及び関係者は特段の配慮をなすべきである」と書かれています。しかし、これまでの8年間、それらに対応した施策が行われたようには見えません。この間、これらの警鐘を省みることなく、指定管理者制度導入など図書館の民営化を強引に進める地方公共団体は後を絶ちません。しかも住民には十分な説明がないまま、今も民営化が進んでいます。

平成27年8月、指定管理者制度導入の成功例として全国的に喧伝された九州の都市において、大量の中古書が購入されていたことが発覚し大きな問題になりました。続いて9月、同一の民間事業者が指定管理を受けた関東の都市においても、不適切な蔵書購入が問題となり、図書館としての社会的使命を果たすよりも、自社の利潤拡大を最優先させていることが、多くの人の目の前に明らかになりました。私たちは、本の流通に関係する業者が指定管理者になり、本の選定・購入権を委ねれば、営利を優先した資料の選定・購入が起きるだろうと危惧してきましたが、問題の一端が現れたと考えています。

以上のことから私たちは下記3点を要望します。

(1)平成27年11月、総務省は「経済・財政一体改革の具体化・加速に向けた地方行財政の取組について」の中で、図書館等の教育機関に平成29年度以降トップランナー方式導入を検討すると記しました。トップランナー方式を導入すれば、地方交付税の中の図書館算定分が削減され、図書館への指定管理者制度導入が促進されてしまいます。経費削減と引き換えに図書館の設置目的が損なわれることのないように、図書館にはトップランナー方式を導入しないように働きかけてください。

(2)当面、公立図書館を所管する文部科学大臣として、公立図書館の振興を図るために、指定管理者制度について、平成20年の文部科学大臣答弁を超える表明を行ってください。また、公立図書館を指定管理者制度の対象から除外する施策を実施するようにしてください。

(3)指定管理者制度を導入した図書館の実態を調査し、その問題点を明らかにし、適切な管理運営体制を構築するための施策を講じてください。

2.公立図書館に図書館協議会を設置する法改正を行ってください

図書館協議会に関し平成27年5月に提出した私たちの要望に対して、ご尽力いただきましたことに感謝申しあげます。改めて申し上げるまでもなく、図書館法に規定する図書館協議会は、公立図書館がその地域に即したサービス・活動を展開するために必要不可欠な制度です。しかし、任意設置であるために設置しない市区町村が多数あり、また、類似の組織を設置し図書館協議会の肩代わりをさせるなど、図書館協議会の重要性が十分に認識されていないのは残念なことです。

先ずは国において全国の図書館協議会の現状をしっかりと把握し、図書館協議会が図書館の振興発展に力を発揮できるようにするための有効な施策を行ってください。

この図書館協議会に関し、私たちは下記3点を要望します。

(1)図書館法第14条第1項「公立図書館に図書館協議会を置くことができる。」を「公立図書館に図書館協議会を置く。」に改正して下さい。また、図書館協議会委員の任命はいわゆる公募枠を設ける法改正等の措置を行ってください。

(2)地方交付税措置に関し、市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬に関して、都道府県立図書館と同様に積算根拠に明記することについて、総務省とともに引き続き取り組んでください。

(3)平成27年度実施の「公立図書館の実態に関する調査研究」のとりまとめをなるべく早く公開してください。

以上

 連絡先  図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

 >> 【2016年5月24日】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛・賛同団体一覧付PDF)

【2016年5月24日】地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

平成28年5月24日

総務大臣 高市早苗 様

図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
(住所省略)
その他賛同88団体

地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っております。また、国に対しても公立図書館の振興について毎年要望してまいりましたが、この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいておりますことに対し心からお礼を申し上げます。

今日、地方公共団体の財政悪化が引き続く中で、資料費などの図書館経費削減、また、経費削減のための指定管理者制度導入など公立図書館運営の民営化が進み、公立図書館は疲弊し、困難に直面しているように私たちは感じております。

これまで我が国の公立図書館は、ゆっくりとしたペースであったものの着実に発展を続けてきました。それは、昭和25年の図書館法の成立から現在に至るまで、多くの人々の努力の積み重ねによるものと考えています。それでもG7と呼ばれた国々の中で格段に立ち遅れている実態は広く知られており、国民としてはとても歯がゆいことです。しかし、G7 の国々においても、国や地方、市民、図書館員などが、長い年月をかけて築きあげたものであり、この努力を抜きにして、図書館の発展はないと考えます。市民が自ら調べ、考え、判断して課題を解決していくための地域における資料・情報の拠点として、民主主義社会を支える根幹となる図書館はそのようにして生まれてくると考えます。

現在の公立図書館はとても看過できない状況にあります。国が、今日の状況に照らして、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。今回、大きく2つの課題について下記の通り要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会代表宛に文書でご回答をお願いします。

1.      公立図書館を、「トップランナー方式」による指定管理者制度導入の検討対象から除外してください

平成20年6月、社会教育法等の改正時、衆議院文部科学委員会が「人材確保およびその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討すること」、また参議院文教科学委員会が「人材確保およびその在り方について検討するとともに、社会教育施設の利便性を図るため、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮して、適切な管理運営体制の構築を目指すこと」の附帯決議を行い、渡海文部科学大臣(当時)から「公立図書館に指定管理者制度はなじまない」との国会答弁がありました。

これらの附帯決議については、附帯決議冒頭において「政府及び関係者は特段の配慮をなすべきである」と書かれています。しかし、これまでの8年間、それらに対応した施策が行われたようには見えません。この間、これらの警鐘を省みることなく、指定管理者制度導入など図書館の民営化を強引に進める地方公共団体は後を絶ちません。しかも住民には十分な説明が無いまま、今も民営化が進んでいます。

平成27年8月、指定管理者制度導入の成功例として全国的に喧伝された九州の都市において大量の中古書が購入されていたことが発覚し大きな問題になりました。続いて9月、同一の民間会社が指定管理を受けた関東の都市においても、不適切な蔵書購入が問題となり,図書館としての社会的使命を果たすよりも、自社の利潤拡大を最優先させていることが、多くの人の目の前に明らかになりました。私たちは、本の流通に関係する業者が指定管理者になり、本の選定・購入権を委ねれば、営利を優先した資料の選定・ 購入が起きるだろうと危惧してきましたが、問題の一端が現れたと考えています。

平成27年11月、貴省は「経済・財政一体改革の具体化・加速に向けた地方行財政の取組について」の中で、図書館等の教育機関に平成29年度以降トップランナー方式導入を検討すると記しました。トップランナー方式を導入すれば、地方交付税の中の図書館算定分が削減され、図書館への指定管理者制度導入が促進されてしまいます。

図書館は「民主主義の砦」といわれるように、その働きは教育機関の範囲にとどまるものではありません。「民主政治の基盤の確立」「自立的な地域社会の形成」(総務省設置法第3条)を任務の一つとする貴省にも深くかかわる機関です。経費削減と引き換えに図書館の設置目的が損なわれるならば、本末転倒ではないでしょうか。

2.市町村の図書館協議会委員の報酬を、地方交付税の積算根拠に明記して下さい

図書館法に規定する図書館協議会は、図書館がその地域に即したサービス・活動を展開するという原則を実現するために必要不可欠な制度です。しかし、都道府県立図書館の図書館協議会委員の報酬は地方交付税の積算対象となっていますが、市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬は対象外となっています。図書館協議会の必要性は、都道府県においても、市町村においても変わることはないと思います。

このことについて、昨年貴省にお伺いしましたところ、文部科学省から要求が出ていないことを理由としてあげられました。それで、文部科学省に要望し、貴省に要求を出していただきましたが、平成28年度は認められなかったとの回答がありました。平成29年度は、市町村立図書館の図書館協議会委員の報酬を、都道府県立図書館と同様に地方交付税の積算根拠に明記して下さい。

以上

連絡先  図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

>> 【2016年5月24日】地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛・賛同団体一覧付きPDF)

2014年総務副大臣面談報告書

<2014年総務副大臣面談報告書>

日時: 2014年10月30日 午後3時25分から3時40分
場所; 総務省副大臣室
面談者;総務副大臣 二之湯智参議院議員
図友連;AK・IK・IS・G・S・Y・FK(図友連代表)・FN(事務局)
※ネット掲載にあたり、図友連側の氏名を個人情報保護の観点によりイニシャルのみとさせていただきます。ご了承ください。

図友連代表より図友連の組織の説明があり、本日は北海道を始め全国からこの場に参加しているとメンバーの紹介があった。

二之湯副大臣:
北海道には図書館のことを頑張っている市長さんがいるがどこだったかとの問いかけに、恵庭市と参加者より声が上がった。二之湯副大臣は参議院京都選挙区だが、滋賀県選挙区の二之湯武史参議院議員はご子息であるとの話から、参加者より滋賀県には素晴らしい図書館が多いとの話が出た。

続いて図友連代表より要望書項目の説明、武雄市図書館の問題(武雄市図書館をモデルとした図書館が全国に出てきている)についての説明を行う。「住民生活に光をそそぐ交付金」は継続してほしいと要望をした。

二之湯副大臣:
皆さんの理想の図書館はどういうものなのか。私は生きるに役立つ図書館でないと、と思っている。これからは図書館を使うことを知らなければならない。その為には 学校図書館を充実していかなければならないと思う。

(文責 FN)

■公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

■2014年総務副大臣面談報告書(PDF)

■2014年総務省要望書文書回答
2014soumu-mendan-ans

【2014年10月30日】公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)

平成26年10月30日

総務大臣 高市早苗 様

図書館友の会全国連絡会 代表    福富洋一郎
図書館問題研究会   委員長  中沢孝之
その他賛同91団体

 

地方自治を支える公立図書館の振興施策を求める要望書

私たちは、公立図書館の振興発展のために各地で活動を行なってきました。

今日の公立図書館の環境は、地方公共団体の財政悪化により、資料費や人員の削減ばかりか、指定管理者による民営化など、コスト削減を目的とした効率化が進行しています。図書館運営の責任放棄のみならず、官製ワーキングプアと呼ばれる非正規労働者を大量に生み出しました。私たちは、官自らが「格差社会」を拡大させ、社会の不安定化を増大させていることに疑問を感じざるをえません。

また、社会の安定化とともに、社会を維持発展させるために、新しい時代を切り開く活力のある社会を築くことが必要です。迂遠であっても、知力、文化力、技術力といった基礎的な力を身につけ、自ら考え判断する力を持つ人間が育つ環境を整備する以外には方策はありません。このことが民主主義社会を支えることにつながり、わが国の繁栄にもつながるものと考えます。

そのためには、公立図書館が地域の情報拠点としての役割を果たすために国が果たすべき役割は大きいと考えます。私たちは国が図書館の重要性を全国に発信すること、そして全国の図書館づくりを支える施策を実施することを願っています。

総務省が平成22年12月28日「指定管理者制度の運用について」の通知、この7月4日には臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用について」を発出されたことを評価しています。

平成22年度補正予算では、司書の確保や図書の充実、図書館の増築を対象に入れた「住民生活に光をそそぐ交付金」を措置し、平成24年度予算に「住民生活に光をそそぐ事業」を地方交付税として予算化されました。

以下、公立図書館の振興のため要望いたします。ご多用のところ恐縮ですが、11月末日までに図書館友の会全国連絡会代表に文書でご回答をお願いします。

要望事項

1.東日本大震災の被災地域の図書館に対する支援策の実施

大震災から3年半が経過しましたが、復興にはまだ遠く、貴重な地域資料、郷土資料も多く損傷したままにあります。日を追って回復は困難を増します。また、東北の「今」を伝えようと発信される多くの記録・情報も、今保存しなければ消えてしまいます。

私たちは、図書館が一刻も早く復興し、地域の生活情報の拠点として、地域の人々を支える中心となって活動することを願っています。関係機関や市民と連携をとり、復興政策のなかに図書館の設備や蔵書の復旧はもとより図書館で働く人々の雇用確保等の財源を配慮し、支援策を強力に実施するよう要望します。

2.補助金・交付金等措置の実施

平成 22 年度補正予算「住民生活に光をそそぐ交付金」以降、総務省が公立図書館振興予算を措置していることを、私たちは高く評価します。

公立図書館が効率的に機能するために、文部科学省と調整し、司書館長・司書職員の配置を要件とする、図書館建設及び資料費等への補助金・交付金等を措置してください。

3.指定管理者制度、業務委託等民営化に関する調査の実施

平成 22 年、私たちが要望した「図書館の民営化に関する調査」に対して、総務省は「各地方公共団体に対して、委託を行う事務事業について行政としての責任を果たすよう、選定基準の策定、情報公開による透明性の確保など、選定過程における留意事項等について必要な助言を行っているところである」と回答されました。しかし、総務省の助言は無視され、住民には十分な説明がないまま、コスト削減を目的とした民営化が各地で進んでいます。導入後は企業秘密を理由にして図書館運営の実態は明らかにしない、という状態です。

総務省が平成 24 年 11 月に公表した「公の施設の指定管理者制度の導入状況等に関する調査結果」(総務省自治行政局行政経営支援室)には、「県・市民会館、文化会館、博物館、自然の家、海・山の家等」と示される「文教施設」に図書館は含まれています。しかし、せっかく情報として収集しても、性格の大きく異なるものを「文教施設」に一括したのでは実態が把握できません。図書館のみの調査結果を公表してください。

4.県域を越えた資料搬送費の無料化の実現

図書館利用者が、他の図書館から図書資料を入手する場合、現状は多くの県立図書館が中心となって県域の資料搬送を受け持ち、県内の資料流通システムが作られています。しかし、県域を越えた場合は、借り受ける図書館が送料を負担しますが、予算が無いので利用を断わったり、利用者に経費を負担させたりすることがあるなどの問題が起きています。

誰でも必要な資料を無料で、貧富の差なく利用できるよう、県域を越えた資料流通に必要な搬送費用(郵送費等)を国の政策で無料化してください。また、このことについて、文部科学省、国立国会図書館とも連絡調整をおこなって進めてください

5.書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税軽減

書籍・雑誌・新聞を閲読する機会を増やすことは、国民の文化生活や、民主主義社会を維持発展させる上で大事なことと考えます。書籍・雑誌・新聞等出版物の消費税について、廃止あるいは軽減措置をおこなってください。

以上

 連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長船橋佳子

※個人情報保護の観点より事務局等の連絡先はホームページでは非公開とさせていただきます。お問い合せは図友連HPメールフォームよりお願いいたします。

>>【2014年10月30日】公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)(PDF・賛同団体一覧付)

>>【参考資料】数字で見る図書館の現況2014年版(PDF)