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【2018.6.27】「地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書」に対する総務省からの回答

>> 「地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書」に対する総務省の回答(2018.6.27付・PDF)

>> 「地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書」(総務省宛(2018.5.29)

【2018.5.29】総務省事務担当者面談報告書

日時:平成30年5月29日 16時40分~17時30分
場所:総務省行政相談室
面談者:
総務省:吉村顕氏 (自治行政局行政経営支援室 課長補佐)
高野一樹氏 (自治財政局交付税課 課長補佐)
山内雄太氏 (自治財政局交付税課 総務事務官)

図友連:代表、事務局長以下4名

<図友連>

図友連は毎年文部科学大臣と総務大臣に要望書を提出しています。公立図書館は文部科学省主管ですが、お金の問題のことは解決できないので、総務省にも、今年度はこの2点について要望書を出しています。先ほど奥野総務副大臣に要望書を手渡し、懇談をしてきました。図友連は、北は北海道から南は沖縄までの会員がいる全国組織ですが、要望書の賛同団体は、今年度は91団体です。全国の団体が手をつないで、色々な問題の中から全体について検討を重ね、共通の問題としての要望書内容となります。

まず1番目は指定管理者制度です。指定管理者制度が始まってからいろいろな問題が起こってきました。スポーツセンターや公園などには指定管理者制度はどんどん導入されていますが、図書館への指定管理者導入はせいぜい15~16パーセントくらいです。「図書館に指定管理はなじまない」という渡海文部科学大臣(当時)の発言もありました。ここにも書いてありますが、トップランナー方式の時に、初めは図書館にトップランナー方式が入るといわれていましたが、やはり総務省の方々がいろいろ検討すると、トップランナー方式を図書館に入れるのはおかしいのではないかとはずしていただきました。総務省でも文科省と色々議論をしていただいているということで、安心をいたしました。我々は、図書館は社会教育施設であり、図書館法による図書館ですので、指定管理者制度を入れるのをやめてほしい。今の流れの中でコンパクトシティ構想や、賑わいの創出で図書館に人を集めるということが言われて、指定管理者制度の図書館ができてきています。最終的には地方自治で決めることですが、図書館法に基づく、図書館本来の姿を持った図書館ではなく、また市民に情報開示もされず、図書館協議会の承認などの民主的な手続きを経ないで導入の決定がされる例があるので、少なくとも指定管理者制度を公立図書館に誘導するようなことはやめてほしいというのが1番目の要望です。

2番目の地方交付税については、時代的にきちんと図書館を作るために文科省には助成金制度などがありましたが、今は、文科省はいろいろ事情があって、そこまでいかない難しい状況となっています。裕福な自治体と非常に厳しい自治体とのバランスをとるのが地方交付税であると、私たちは理解しています。図書館の振興に役立つような基準を作ってほしい。それによって地方自治体は足りないお金を何とか工夫して豊かな図書館を作っていく。細かいところについては、色々文科省とうまく調整し、ここでもう一度文科省、総務省で図書館の発展、充実のために頑張って、その方向に向かった施策をしていただき要望書に書いてあるように充実をお願いしたい。

<総務省>

今頂いたお話について申し上げると、あくまでも交付税は政策誘導のためにあるものではなく、標準的にかかっている費用についてきちんと捉えていこうというもの。トップランナー方式についても 多くの団体が、指定管理者制度を導入していることによって経費が下がっているのであったら、それに合わせていきましょうというもので、当方としては、図書館については、トップランナー方式に入れないという判断をしたわけです。それはあくまでも実態として、ここに書いてあるように指定管理者制度はなじまないということがあって、多くの団体が導入している状況ではなかったので、対象としなかったという話で、そこは我々は、実態に合わせていくということで考えているので、トップランナー方式を使って、指定管理者制度を入れるべきだという姿勢で臨んでいるわけではない。

2番目についてですが、平成28年度に市町村図書館協議会の経費について明記をしたが、合わせて、市町村合併が落ち着いてきて、1つ1つの団体が大きくなった結果、団体当たりの図書館経費が以前より多く掛かっていたため、30年度増額をした。実態をよく見てどれくらい経費が掛かっているのかを見て、きちんと措置しているのでその所は安心してほしい。算定するにあたって毎年単価の見直しをしている。常に決算でどれくらいかかっているのかということから、我々の単価設定がかけ離れたものにならないようにしている。足りないというところの声はあげていただいて、我々も適時検討していきたいと思っている。

<図友連>

指定管理者制度ということで、最初は図書館法があるために図書館は対象ではなかった。それで進んでいくと思ったが、途中ですべてを対象とする聖域なき改革ということで、図書館も含むということになった。当時は効率性=経費節減と、当時のマスコミ、日経は図書館が民営化されれば、これだけの金額の市場が民間に開かれると報道した。図書館を経費節減と営利対象になってしまって、図書館の役割とかが欠けてしまった。細かいサービスは、人手がかかるので避けてしまったり、最も重要なのは、図書館員の育成ができないということがある。これ自体決定するのは、各自治体であるが、総務省としてもこれが、特に文科省さんには強くいったが、指定管理役に立つのか役に立たないのか、成功しているというところを調べればわかるわけだが、どこも調査をしようとしない。どこの所管にもお願いしてるのだが、本当にうまくいっているのか。

<総務省>

図書館員の育成のためにということか。

<図友連>

それだけではなく、育成するのはサービス向上のためであるわけだが、サービスが向上しているのか、ちゃんとしたサービスが行われているのかどうかということ。ちょっと言いすぎになるかもしれないが、市町村で指定管理を入れる場合は、そのトップが入れるという方針のもとに進んでいくということなので、問題があっても下の機関というのか、例えば図書館を所管管轄している部署は、問題があってもそれを隠してしまう。上の方は進めるということで、まずいことがあれば、お前たちの指導がまずいからだといわれるので、業者と一緒になっていろいろなものを隠してしまう。

地域の情報拠点であるはずの図書館が全く逆のことになってしまっている。

<図友連>

指定管理がこれだけ進んでいるが、こと図書館に関しては勝負があったのではないか。これだけデメリットが出ているし、困っているところもたくさんあり、デメリットを出せといえば我々も出すことができる。ここで基本的に、指定管理者制度には図書館を除くという抜本的なことも頭に置きつつ、動きがあると我々もそれに乗っていく。元総務大臣の片山善博氏も指定管理についていろいろ言っているし、図書館の専門家の山口源治郎氏も去年から今までのそぐわないということだけでなく、民主主義の根幹を崩す制度が指定管理者制度であると堂々と言っている。指定管理者制度反対の学者もたくさんいて、事例もたくさんあるが、そういう動きが可能であるならば、応援もする。それについて事務方がどう考えているか、意見を言える立場ではないと思うが、図友連としてはトップランナーのことなどそこまで考えてくれているのではないかと期待を持っているということを伝えたかった。

<総務省>

指定管理者制度は、導入しろと言っているわけではなくて、業務によっては導入することによって効率的に運営できることもありますよねと、そういう選択肢を示している。いろいろな考え方の方がいらっしゃる。図書館には当然だめだという方もいらっしゃれば、やれるんじゃないかという方もいる。いろいろな選択肢がある中で一番いいと思うものを選ぶのが地方自治である。

<図友連>

私は民間人なので、一部の公立学校で、民間の進学塾の講師が一部の授業をやった方が、先生方が苦労してやるより、効率的な学校教育ができる、として、民間企業が学校に入ることをトライしている向きがないわけではないことを知っているが、そこまで進んでいないのが学校教育ではないか。教育のことをよく考えている人は、進学塾方式で、東大京大にたくさん入るということは、教育ではないと思っている人が多い。図書館に対しては、民意が低いからまだ民営化はおかしいとまで思っていないのかと感じる。そこで、草の根活動からやらなければならないと思う人に対しては、要はやるのは文科省で決めるのは自治体であって、色々選択肢を与えているのは総務省である、と言っています。本日も、総務省トップの野田総務大臣が、色々考えたら学校教育は教育委員会がしっかりやって、社会教育も特に図書館は教育委員会がやる、という動きが起こってくることを期待している。図友連として、我々の理想の図書館を議論し、「私たちの図書館宣言」を作り直営でしっかり理想を目指してほしい。直営でありさえすればいいとは言っていない、直営でも悪い図書館がたくさんある。

<図友連>

悪い図書館があるから指定管理に流れていく。やはり指定管理者制度の一番大きな問題は、運営の空洞化だと思う。図書館の管理運営を外部に委ねてしまうわけですから、その間に図書館の運営のノウハウが自治体に残らない。空洞化してしまう。一定時期は残るかもしれないが、異動などで図書館のことなどを良く知っている人が全然残らなくなってしまう、自治体にいなくなってしまう。自治体が図書館について考えるという手段についても奪われてしまうという実態がある。

<図友連>

やはり、ポイントは「人・金・物」の「人」ですね。「人」というのは、継続的に勉強すればできるというのではなく、資格+経験の積み重ねです。指定管理が50年続くというのはあり得ないことで、平均を見ると5年間で、今はもうかるということで運送会社などがバンバン入ってきている。そのような会社の職員は、長く雇えないということで継続性がなくなる。せっかくライブラリアンという専門性の人で社会教育をしっかりやって、国民の知る権利を守り、望ましい基準も作って、文科省が頑張っても、地方自治の原則から自治体が勝手に決めるのが当たり前だということで民営化が進み、総務省も何もできないという流れが進んでいる。このように崩れかけているのを、孫子の代まで続けないように、ということで私たちは頑張っている。

<図友連>

私は栃木県からきているが、栃木県は、県の図書館の数の8割に指定管理が入ってきてしまっている。大体指定管理を入れているところは、昔から司書がいなくて、図書館としての機能の低いところ、から導入されていきます。図書館はあるが、土日は閉庁になると借りられなくなるというところに指定管理が入っていくことによって、最初は使いやすくなったということで喜んでいた。だが、指定管理では司書を育てていくということができなくなってしまうものだから、図書館機能という本来あるべき保管庫としての図書館機能がだんだん低下してきてしまって、生涯学習などで私たちが勉強しに行きたいとなった時に、レファレンスをしてくれる司書がいないとか、本来の図書館機能が、かなり失せてしまっているところが多くなってきてしまった。このままでいったら、図書館がブックカフェか無償の貸本屋になってしまう可能性がないとは言えない状態になっている。ただ単に外から見た図書館ではなくて、本当に私たちが利用していくことのできる、教育の立場に則った本来の図書館というものを維持していくためには、今の指定管理のやり方では無理ではないかなと、栃木県の事情を見ているとそう思う。本来総務省の方から、「そぐわない」という通達が出ているにもかかわらず、地方の方ではどんどん導入していってしまっている現状というのは、もっと議員さんたちが勉強してそこで歯止めをかけえて行けばいいのかもしれないが、「国がそういう風に言っているのだから、指定管理者制度はいいんだよ」という形で、議員さんに指定管理を導入して行くと言われてしまうので、上からのお達しでという風になっていかないと下から直営でとお願いしに行ってもなかなか通じていかないという現状がある。図書館本来の機能を失ってから、どうしようといい始めてももう遅いと思うので、今のうちに力添えをいただけないか。

<図友連>

図書館に指定管理を入れることの問題点は何かを調査するということで、我々に出してくれと言われたら喜んで出します。今言った本当にそぐわない、まずい事例が次々出てきて、それが現状であるということが実態です。

<図友連>

資料を付けさせていただいているが、資料の2番の 地方交付税の積算根拠、3ページの7番のところに2000年は図書費、資料費はどんなものがあるか細かく書かれているが、ある時から積算内容が書かれなくなっている。もらった地方自治体もうまく使っていけないので、きちんとした積算内容、細かい項目で出していただきたい。1ページのところ、資料の項目の積算額が、資料費の予算額、決算額に影響を与えている。地方交付税は現在地方自治にとっては頼みの綱なので、きっちりしたもので積算をしていただきたい。使う方もそれなりにきちんと使わなければならないとなる。資料を出しているので見てほしい。きちんとした積算根拠を示してほしい。

<図友連>

積算根拠は役人だけが知っているものでなく、私たちも市の図書費がいくらなのか、逆にこれくらい必要だということで算定しているものに比べて、私たちのところは、この程度しかつけていないではないか、ということでちゃんとつけてほしいと言っていける素材になる。ですので、今回お出しした資料は使えると思っている。そういう根拠をきちんと書いていただければ、すごく助かります。

<総務省>

ある時から簡略化されているのには理由がありまして、平成19年に全体の個々の算定が細かすぎて、もう少し簡略化すべきという動きがあり、新型交付税が導入された。交付税の算定は非常に大変で、膨大な量の細かいデータを積み上げている。そういうデータを各団体から上げてきてもらっているわけである。そういうことから、一方では精緻に算定すべきという要請と、もっと簡略化すべきという要請と両方ある。そこでバランスを取りながらやっている。そういう事情もあって今はこういう仕組みでやっているということを理解いただきたい。

先ほど 図書館の予算額や決算額で、うちはこれだけ少ないではないか、もう少し使えるのではないかという発言があったが、交付税は標準的にかかっている金額を措置していきましょうという制度なので、これだけ使いなさいという制度ではない。交付税はあくまで色がついている財源ではないので、それぞれの団体で一般財源として、その中でどう使うかは地方公共団体の自由だというものである。そもそもここで示している額を使いなさいというということでないのはご理解いただきたい。

<図友連>

統計を見ていただくとわかるが、決算額が2017年度1館あたりが、895万円になっているが、17年前は1078万あった。交付税は各自治体に手当てされているのは、減っているわけではない。各自治体でこのような状況が起きているので、それを何とか食い止めて、資料費を確保しなければ、人が離れていく、ちゃんとした図書館運営ができないので、そういうことからも重要になってくるなという気がしている。

<総務省>

色々なことがあるのは十分わかりましたが、図友連さんが言われた指定管理のことで。

指定管理者というのは、地方自治体が住民のために設置をした公の施設をどう運営していくか、直営にするか指定管理者にするか、サービスをどう提供するかという観点からみると直営かそれ以外なのかが選択できる。先ほど栃木県の事例で、開館時間などサービス水準がよくなった事例や、悪くなったということもありました。

管理の在り方によってサービスの水準がどう影響を受けるのかということは変わる。サービスの水準を維持するために、地方公共団体が業者に対して、どのような働きかけをしているのかということがありますので、地方公共団体において、どのように水準を守っていくのかを考えることが大事だと思う。

すでに500以上導入されているわけですし、取り組みの中で、選書の機能を自治体に移すなどいろいろ工夫しながら、良いサービスを提供する体制を維持していくにはどうしていくかということを考えていかなければならない。直営でなければならないということは必ずしもないと思う。どのようにサービスを提供するのかということはいろいろな選択肢の中で考えていただきたい。直営か指定管理か、選択肢として考えていってもらいたい。指定管理者に委ねるとその機能がなくなるというのは少し言いすぎだと思う。民間の事業者の中に培われているものを活用するということもあると思う。指定管理者について、制度があるからというのにとどまらない対応が必要だと、思いましたので述べました。

<図友連>

結局自治体がやろうとしているのは、官製ワーキングプアを生み出すということになってしまう。自治体は直営でやるよりも安くしようということ、それが動機である。今地方財政が厳しいので。サービスをいかに良くしていこうとかという視点で考えると、逆にもっと費用がかかることになる。安上がりで何とかしようとすることですから、サービスもそれなりになる。働いている人の賃金も最低ぎりぎりになっている。ほとんどの人が、いつかない、長くそこに勤められないという実態がある。

<図友連>

こういう要望を毎年、全国の図書館の仲間で出しています。先ほどの栃木のように困っている仲間がたくさんいて、あるところは自治体が頑張って、図書館協議会で議論した結果、デメリットがはっきりしたということで、やめたところもありますし、そういう議論が今行われている中で、総務省も、選択肢ができたのだから自治体がしっかり議論すれば、できないよりいいのではないか、というのではなくて、選択肢が増えたのはいいという総務省の立場も分かるが、現在厳しい状況に置かれているところもあるということを理解いただきたい。本当にいい日本を作り、孫子のためにといことで、我々もデータを提供したいと思っている。

<図友連>

先ほど、自治体が選書するのを評価していましたが、それは指定管理者が選書することができない、選書させたら危ない、図書館の根幹ができない業者に指定管理をやらせるかという問題が一つ。自治体の職員が現場にいないのに選書できるのかという問題がある。現場にいないから図書館のことがわからない、本のことがわからないという人が選書をして、逆に図書館現場でどんな本が読まれているのかわかっている指定管理の図書館員者が外されているという問題が一つ。うまくいっているといわれている工夫自体が、そもそも図書館が指定管理になじまないからそれらしく工夫したので、このようなやり方は非常に危ない。

<図友連>

海老名市では、選書がおかしいということで、教育委員会が全部調べた。本来選書は現場のライブラリアンが行うもので、全く図書館のことを知らない教育長が行って選んだ。図書館長ではなく教育委員会が選書するのは素晴らしいという考え自体は、図書館現場が選書するという長い歴史を、全く考えていないことだと思う。

<図友連>

終了の時間ということで、奥野文部科学副大臣面談とこの面談の記録について、やり取りをして確認をさせていただきたい。どうぞよろしくお願いします。

本日はありがとうございました。

(文責 図友連事務局長)

※本報告書のオリジナルには文中に図友連側の個人名が記載されておりますが、個人情報保護の観点から個人名に当たる部分について加工しています。ご了承下さい。

 

>> 【2018.5.29】総務省事務担当者面談報告書(PDF)

>> 【2018/5/29】地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書要望書(総務省宛)

【2018.5.29】文部科学省事務方面談報告書

日時:平成30年5月29日 11:30~12:10
場所:文部科学省会議室
面談者:文部科学省生涯学習政策局社会教育課 運営支援係長(施設担当)久保晃一氏、法規係長 楠 明香里氏
<図友連>代表以下8名

<図友連>

これまで文書回答でなくて口頭でお願いするということで、この事務方との会議の議事録をオープンにするという方法を取ってきました。我々は全国の会員に報告しなければならないので、今年もそのようにさせていただければと思っております。よろしくお願いします。

<文科省>

いただいたご要望に対して、回答させていただくというというほうがよろしいでしょうか。

<図友連>

そうですね。我々も今年は大議論して、5点に絞って要望しました。それをひとつずつ回答していただき、そのあとその他ということでよろしくお願いします。

<文部科学省>

指定管理者制度の導入については、設置者が判断することで、第一に、利用者に対する一般サービスの充実に資するように配慮しつつ、設置者である地方公共団体において議論していただくものです。導入の後に戻すということも、議論の上ではあり得ると考えます。1の(1)については、指定管理者制度の問題点というところだけに注目して調査するのは難しいところです。1の(2)については、文科省として補助金は廃止されていますが、指定管理者制度の導入に関連して判断されるものではないと認識しています。

<図友連>

それでは1番の指定管理の問題について補足説明しますと、図書館への指定管理制度導入は、渡海元文科大臣がそぐわないと発言されましたが、最近はさらに一段強めて、図書館学専門家の山口源二郎教授が、そぐわないどころか、民主主義の根幹を破壊する制度であるとおっしゃっています。指定管理制度の導入は、地方公共団体が決めることであって、文科省が決めることではないということは承知したうえで強く要望しています。指定管理を導入している図書館以外の公の施設では、メリットデメリット議論があるかもしれませんが、こと公立図書館に関しては、そぐわないどころか民主主義の根幹を破壊するという学者も出てきた新たな段階と、一旦導入した福岡県小郡市や山口県下関市などは課題があるために直営に戻っています。最近、茨城県守谷市が直営に戻す方針が出て話題になっています。市民側からも情報が出ているので、文科省として、本当にどんなメリットもあるのか、まず(1)は、学者が言っていることが正しいかの実態を調査して欲しいという要望です。片山善博元総務大臣の講演録を読むと、指定管理者制度導入を明確に否定しています。

それから(2)のところは、少なくとも補助金とか起債許可の対象にしないように、文科省として、各省庁に徹底していただきたい。各省庁に要望すると、文科省が図書館について管轄しているので、文科省が言ってこない限りは、図書館法を考えずに図書館を整備して、賑やかないいのができますと言われてしまいます。愛知県小牧市では、住民投票で反対されようと市長としては駅前にとにかく賑やかな図書館を作ると言っています。例えば神奈川県海老名市は、図書館法における図書館を作るのですかと市長さんに聞きました。もし“図書館アミューズメントセンター”を作るのなら、私は文句を言わずむしろ褒めるかもしれませんと言ったら、“図書館法に基づく図書館を今回作った”と言っているので、文科省の調査と見解を出していただきたいと思います。ということで、1番について(1)(2)を出しました。私以外に言いたい方、どうぞ。

<図友連>

去年、一昨年でしたか、トップランナー方式、総務省の方でいったん出されて、具合が悪いということで、文科省もふくめて判断をされ、撤回されたと思う。誘導策としては、こういったものが頭の中にある。メリットデメリットがあるというふうな形じゃなくって、やっぱり問題点があれば問題点があるということを示していっていただきたい。図書館法に定めている設置目的からしてね、その設置目的を果たすような施設なのかどうなのか、ということについて、なんらかのやっぱり見解を、それぞれの住民から求められた時には示してほしいなというふうに思うその点についてはどうか。いわゆる文科省でそういう法律を作って、図書館という仕組みを作っているということやから、その仕組みに合っているかどうか、ということが市民感情としては非常に気になるところだ。

<文部科学省>

繰り返しになりますが、地方公共団体がそれぞれの地域の実情に応じて判断されるものであるため、設置者において適切に判断いただきたいと考えます。メリットデメリットについては、まさに直営に戻したところがあるというお話しをうかがっているが、そういったものもぜひ情報提供いただきたいと考えています。

<図友連>

そうですね。昨日図友連は総会を午前中にやって、午後はお互いの情報を交換しました。もうお読みになったかもしれませんが、茨城県守谷市では、今年から指定管理を入れたところ問題が発生して、指定管理会社の責任者が議会で謝罪したそうです。その後、図書館協議会で一生懸命検証して、守谷市長が指定管理は止めるという方向性をきちんと出したそうです。図友連のメンバーが発表したので、みんなから質問が出ました。その情報は、毎日新聞の茨城版に出て、まだ全国版に出ていないホットなものです。文科省の方にも、必要情報は送るようにしたいと思いますので、ぜひ実態を調べていただきたい。それから、福岡県小郡市のときには小郡市の職員だった永利和則さんという方が、そのまま出向して新しい指定管理図書館の館長になったのですが、教育委員会の情報が入らないなど、非常に困ったそうです。横浜市では、指定管理を導入した公の施設は900位ありますが、図書館は1館だけなのです。全18館の18分の1。公園とかスポーツセンターなどは指定管理の導入は多いですが、指定管理の中で導入率が一番少ないのが図書館。問題点を抱えているからこそ、みんな慎重にやっているのが、ある意味現実かなと思います。他の方、指定管理についてもしあればどうぞ。

<図友連>

特に、今のように、人手不足のとこも問題が露呈してきて、仕事自身が回らないからどんどんこんなことじゃ生活できへんということもあって採用された人もやめていっていくと、だから指定管理でとったのに実際には回らくて社長が謝りに行くっていうのはそのさっきの守谷の例ですよね。

<図友連>

それと新しい情報では、指定管理の会社として「ツタヤ図書館」は問題だが、大手の会社ならまかしておけば大丈夫だ、という話が出ていますが、企業分析をすると、競合会社間での指定管理者の決め方や、会社の社員のワーキングプア問題など課題が浮かび上がってきます。

<図友連>

抜け道が、あくどいと思いますよね

<図友連>

私は民間会社で働いてきたので、あくどいというより、民間企業では当たり前の行動だと思います。民間会社は利益を出すのが目的であり、問題は、本当に社会教育施設の運営を民間会社に任せていいのか、というところが問われていると思います。2番に進めさせていただきますと、2番目は図書館協議会の問題です。

<文部科学省>

図書館協議会については、地域住民のニーズを汲み取り、図書館自体が適切に応えていくために必要な機関でありますので、各種機会を通じて、設置を促しているところです。ご案内のとおり、市町村の図書館協議会の報酬について、地方交付税の増額が認められたところ、各地でより一層活発な取組が展開されることを期待しています。(1)については、実態として、社教調査では、設置率は年々伸びており、平成27年の調査研究においてでは、回数や人数の平均から算出している部分がございますので、参照していただきたい。(2)については利用者の声を十分反映して運営を行うために、設置者である地方公共団体の判断によっては、委員の公募も必要であると考えられる。基準についても条例で定めるということになっており、その事例等については、各種会議で周知をしていきたいと思います。(3)で、協議会が連絡、提携する組織の設置も必要な場合もあるかと考えますが、地方分権の趣旨を鑑みると、設置者である地方公共団体が地域の実情に応じて設置運営をするというのが基本となります。

<図友連>

ありがとうございました。図書館協議会についてはここ数年言い続けています。昨年の総務省への要望では、文科省も同じ立場で言っていただき、一歩前進することが出来、ありがとうございました。細かいことになるのですが、この前報告された調査研究は、我々の目で見ると問題があると思います。補足説明にあるように、報酬額が低く報告されており、実態を表わしていないので、使う側から言えば問題だと思っています。

<図友連>

単純に言いますとこの今ここに出ている金額では実際に図書館協議会を開く予算が立てられないということで、果たしてこういった調査のやり方が妥当なのかというところです。そもそも図書館協議会の報酬額そのものを調査していただければそれで平均額というのがわかって、より参考になるものが出るはずで、こういった調査で、報酬額の平均が出ていないということに、最初は我々の中でもなかなかそういったことが、出てるに違いないというふうに思っていたところが、よく読んでもそこは出ていない。ということで、実際の報酬よりも低いものしか出ていないと。もう一点つけております要望書の説明の2ページ目の裏側のほうに。

<図友連>

少し詳しく補足していますのでご覧ください。図友連はこれまで図書館協議会の調査をお願いし、今回レポートが出てきました。調査の目的は図書館協議会をより良くすることです。市民参加による調査の目で見ると、違和感がありましたので、補足説明をしました。例えば委員報酬の平均額は、トータル額を委員数で割ったりして、お金もらっていない委員もいるのにおかしいと思いました。調査の目的が何だったのか気になっているので、誤解を与えないように文科省から調査会社にご指導をお願いしたい。次の調査の時はしっかりやってほしい。図友連も各会員の協力を得て、図書館協議会の実態調査と課題のレポートを作っておりますので、参考資料として提供するつもりです。

<図友連>

ちょっと念のため、確認させていただきたいのですが、このような項目を出すようにということを文科省のほうから出されたのではなくて、私なんかが思うには、調査の委託先のほうがこういう数値で出してきたということだと考えているのですが、そういうことでよろしいでしょうか。文部省のほうでこの数字が必要だという、だからこれで出せといったことではないと。

<文部科学省>

本省としては項目として確認したうえで調査しているものです。

<図友連>

この調査なんですけれど、私は基本的に欠陥があるというか、なんでこんな調査をしたのかというのがあるんです。調査項目ということではいいのですけれども、調査の手法に問題がある。ひとつは回収率ですよね。回収率が4分の3程度ということだったと思うのですけれど、例えばTRCじゃなくて図書館協会に調査を委託すれば、図書館協会の年間統計の回答率は100パーセント近くあるわけですが、この調査は低い。この約75パーセントから他の25パーセントを類推し、全体を把握できるのかというとできないということが一つ。これは、値段との関係で回答しなかったところに二回も三回も督促をやらなかったということでしょうが。それより大きいのは集約の問題で基本的に欠陥があることです。調査を見て最初に驚いたのは、東京23区の図書館協議会の件数が9とあったことです。これで驚いて各区に問い合わせをしてみたら、やはり図書館協議会があるのは1区で、杉並区しかないのです。じゃなんでこんな9になったのかということですが、調査全体も見て考えたのですけれども、これは杉並区の図書館がそれぞれ回答しますので、9の地域館があると回答したものを集計して9にしたと思われます。調査全体も同じ手法によると思うのです。例えば、貸出数とか資料費とかそれぞれ各館ごとについてるから、回答を足しあげて回答館数で割れば1館当たりは出るかもしれません。しかし、各館の固有でないもの、図書館協議会や図書館政策など基本的に各自治体ごとに持つものを、こういったものを持ってますかと各館に聞いたら、複数館を持つ自治体では実数の数倍になって、それを集計すればとんでもない数値が出てきます。調査をおこなうにあたっての基本的なことを理解しない調査となっています。

<図友連>

ここらへんは、細かく言うとキリがありません。私は、指定管理の大手の会社がこの調査を請け負った点が気になり文科省に問合せて調べたところ、オープンテンダーで決めたので公平でした。しかし出てきた報告書が、本当に図書館協議会を良くしようというための資料ではなく、細かく読めば、けしてマニアチックな指摘をしているわけではなく、ただ単に調査をちゃんとやりました、これは調査会社の責任ではなく、責任は文科省にありますと言われてしまう疑問点が随所にありました。文科省の人がどういうチェックをやったのか、市民参加の一番大事な図書館法に規定された図書館協議会の実態調査なのに残念です。そういう調査をしたことを反省していただいてもう一回やり直してほしいというのが我々の要望であり、その協力はちゃんとやります。その部分の細かいところの事例を二つくらい補足説明で述べています。大変失礼ですけれど、久保さんと楠さんとで、しっかりともう一回見直してくださるようお願いします。

<文部科学省>

ご要望として、報告書のほうは今一度、確認しておきます。

<図友連>

お願いします。以上が二番目です。では三番目お願いします。

<文部科学省>

公立図書館の補助金については、平成9年度限り廃止しているが、地財措置については、文科省として、地域の実情を鑑み、増額要望を出しているところです。積算額を明確に示すことは困難であるが、図書館の振興は重要であり、現状は教育格差解消プラン事業を実施しており、図書館でご活用いただく予算がありますので、ぜひ活用いただきたい。

<図友連>

3番目については、日本における図書館のレベルが非常にプアーであることからの要望です。簡単に言えば、日本人は一億二千万人。人口が少なくなるからいいだろうとか言わないで欲しいいのですが、とりあえず現在一億二千万人に公立図書館が約三千館です。つまり4万人に一館しかないのです。経済発展している日本がです。欧米に比べて非常に図書館の数が少ない、しかも地方で格差がある。図書館がなかった時代には、中央政府が、一生懸命いろんな援助策、補助策やってきました。これをもう一度要望したい。図書館振興を目指す時代は、文科省の図書館振興係の方にいろいろお願いしたら、私どものミッションは図書館振興で同じである。ただ基本方針が出ていないから、難しい。国会議員さんにお願いして、図書館の在り方を根本から考える委員会を作ろうとなりました。現在は、じり貧になってしまうのではないかと心配しています。できない理由は沢山ありますが、どうすれば出来るかを共に考えましょう。その一つの要望が、3番目で、地方交付税がいまのところ一番簡単だからというので総務省と連携してお願いします。別の手段として文科省の中で、社会教育とは何かから始めることもあると思います。

<図友連>

では4番目をお願いします。

<図友連>

時間がありません。ではあと数分。回答だけ、4番と5番一緒にお願いします。

<文部科学省>

図書館の所管が教育委員会であることを基本とすることについては、現在まさに公立社会教育施設全体について、地方公共団体の判断をもって条例で地方公共団体の長が所管できることも可能とするような要望があったところ。社会教育施設は従来から、地域における学習ニーズに応える拠点として機能してきたことに加えて、地方活性化やまちづくり等の機能も重要だと考え、ワーキンググループを生涯学習分科会の下に設置し、専門的な検討をしていただいているところです。ワーキンググループの議論をふまえて、社会教育施設がさらに活性化して、いきいきとしていただけるように進めていくということを考えております。5番目については、社会が急速に変化している中で、社会教育の重要性が一層高まっていると認識しており、今回の組織改編も、局課を超えてより一層広く社会教育の推進を図ろうというものです。既にご存知かと思いますが、総合教育政策局として、社会教育を中心とした生涯学習政策を担う課を3課設けようとしております。生涯学習推進課、地域学習推進課、男女共同共生学習推進課という3課を考えています。なかでも人口減少等の昨今において、活力ある社会を持続可能なものにするには、地域における学びを推進するために地域学習推進課というものを作ろうとしているところです。地域学習推進課は、青少年教育や家庭教育支援も含みつつ、学校教育と社会教育の連携協働をさらに進め、地域の課題解決も含めた地域における学習を推進することを考えています。組織再編後にはいろいろな課が社会教育を担当し、ウイングを広げていくというイメージを持っています。さらに、総合教育政策局に新しく社会教育の振興を統括的に担うということが名称上明らかな、責任あるポストを配置する予定です。

<図友連>

ありがとうございました。

(本報告書は2018年5月29日に文部科学副大臣宛に提出した「公立図書館の振興を求める要望書」への回答の位置づけとなる文書です。)

※本報告書のオリジナルには文中に図友連側の個人名が記載されておりますが、個人情報保護の観点から個人名に当たる部分について一部編集しています。ご了承下さい。

>> 【2018.5.29】文部科学省事務方面談報告書(PDF)

>> 【2018/5/29】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

【2018.5.29】丹羽文部科学副大臣面談報告書

日時:平成30年5月29日 11:00~11:20
場所:丹羽秀樹文部科学副大臣室
面談者:丹羽秀樹文部科学副大臣
<図友連>代表以下8名

<図友連>
要望書を手交し限られた時間なので要望項目1~5の要点だけ述べます。毎年要望をしてきており、少しずつ改善されてきていることに感謝するとともに、図書館を取り巻く環境はさらに厳しくなっています。本来は地方自治体が主体的に取り組む課題ではありますが、ナショナルミニマムの観点から、文科省の施策を期待したい。

昨日、図友連の総会があり、全国から図書館の応援団が集まり、図書館の振興・発展に関して、地元で努力しています。

<丹羽副大臣>
図書館は、地域における生涯学習、社会教育推進のための重要な拠点です。各地域で図書館の重要性についての認識が一層深まり、学びの場が充実するよう、取り組んでいきたいと思います。

>> 【2018.5.29】丹羽文部科学副大臣面談報告書(PDF)

>> 【2018/5/29】公立図書館の振興を求める要望書(文部科学省宛)

 

【2018/5/29】地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書要望書(総務省宛)

平成30年5月29日

総務大臣 野田聖子 様

図書館友の会全国連絡会 代表 福富洋一郎
(住所等連絡先は省略)
その他賛同91団体

 

地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書

私たちは公立図書館の振興発展を願い、全国各地で活動を行っています。国には公立図書館の振興について毎年要望をしてきました。この要望を真摯に受け止め、ご尽力いただいていますことに、心からお礼を申し上げます。

現在、地方公共団体は財政が厳しいため資料費などが削減されているところが多く、また、指定管理者制度導入はサービス低下をもたらし、公立図書館は疲弊し、困難に直面しています。

図書館は地方自治を支える重要な基盤です。その発展が地域を活性化させ、地域住民の活躍にもつながります。国が、地方公共団体の図書館の振興、発展のための施策を行うことが求められています。

今回、大きく2つの課題について次のとおり要望します。

ご多用のところ恐縮ですが、6月末日までに図書館友の会全国連絡会に文書でご回答ください。

1 指定管理者制度を公立図書館に誘導する施策は止めてください

貴省は平成28年11月の経済財政諮問会議において、図書館を「トップランナー方式」から除外すると表明された際に、指定管理者制度が公立図書館になじまないことを示し、調査研究機関としての重要性に鑑み司書を配置する、との図書館管理運営の基本を明らかにしました。後の国会において文部科学省とともにこれを答弁し、政府の考えを明確にしました。

しかし、公共施設等総合管理計画やコンパクトシティ構想などにより、指定管理者制度を公立図書館に誘導し、図書館の機能とは異質のにぎわいの創出を最優先する施策を推進する動きが顕著にあります。直ちに止める措置をしてください。

2 地方交付税の図書館経費の積算内容を豊かにしてください

多くの公立図書館では資料費の減額が続いています。これは、平成15年度以降、積算額が明示されていないことが影響しています。

図書館サービスが充実されるように、地方交付税の図書館経費の積算内容を豊かにしてください。また、地方交付税の図書館経費の積算根拠を明らかにしてください。

そして、貴省には平成28年度から市町村立図書館の図書館協議会の経費についても地方交付税の積算根拠に明記していただいたところですが、多くの図書館協議会では、会議の回数や委員の人数が足りず十分な協議ができていません。年に4回以下程度の会議では有効に機能しませんし、協議会委員の研修も必要です。協議会経費の積算内容を充実させてください。

連絡先 図書館友の会全国連絡会事務局長 船橋佳子
(住所等連絡先は省略)

※代表および事務局長の住所等個は個人情報保護の観点よりホームページでの記載は省略させていただきます。ご了承下さい。 

>> 地方自治を支える公立図書館の振興を求める要望書(総務省宛)(PDF・賛同団体一覧/添付資料付き)