【2019/5/28】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

       令和元年5月28日

文部科学大臣 柴山 昌彦 様

図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
(住所省略)
その他賛同101団体

 公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っています。国には公立図書館の振興について毎年要望をしてきました。この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいていますことに、心からお礼を申し上げます。

現在、地方公共団体は財政が厳しいため資料費などが削減されているところが多く、また、指定管理者制度導入はサービス低下をもたらし、公立図書館は疲弊し、困難に直面しています。

国が、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。

今回、大きく6つの課題について次のとおり要望します。

ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会に文書でご回答ください。

1 公立図書館の管理運営を指定管理者制度の対象とする施策、誘導助言などをしないでください

(1) 指定管理者制度を導入した図書館の調査を実施して、実態を明らかにしてください。

(2) 公立図書館の建設、運営などの計画に指定管理者制度導入が構想されている場合は、補助金、起債許可の対象としないよう各省庁に徹底してください。

2 公立図書館を機能させるために専門職員の配置をすすめてください

図書館に知識と経験を持った館長及び職員を配置することが必要です。専門職員を採用・養成する施策を実施してください。

3 公立図書館に図書館協議会の設置を促進し、その活動を活発にする施策などをしてください

図書館協議会は民意を図書館に反映させる重要な組織です。図書館協議会の正確な調査を実施して、実態と先進事例を明らかにし、設置を促進してください。

4 地方交付税の図書館経費の積算内容を豊かにしてください

図書館サービスが充実されるように、地方交付税の図書館経費の積算内容を豊かにしてください。市町村立図書館の図書館協議会の経費については、貴省のご努力により平成28年度から地方交付税に明記されるようになりました。しかし、多くの図書館協議会では、会議の回数や委員の人数が足りず十分な協議ができていません。年に4回以下程度の会議では有効に機能しませんし、協議会委員の研修も必要です。協議会経費の積算内容を充実するように努力してください。

5 JAPAN/MARCの普及を推進してください

全国の図書館が持つ書誌情報(MARC=機械可読目録)は、高品質で継続的に安定したもので共有されなければなりません。国民的なMARCと言えるJAPAN/MARCを普及し、図書館の質的向上を図る施策を実施してください。

6 MLA(博物館、図書館、文書館)連携が進む施策を実施してください

近年、諸外国ではいわゆるMLA連携が進展しています。我が国でも有機的な文化資産ネットワークが構築されるよう、図書館がその専門性を活かし、他機関が所蔵する資料の目録化・デジタル化を牽引する施策を実施してください。

連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子
(住所・TELは省略)

※代表・事務局長の連絡先は個人情報保護の観点から非公開とさせていただきます。送付済の原本には記載されています。

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